第8回　上級者・勝つ人はココが違う！（億り人・バガー・残念さん編）

～個人投資家3750人調査で判明～

第5回「億り人はどんな人、負けが込んでいる人と含み損益の銘柄に違いは？」を読む

第6回「億り人と連敗中の残念さん、投資スタイルや売買益期待の銘柄での違いは？」を読む

第7回「配当期待、残念さんの上位は海運やJT、億り人やバガーは」を読む

億り人・バガー・残念さんシリーズの4回目は、

――などを紹介する。

アメ株投資、億り人とバガーは半数近く、残念さんは4分の1

まずは、アメ株投資について見ていくと、億り人とバガーは半数近くが「日米二刀流」となったのに対して、残念さんは4分の1にとどまった。

■アメ株投資の有無

注:回答数は左から順に100、140、284

億り人のアメ株投資の腕前、トップは「初心者」

アメ株投資の腕前を聞くと、

億り人と残念さんは初心者が最も多く、バガーは初級者が最多という結果になった。

もっとも、億り人の2位には上級者、3位には中級者が来ており、その合計は56%と半数を越えている。バガーも1位は初級者だが、上級者と中級者の合計は45%と半数近くなっている。

これに対して残念さんの場合、1位の初心者は55%を占めており、2位の初級者の25%、3位の中級者の14%を、大きく引き離す形になっている。

■アメ株の投資レベル

日本株の上級者はアメ株でも上級者と、同レベルを選ぶ傾向が強い

億り人について、日本株の腕前別にアメ株の腕前の割合を見たのが以下の表になる。

億り人で日本株の上級者は、その44%がアメ株でも上級者となっており（下の表の左上）、アメ株と日本株の腕前を同等と見る人が多い傾向にある。

■億り人～日本株の腕前別のアメ株の腕前

アメ株投資家の全体で見ても、概ね日本株の腕前と同じか下のレベルとしている人が多い。

■全体～日本株の腕前別のアメ株の腕前

アメ株の投資歴、億り人とバガーは2014年以降が過半、残念さんは95%

アメ株の投資歴を見ると、億り人は「2014～18年」と投資歴が6～10年の人が最多となった。これに対して、バガーと残念さんは投資歴が2～5年の「2019～21年」が最多だった。

2014年以降に始めた「投資歴10年以内の人」で括ると、億り人は58%、バガーは71%、残念さんは95%となっている。

逆に、「投資歴10年超の人」の括りでは、億り人とバガーは30%～40%を占めるのに対して、残念さんはほとんどいない状況となっている。

■アメ株の投資歴

日本株は長くても、アメ株は最近の傾向

億り人の日本株とアメ株の投資歴の関係を見たのが、下の表だ。数値は、日本株の投資歴別にアメ株の投資歴の割合を示しており、最多の部分を緑色にしている。

表頭の左端は、1993年以前に日本株投資を始めた大ベテランについて見たものだ。日本株の大ベテランの26%は、アメ株でも大ベテラン組となっている。ただし、最も多いのは、「2014～18年」に開始した人で30%を占める。

大ベテランの次に日本株の投資歴が長い「1994～2003年」開始組も、アメ株投資を始めたのは「2022年以降」と、最近に始めた人が最多となっている。

■億り人～日本株の投資歴別とアメ株の投資歴の割合

アメ株投資家の全体で見ても、億り人と同様の傾向となっている。

日本株投資歴の長短に関わらず、「2019～21年」と、最近にアメ株の投資を始めた人が最多になっている。

■全体～日本株の投資歴別とアメ株の投資歴の割合

アメ株資産、億り人は「1000万～2000万円未満」が最多

アメ株資産の動向と、全体の資産に占める比率は以下の通り。

億り人は「1000万～2000万円」が最も多く、残念さんの場合は「100万円未満」となっている（下の表）。

■アメ株の資産別の割合

また全資産に占める比率は、3者とも「1～9%」が最も多い（下の表）。

■アメ株資産の全資産に占める比率

日本株・アメ株以外の投資対象、ある人は億り人40%、残念さん21%

日本株・アメ株以外の投資対象の有無については、「有り」とした人は、億り人とバガーは40%程度、残念さんではその約半分にとどまった。

■日本株・アメ株以外の投資対象の有無

注:回答数は左から順に100、140、284

投資対象について聞くと、3者とも「投信」が1位で共通しているが、2位以下で特徴が出た。

億り人とバガーは2位と3位にコモディティとJ-REITが並んだのに対して、残念さんの場合は暗号資産（仮想通貨）とFX取引となった。残念さんは、ボラティリティー（価格の変動率）が高めの資産が上位に来ている。

■日本株・アメ株以外の投資対象の動向

『株探』の利用動向、億り人とバガーは価値に、残念さんは価格に注目

『株探』および『株探プレミアム』の利用動向を見たのが、以下の4つの表になる。

残念さんは「株式チャート」「人気テーマ」「リアルタイム速報記事」という価格や需給関連、そしてニュースを活用する人の割合が高い。

これに対して、億り人やバガーは「決算速報」や「業績データ」といったファンダメンタルズ関連に対する感度が高い傾向がある。

億り人やバガーは「価値」の見極めに関する情報を重視する人の割合が高く、残念さんは「価格」に関する情報を重視する傾向がある。

上級者、勝つ人とその域に達していない人の間を埋めるヒントが、ここに隠れていそうだ。

■株探利用動向

■株探の活用内容

■株探プレミアムの利用動向

注:回答数は左から順に100、140、284

■株探プレミアムの活用内容

参考にする有料情報は、以下のように3者とも、「日経新聞・電子版」および「会社四季報（季刊）」が2トップに並ぶ。億り人とバガーは、「マネー誌」「ビジネス誌」を活用している人が、残念さんより多くなっている。

■有料の参考情報

注:回答数は左から順に269、403、573。四季報オンライン（B）」は「会社四季報オンライン（ベーシックプラン）」
「四季報オンライン（P）」は「会社四季報オンライン（プレミアムプラン）」、「米IBD」は
「INVESTOR'SBUSINESSDAILY」の略

株主優待の期待銘柄の顔ぶれ、残念さんはオリックスがトップ

最後に、株主優待期待の大きい銘柄のランキングを紹介する。大きさを「最大」「2番目」「3番目」と分けて、以下に掲載した。

残念さんの場合、第4回記事で触れた全回答者のランキングと同様、24年3月で株主優待が終了となるオリックス<8591>がトップになった。

なお、億り人とバガーのそれぞれのランキングは、次ページの株探プレミアム会員専用ページで閲覧可能となっている。

■残念さんの株主優待期待が最大・2番目・3番目に大きい銘柄のランキング（15位以内）

■残念さんが挙げた優待期待銘柄の関連情報

出所:QUICK・ファクトセット。注:5月24日終値時点。
決算基準の変更やデータベースに未収の場合などは空欄。銘柄名は略称。
NC倍率はネット・キャッシュ倍率の略

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

株探ニュース