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テノックス Research Memo(4):杭工事も地盤改良工事も複数の工法を用意

特集
2020年7月6日 15時24分

■テノックス<1905>の事業概要

2. 建設事業

建設事業の中身は年度によって異なるが、杭工事と地盤改良工事が大半を占め、2015年9月期以降は杭工事が地盤改良工事を上回って推移している。2020年3月期は杭工事が51.7%、地盤改良工事が34.0%、その他が14.3%だった。また、官公庁需要と民間需要はおおむね半々とバランスの取れた構成となっており、2020年3月期はそれぞれ51.6%、48.4%だった。建築と土木の別では、2015年9月期以降、建築が全体の約50~70%程度で推移している。2020年3月期は建築が52.2%、土木が47.8%だった。主な工法は、先端拡大根固め鋼管杭工法のTN-X工法、低排土高摩擦力工法のATTコラム工法、深層混合処理工法のテノコラム工法、戸建て住宅用杭状地盤補強工法のピュアパイル工法、回転圧入工法のNSエコパイル工法、中掘り拡大根固め工法のTN/CMJ工法、鋼管ソイルセメント杭工法のガンテツパイル工法などである。TN-X工法とピュアパイル工法は建築構造物だけを対象としているが、その他の工法は土木構造物にも利用される。以下に同社工法の詳細を示す。

(1) 主な杭工法

a) TN-X工法

拡大根固めによって高支持力を発揮する工法。鋼管杭の内部に挿入したオーガスクリューを回転させ、土砂を掘削排土しながら杭を圧入する中掘り工法で、杭先端部には油圧拡翼ヘッドを用いて拡大根固め部を築造する。特長は靱性の高い鋼管杭を使用し最大17,900kN※(杭先端のみ/長期許容支持力)の高支持力が得られることである。施工に伴う発生残土量も低減できるなどコストパフォーマンスにも優れた工法で、物流倉庫、工場、集合住宅や商業施設、病院などに利用されている。

※kN(キロニュートン):荷重を表す単位。おおむね10kN=1ton

b) ガンテツパイル工法

地盤にセメントミルク※を注入し攪拌・混合して造成される固化体(ソイルセメント柱)と外面突起付き鋼管から構成される合成杭によって、安定した高支持力と発生残土の低減を両立する杭工法である。特長は、地盤を有効利用して固化体を造成するため建設残土の発生を低減できること、地盤の土をその位置を動かさずにセメントミルクと攪拌して固化体を造成するため地盤を緩めず支持力性能に優れることである。道路や鉄道の高架橋、上下水道施設などに利用されている。

※セメントミルク:セメントと水を混ぜ合わせてできるミルク状のもの。

c) NSエコパイル工法

鋼管杭の先端に螺旋状の羽根を溶接した杭を、全旋回機などで回転圧入する工法。無排土工法で環境に優しい上、先端羽根の効果により高い引抜き性能を持つという特長がある。

d) ATTコラム工法

地中部にソイルセメントコラムを築造し、その中に羽根付き鋼管を挿入してできるハイブリッド杭。特長は、ソイルセメントコラムと羽根付き鋼管の相乗効果による大きな支持力で、地盤によっては一般工法の4倍の引抜き力を発揮する。大きな杭周面摩擦力を生かし、摩擦杭やアウトフレーム型耐震補強の基礎としても多用されている。繁華街の中低層建築物や歩道橋の橋台基礎など狭い現場や狭い搬入路に最適で、明確な支持層に着底しない浮き基礎対応も可能である。

e) CMJ工法

既製コンクリート杭の内部に挿入したオーガスクリューを回転させ、土砂を掘削排土しながら杭を圧入する中掘り工法。杭先端部にセメントミルクを高圧で噴射し、先端を根固めして拡大球根を築造する。このため、既製コンクリート杭中掘り工法として土木分野で広く使われている。

(2) 主な地盤改良工法

a) テノコラム工法

スラリー※状にしたセメント系固化材を地盤に注入し、原地盤と機械的に攪拌混合することによって築造されるソイルセメントコラムを利用した工法。地盤を有効利用する環境に優しい工法で、戸建て住宅や集合住宅、大規模ショッピングセンター、中低層ビルなど様々な建築構造物の基礎としてだけでなく、液状化対策や円弧滑り防止など用途は多岐にわたる。阪神大震災や東日本大震災、熊本地震といった大地震の際、テノコラム工法を基礎に採用した構造物が無被害だったことから、同工法への信頼性が改めて高まった。

※スラリー:前出した「セメントミルク」と同意。

b) ピュアパイル工法

埋立地や軟弱地盤の場合、地盤が家の重みに耐えられずに不均等に沈下する不同沈下を起こす可能性があり、不同沈下を防ぐには地盤にあった適切な地盤補強が必要となる。ピュアパイル工法は特殊なセメントミルクを地中でそのまま杭状に固化させる、戸建て住宅用の杭状地盤補強工法である。腐植土層を含め地盤の種別によらず高支持力を発揮するという特長がある。また、柱状改良工法に比べて杭1本当たりの強度が約3倍で施工時間が約半分とコストパフォーマンスがよく、さらに、施工時の掘削土砂排出量が極めて少ないため、環境に優しい工法ということができる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《ST》

提供:フィスコ

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