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「レアアース」関連株が新展開、官民挙げての総力戦で輸出規制に反撃へ <株探トップ特集>

特集
2026年3月16日 19時30分

―重要鉱物の脱中国加速、供給源多角化やリサイクル資源獲得で形勢逆転へ布石―

希少資源の争奪戦が世界中で繰り広げられている。なかでも重要鉱物の「レアアース(希土類)」などについては、中国の採掘量が突出しているだけに、経済安全保障の観点から対中依存比率の低減は大きな課題となっている。こうしたなか、先月2日に海洋研究開発機構(JAMSTEC)が、小笠原諸島・南鳥島周辺海域で「最初のレアアース泥が船上に揚泥されたことを確認」したと発表。期待感と思惑を絡め関連株に位置付けられる銘柄群が一斉蜂起した。現在は中東情勢の悪化に振り回され全体相場が波乱展開をみせるなかも、 レアアース関連株への関心は将来への期待もあいまって依然として高い。中国の輸出規制が更に強化されるとの観測も根強く、再び関連銘柄に注目が集まれば、燎原の火のごとく物色が拡大する状況も考えられる。レアアース関連株のいまを点検した。

●南鳥島沖、日米共同開発と伝わる

中国がレアアースの日本への輸出規制強化を進めている。中国側がレアアースを武器に強気に出られるのは、その埋蔵量や採掘量で断トツだという背景がある。米地質調査所(USGS)によれば、中国のレアアースの埋蔵量は世界全体の約5割、採掘量では7割近くを占めると言われているからだ。また、汚染物質が多量に発生するレアアースの精錬だが、その能力は他国と比較できないほど高く、これは環境規制が比較的緩い中国だからこそ可能な「離れ業」ということになる。とはいえ、仮にレアアースの採掘が首尾よく進んだとしても、精錬についてはレアアースの産業化の過程で、わが国においても解決しなければならない大きな課題であることは言うまでもない。

日本も手をこまねいていない。南鳥島周辺で地球深部探査船「ちきゅう」によるレアアース泥の採取、そして将来的な産業化へと結び付けようと懸命だ。2028年度以降早期の産業化を目指すが、ここにきて高市早苗首相は19日のトランプ米大統領との首脳会談で、南鳥島沖でのレアアースの共同開発について確認すると伝わっており期待感が膨らんでいる。また中国を念頭に、レアアースの最低価格制度の導入についても協議する見通しだという。これを受けて、東洋エンジニアリング <6330> [東証P]がストップ高に買われたのをはじめ、第一稀元素化学工業 <4082> [東証P]、岡本硝子 <7746> [東証S]など関連株の一角に物色の矛先が向かった。

ただ、産業化は平たんな道ではないだけに、重要鉱物の再利用にも関心が向かう。政府は今月6日、循環経済に関する関係閣僚会議を開催。レアアースやレアメタル(希少金属)などの重要鉱物やリサイクル資源の獲得競争が激化していることを受け、木原稔官房長官は再生資源の供給サプライチェーンの強靱化や、国際資源循環ネットワークの構築などを盛り込んだ「循環経済行動計画」を、4月をメドに取りまとめるよう要請した。中国のレアアースの輸出管理強化を受け、国内での重要鉱物のリサイクルを推進する構えだ。

●キーマンは総合商社

更に、日本は官民挙げての総力戦で、レアアースなど重要鉱物の脱中国を加速させている。ブラジルは世界2位の埋蔵量を誇るが、今月9日にはエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が同国のゴイアス州とレアアースの採掘・供給に関する覚書を交わした。 また前週末の13日には、日豪レアアース(JARE)を通じて、双日 <2768> [東証P]が豪州レアアース大手のライナスレアアースとの間で、レアアース鉱山の新規開発に向けた検討を開始することに基本合意したと発表。「日本向け中重希土類の取り扱い品目と供給量の拡大にも合意」しているといい、あらゆる面からレアアースのサプライチェーンの多角化を進め供給拡大を目指す。JAREとライナス間で締結している長期供給契約が更新され、今後、ライナスが生産する中重希土類の最大75%が日本向けに供給されることになる。同社は昨年10月、ライナスが製造するレアアースについて、日本国内向けの輸入を開始したことを明らかにしていた。そのほかでは、23年に米MPマテリアルズ<MP>製レアアースの日本向け独占販売代理店契約を締結している住友商事 <8053> [東証P]など「やはり総合商社が中国からの依存度を減らすキーマン」(証券ジャーナリスト)になるとの見方が多い。

●リケンテクノ、レアアース回収技術で頭角現わす

政府がレアアースなどのリサイクルに力を入れるなか、企業や大学、研究機関が連携し、重要鉱物の資源循環に向けた技術開発も活発化している。リケンテクノス <4220> [東証P]は今月3日、島根大学と共同でポリ塩化ビニル(PVC)を用いた湿式メカノケミカル処理によるNd(ネオジム)磁石からのレアアース金属回収の技術開発を進めていると発表。同社はPVCコンパウンド品の製造販売を祖業としており、現在では非PVC材料や各種フィルム製品など幅広い分野で事業を展開しているが、製品の使用後を見すえたリサイクル技術の研究開発でも攻勢をかけている。業績も好調に推移しており、1月30日には26年3月期の連結業績予想を上方修正し、営業利益を105億円から111億円(前期比5.8%増)へ引き上げ、過去最高益を更新する見通しだ。株価は、今月2日に1878円まで買われ最高値圏を舞うが、足もと波乱相場に翻弄されるなか上昇一服。ただ1700円近辺では押し目買いニーズも観測され、高値奪回からの活躍に期待も。

