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KLab Research Memo(1):2018年12月期上期の業績は、前年同期比で大幅な増収増益を実現

特集
2018年8月29日 18時12分

■要約

1. 会社概要

KLab <3656>は、「世界と自分をワクワクさせろ」をビジョンに掲げ、スマートフォン向けアプリを中心にモバイルオンラインゲームの企画、開発を手掛けている。主要タイトルである既存の「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」、「BLEACH Brave Souls」のほか、前期にリリースした「キャプテン翼~たたかえドリームチーム~」(以下、キャプテン翼)が順調に立ち上がった。日本の人気漫画やアニメーションをゲーム化し、運用するところに強みがあり、海外への展開にも積極的である。海外売上比率は30%(2018年12月期上期実績)を超え、足元でも急速に拡大している。また、上位4タイトルで売上高の大部分をバランスよく構成しており、特定のヒットタイトルへの依存度が高い業界においては非常に安定的な収益構造と言える。

ここ数年は、スマートフォンゲーム市場全体に停滞感が漂うなかで、新規タイトルの不振や方針転換等に伴うリリースの見送りなどにより、業績に伸び悩みが見られた。しかしながら、直近では運営力及びマーケティング力の進化により既存タイトルが好調に推移していることや、固定費の圧縮及び変動費化が進んできたことに加えて、前期にリリースした「キャプテン翼」がグローバル版を中心に大きく伸びており、同社は本格的な成長フェーズに入ってきたと言える。

2. 2018年12月期上期の業績

2018年12月期上期の業績は、売上高が前年同期比46.3%増の15,986百万円、営業利益が同31.7%増の2,593百万円と大幅な増収増益となった。特に、前期にリリースした「キャプテン翼」が増収に大きく寄与。FIFAワールドカップロシア大会の開催が追い風となるなかで、多言語化や積極的なプロモーション展開に加え、効果的な運営施策などが奏功した。海外売上高も5,470百万円(前年同期比165.1%増)と大きく拡大している。一方、損益面では、外注費及び業務委託費や労務費及び人件費、広告宣伝費などが拡大したものの、増収により営業増益を確保した。営業利益率は16.2%(前年同期は18.0%)に低下したが、積極的なプロモーションやイベント出展による広告宣伝費の増加、外部リソースの活用に伴う外注費及び業務委託費の拡大は計画どおりであり、利益率の低下も想定の範囲内と言える。

3. 2018 年12 月期通期業績の見通し

2018年12月期の通期業績予想(レンジ形式)※について同社は、2018年8月7日に期初予想を減額修正した。上期業績が好調であったにもかかわらず、通期業績予想を減額修正したのは、下期に予定していた新作タイトルのリリース時期を遅らせたことが理由であり、それ以外の前提条件に大きな変化はない。昨今の市場環境や動向を鑑み、より完成度を高める必要があると判断したことが、リリース時期の見直しにつながった。減額修正後の業績予想については、売上高が30,000百万円(前期比12.0%増)~33,000百万円(同23.2%増)、営業利益が2,750百万円(前期比43.8%減)~4,250百万円(同13.1%減)と増収減益を見込んでいる。下期は3本~5本の新作タイトルを想定する一方、既存タイトルについてはライフサイクルの進行に伴う減衰傾向(自然減)をたどる予想となっている。なお、上限・下限のいずれも新作タイトルのリリース時期は保守的に設定しているようだ。

※同社は2017年12月期よりレンジ形式による「通期業績予想開示」を採用している。

4. 成長戦略

スマートフォンゲームを取り巻く環境変化が厳しいなか、ここ数年にわたって同社は、内部開発によるゲーム事業中心から、外部開発/パブリッシングによるゲームタイトル数を増加させるほか、非ゲーム事業の推進により、三分鼎立(さんぶんていりつ)の状態を目指してきた。ただ、前期の新作タイトルが順調に立ち上がり、既存タイトルも好調であったことから、ゲーム事業のボラティリティの高さが経営に与えるリスクが後退したことを理由として、好調なゲーム事業に経営資源を集中し、更なる成長を目指す方針へと舵を切った。同社は、ゲーム事業を更に成長させるために、1)Japanese IPs(有力IPの獲得)、2)Global Growth(海外パブリッシングの強化)、3)Original Creations(自社IP創出)の3つのキーワードを掲げ、持続的な成長を目指す戦略である。

弊社では、スマートフォンゲーム市場の先行きに不透明感があるなかで、海外への展開、残存者利益の享受(外部リソースの活用を含む)が同社の成長を支えるものとみており、その動向に注目している。また、運営力の高さが発揮されてきたことや、「リスクヘッジよりも売上成長」をキーワードとしたゲーム事業への集中・非ゲーム事業等の整理も経営の安定性を評価するうえで、プラスの材料と捉えている。今後も、日本のIPを展開していくノウハウや独自のマーケティング力を生かして、いかに同社ならではの新たな価値を創出していけるかが成功のカギを握るだろう。

■Key Points

・2018年12月期上期業績は大幅な増収増益を実現

・特に、「キャプテン翼」の寄与により海外売上高が大きく拡大(海外売上比率は30%を超える水準に)

・一方、通期業績予想については、新作タイトルのリリース時期の見直しにより減額修正

・今後も、有力IPの獲得、海外パブリッシングの強化、自社IP創出などに取り組む

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《SF》

提供:フィスコ

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