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【特集】ゼロから始める「株探」の歩き方 ― (6)有望株発掘は業績評価が決め手!

「有望銘柄の発掘は業績評価が決め手! 将来性があるのに割安な銘柄を探そう」

横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

◆株価を動かす信用需給、売り方・買い方の力比べ

 株を取引する手法の一つに信用取引があります。信用取引では、株を買う方法(信用買い)と、株を空売りする方法(信用売り)があります。信用買いと信用売りがどの程度マーケットで取引されているのか、いわゆる信用残高の取組状況を表したものが「信用倍率」です。信用倍率は「信用買い残÷信用売り残」で計算することができます。数値が「1」よりも大きい場合には買いが売りよりも多く、反対に「1」よりも小さい場合には売りが買いよりも多いことを表しています。

 信用取引では通常、反対売買を行って決済します。信用買いでは売りを、信用売りでは買いを行って決済します。そのため、信用の売りが増えて信用倍率の数値が「1」に近づくと、売り方は決済する時に株を買わなければなりませんから、その買い需要で株価が上昇する可能性が高まると言われています。

 信用倍率は買い残が売り残を上回っているケースが一般的ですが、1倍を割り込んでいるような場合もあります。こうしたケースでは株価が上昇すると、信用売りを行った投資家は損失が発生してしまいますから買い戻しを行わなければならず、その買い戻しによって株価をさらに押し上げる「踏み上げ」相場が期待できます。こうした銘柄は、「好取組銘柄」として投資家から注目を集めています。

 ただ、信用取引では企業の将来性が有望視されて信用買いが増える場合もありますし、業績が不安視されて信用売りが増える場合もありますので、単純に信用倍率の数値通りに株価が動くわけではありません。必ず業績を確認して、信用取引の売り買いを選択するようにしましょう。


図4 腕に覚えのある投資家が注目する「信用取引」データ
【タイトル】

 個別銘柄ページの左端には「信用取引(単位:千株)」の欄があります。ここでは毎週の売り残、買い残、倍率が掲載され、信用取引の需給の推移を確認することができます。個別銘柄の信用取引に関するデータは、東京証券取引所が毎週第2営業日(火曜日)の16時30分を目安に発表を行っています。なお、信用取引については、別の回で詳しく解説します。

 有望成長株は、現在の企業業績がさらに収益力を高めて飛躍していく可能性があり、かつ現在の株価が割安に評価されている企業です。どんなに将来性があっても、株価が割高であれば大化けは期待できないでしょう。決算内容とともに各種指標を使い、しっかりと分析を行っていくことが大切です。 

 次回は、個別銘柄のチャートや数字の見方などを解説していく予定です。

 >> 7回目に続く

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