●再資源化で存在感高めるエンビプロ、リネットJ

資源リサイクル大手のエンビプロ・ホールディングス <5698> [東証S]は、重要鉱物の再資源化で存在感が高まっている。2月12日には、26年6月期連結業績予想の上方修正を発表。非鉄市況の高騰が強い追い風となり営業利益は13億円から前期比2.4倍となる23億円に大幅増額した。24年には、英HyProMagとレアアース磁石のリサイクルに関してMOU(基本合意書)を締結し連携を開始した。同社は第2四半期決算説明会で、HyProMagが取り組むリサイクルの手法については「昨年の秋からパイロットプラント操業を開始して、今年の1月から商業利用を始めていると報告があった」とし、「日本でどのような需要があるかしっかりと見極めた上で、われわれも設備の導入を検討していく」とした。株価は2月13日に1150円まで買われ1月20日につけた昨年来高値にツラ合わせ。その後は調整しているものの、900円近辺ではじわり値ごろ感も。

使用済みのパソコンなどは、レアメタルなどの重要金属が多く含まれており、まさに都市に眠る宝の山だ。リネットジャパングループ <3556> [東証G]は自治体との連携により家電リサイクル事業を展開しており、2月28日現在で、「大型家電回収サービス」の連携自治体は208となった。また、同社は環境省・経済産業省から小型家電リサイクル法に基づく許認可を取得し、宅配便を活用して廃家電を自宅から直接回収するリサイクルサービスを、全国約750の自治体・大手ネット通販・大手家電量販店・家電メーカーなどと提携して展開している。22年には、東京都の「レアメタル緊急回収プロジェクト促進事業」に採択。当時、ロシア・ウクライナ情勢悪化を契機にレアメタルなどの供給不足が懸念され、資源の有効利用と資源循環の重要性が高まるなか、東京都と連携して法人向けパソコン回収事業に本格参入した経緯がある。

また、アサカ理研 <5724> [東証S]からも、引き続き目が離せない。レアメタル・レアアースのリサイクルの研究開発に注力し、レアメタルの回収率が大幅に向上しており、今後更に活躍場面が増えそうだ。

●注目怠れないいであ、岩谷産など

環境コンサルと建設コンサルを両軸に展開するいであ <9768> [東証S]は、大深度の海底調査を行う自社開発のホバリング型AUV(自律航行型水中ロボット)を活用し、レアアース泥などの海洋資源開発に係る環境調査を手掛けている。南鳥島周辺海域でのレアアース泥の採掘が話題になるなか、関連銘柄として急浮上した。株価は上値の重い展開が続くが、活躍素地が広がっているだけに、ここからの展開には目を配っておきたい。26年12月期の連結営業利益は前期比6.7%増の34億円を計画し、2期ぶりに過去最高益を更新する見通しだ。

昨年3月、JOGMECとともにレアアースの精錬事業を手掛ける仏カレマグ社に出資した岩谷産業 <8088> [東証P]にも投資家の視線が注がれている。同時に、岩谷産とJOGMECは、カレマグ社が生産するレアアースの50%を長期供給する契約を締結している。岩谷産は、軽希土・中重希土を含む全種類のレアアース酸化物を取り扱っており、今後の期待も大きい。11日にはブルームバーグの報道で、米石炭採掘会社のラマコが生産予定のレアアースに関して販売契約や鉱山事業への出資などを巡り住友商や岩谷産と会談したことが伝わっている。26年3月期の連結業績は、中国での景気減速やヘリウム市況の軟化などから営業減益を予想するが、レアアース関連の中核銘柄の一翼を担うだけに注目は怠れない。

アルコニックス <3036> [東証P]は非鉄金属の製造販売を手掛けるが、同社傘下のアドバンストマテリアルジャパンはレアメタル・レアアースの専門商社として、グループの電子・先端材料分野における成長を牽引してきた。こうしたなか同社は、リチウムイオン電池スクラップなどのレアメタル含有物をリサイクル可能な状態に処理する「炭化炉」を導入し総合的なレアメタルリサイクル処理を行うとともに販売、受託処理も手掛けており、レアアースなどの再資源化が国策として浮上するなか活躍領域を広げることにつながりそうだ。同社の26年3月期の連結営業利益は前期比27.2%増の88億円を計画している。中国当局によるレアメタル・レアアースなどの輸出管理強化の影響など不透明な要因はあるものの、レアメタル取引や電池関連取引は引き続き堅調な推移が見込まれるという。

アルバック <6728> [東証P]は高い真空技術を武器に、半導体・ディスプレー関連で攻勢をかけるが、レアアース磁石関連としても注目度が高い。2月10日に発表した26年6月期第2四半期累計(25年7~12月)の連結決算は減収減益となったが、受注高は前年同期比で18%増の1371億円と、計画の1200億円を上回って着地。注目を集めたのが決算説明資料で、「成長が期待できるレアアース磁石関連ビジネスによる事業拡大の機会が到来」したと記載したことで物色の矛先が向かい急速人気化した。また、WEB決算説明会及びアナリストミーティングの質疑応答のなかでレアアース磁石関連ビジネス(一般産業)について「レアアース磁石などの強い需要を取り込むことで、今後3~5年のスパンでは350~450億円規模に定着すると期待している」とした。

株探ニュース

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