IT大手、いまは株式よりも社債に投資妙味
米大手銀のストラテジストは、現在の大きな投資機会はIT大手の株式ではなく、社債にあるとの見方を示した。AIインフラの整備に伴う巨額の借り入れに対する懸念から、社債の利回りは上昇しており、投資適格級のハイパースケーラーが発行する社債でも利回りが8%に達するものがあると述べた。
ハイパースケーラーによる今年の債券・株式発行を通じた資金調達額は、これまでに2710億ドルに達している。同ストラテジストはレポートで「原石のような割安なIT企業の社債を買うべきだ」と指摘。「マグニフィセント7の社債利回りは6-8%と魅力的な水準にある。メタ<META>による株式発行は、信用市場の投資家をより重視する姿勢への転換を示しており、AI関連社債が株式に対してアンダーパフォームする局面は終わった」との見方を示した。
◆主な投資適格級IT大手の社債利回り
(クーポン利率・償還日)(利回り)
*オラクル<ORCL>
(6.85%・2066年2月4日)(8.43%)
*メタ<META>
(6.45%・2066年5月15日)(7.40%)
*アマゾン<AMZN>
(6.05%・2076年3月13日)(6.81%)
*ブロードコム<AVGO>
(5.70%・2056年1月15日)(6.75%)
(5.70%・2075年11月15日)(6.66%)
*エヌビディア<NVDA>
(5.625%・2056年6月15日)(6.67%)
*マイクロン<MU>
(3.477%・2051年11月1日)(6.27%)
*AMD<AMD>
(4.393%・2052年6月1日)(6.15%)
*マイクロソフト<MSFT>
(3.041%・2062年3月17日)(6.08%)
*アップル<AAPL>
(4.10%・2062年8月8日)(6.06%)
今週は、決算を発表したIT・ハイテク企業の株価が大幅に下落。多くの企業でフリーキャッシュフロー(FCF)の赤字が予想以上に膨らんだ一方、設備投資は依然として巨額に上っている。例えば、アマゾンは設備投資見通しを2200億ドルに据え置いたものの、過去12カ月間のキャッシュ流出額は424億ドルに達した。
アルファベットは90億7000万ドルのFCF赤字を計上し、通期の設備投資額を1950億-2050億ドルと見込んでいる。マイクロソフトも、AI投資の資金調達に向けて本格的に社債市場を活用し始めており、250億ドルの新規社債発行を発表。一方、メタ<META>は次の資金調達手段として株式市場を選択。同社は先週、株式発行を通じて総額950億ドルを調達する計画を明らかにした。
ただ、株式の発行増加は、希薄化でハイパースケーラーの既存株主にとってはマイナス材料となる。上記のストラテジストは「こうした動きが大規模な自社株買いの時代の終わりを告げるものだ」と考えていると述べている。
株探ニュース