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窪田製薬HD Research Memo(3):NASA向けに小型OCTの開発プロジェクトをスタート

特集
2019年9月17日 15時03分

■主要開発パイプラインの概要と進捗状況

1. 開発パイプラインの進捗状況について

窪田製薬ホールディングス<4596>は開発パイプラインとして、医薬品ではエミクススタト(適応症:スターガルト病、増殖糖尿病網膜症)、ヒトロドプシン※を用いた遺伝子治療(適応症:網膜色素変性)の開発に注力しており、また、医療デバイスは在宅・遠隔医療モニタリング機器「PBOS」の開発や、有人宇宙探査に携行可能な小型OCTの開発をNASAと共同で進めている。

※ヒトの網膜の杆体細胞を構成するタンパク質の一種で、光受容体(光信号を電気信号に変えて脳に伝達する)の機能を果たす。

2019年12月期第2四半期の進捗状況について見ると、エミクススタトのうち、スターガルト病を適応症とした開発は臨床第3相試験(2018年11月開始)が世界11ヶ国、約30ヶ所の医療施設で進んでおり、2019年6月には欧州医薬品庁(EMA:European Medicines Agency)からオーファンドラッグ※指定を受けたことを発表している。被験者登録状況が当初想定よりもやや遅れ気味となっており、被験者登録の完了時期は2020年、臨床試験終了時期は2022年と当初想定(2019年内の被験者登録完了、2021年内の臨床試験終了)からずれ込む見通しとなっている。

※欧州では、生命を脅かすような疾患や重篤で慢性的な衰弱状態の疾患で、1万人当たり5人未満の発症率である疾患の診断や治療のための医薬品が指定対象となり、上市後10年間の市場独占販売権、医薬品の製造販売承認申請費用の減額、優先承認審査等のインセンティブを受けられることになる。なお、米国でも2017年1月にオーファンドラッグ指定(上市後7年間の独占販売権)を受けている。

また、増殖糖尿病網膜症を適応症とした開発については、2018年1月に臨床第2相試験を完了し、主要評価項目は達成しなかったものの、2019年4月28日から5月2日にカナダで開催された「ARVO(視覚と眼科学研究協会会議)2019年年次総会」において、臨床試験責任医師であるChirag Jhaveri博士から、「エミクススタトの投与により糖尿病網膜症及び糖尿病黄班浮腫の進行に関連のある網膜の厚みや網膜全体の容積において改善する効果が認められた」との発表があった。同社はこれを受けて、今後の開発戦略の検討を進めている段階だが、臨床第3相試験に進むためには共同開発パートナーとの契約締結が必要なため、契約締結を可能とする有効なデータの蓄積が今後の課題となる。

米国で開発を進めている「PBOS」については、患者や医師からのニーズも反映させた最終仕様がほぼ固まった。医師からのニーズもあり、新たに患者の主観的データとなる視力測定機能を追加したため、視力測定アプリに関する510(k)認証取得のための臨床試験を2019年後半に実施する。2020年早々に認証取得するとともに、同時並行で進めている網膜厚測定ユニットに関する臨床試験も完了させ、2020年中頃に網膜厚測定ユニットと視力測定アプリを合わせたシステムでの510(k)認証の取得を目指す。

網膜色素変性を適応症とした遺伝子治療については、2018年1月にSIRION(ドイツ)とアデノ随伴ウイルスベクター確立のための共同開発契約を締結し、同年11月にはプロモーター、カプシド、導入遺伝子(ヒトロドプシン)の最適化プロセス確立に向けた取り組みを開始した。現在、遺伝子の導入効率や発現量の向上に向けてウイルスベクターの改良研究を重ねている段階で、2021-2022年の非臨床試験開始と量産化技術確立に向けた開発をスタートし、2022年のIND(臨床試験用の新医薬品)申請を目指している。こちらもウイルスベクターの改良研究を進めるなかで、当初の開発スケジュールからは1年程度遅れる格好となっている。

そのほか、2019年3月に発表したNASAとの小型OCTに関する開発受託契約では、宇宙飛行で発症する眼疾患に関する研究を行うための小型OCTの開発をスタートさせており、2022-2023年頃の完成を目指している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《MH》

提供:フィスコ

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