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アイナボHD Research Memo(3):主力事業の外壁工事と住設工事。管理体制の強化で財務基盤は強固(2)

特集
2020年12月25日 16時03分

■事業概要

3. 主な仕入先と販売先

アイナボホールディングス<7539>の得意先は大手ゼネコンを筆頭に約7,000社に上る。これらの顧客が常に稼働しているわけではなく、また1件当たりの金額も数百万円から1億円以上と様々であるため、後述するように売掛金の回収が経営上の重要な要素となる。

一方で主な仕入先は、建材や住設機器ではLIXILグループ<5938>が最も多く、そのほかにTOTO<5332>、リンナイ<5947>、クリナップ<7955>、大建工業<7905>などからの仕入れが多い。

また工事を行う下請け業者は大小合わせて2,000社近くになるが、この中の半数近くは同社専業の下請け業者である。後述する保険制度などにより同社との信頼関係は厚く、長い付き合いが続いている。

4. 競合、特色、強み

同社のような外壁工事や建材・住設機器の販売を行っている企業は数多くあり、それぞれの分野で多くの競合会社が存在する。事業全体において特にこれと言った競合会社を探すのは簡単ではないが、あえて競合会社を挙げれば、(株)小泉、渡辺パイプ(株)などである。ただし外壁工事の分野では、近年は施工会社が減る傾向にあり競合会社は少なくなっている。このような業界の中で同社は、以下のような特色を生かして同業他社との差別化を図っている。

同社の特色の1つは総合技術研修センターを有していることで、ここで多くの下請け会社に対して専門性の高い技術研修を行い施工をサポートしている。また同社が研修を行うことで様々な工種への対応が可能になっている。さらにこの技術センターで各現場の施工が予定どおりに進捗しているかを半年に1回必ずチェックしており、これによって個人差による工事仕上がりのばらつきを減らしている。

自家保険制度を設けていることも同社の特色だ。これは下請け業者から出来高の一部を徴収し、これを協力会にプールして、万が一下請け業者(作業員)が事故等で業務を行えなくなった場合には、1週間分の所得を補償するものだ。この制度によって同社と下請け業者との信頼関係が厚くなると同時に、職人の定着率が高まり、工事仕上がりの精度が高まっている。

売上管理、原価管理や工事進捗管理はどの企業でも行っていることだが、同社の場合はこれに加えて請求管理、入金管理、その結果としての未収金管理を徹底して行っている。具体的には各案件において仕入れと売上を少額であっても行単位で管理し、PL上の管理だけでなくBS上の管理(チェック)も行っている。このようなBS上の管理は工事の進捗状況を見ながら見極める能力が重要であり容易なことではない。近年、建材販売を行っている同業他社が工事施工分野に進出するケースは多いが、この未収金管理が複雑で手間が掛かる(非効率な)ため、多くの競合他社は工事事業から徹退している。ある意味でこの未収入金の管理が「見えない参入障壁」になっており、同社の特色であり強みとも言えるだろう。その結果として、同社の2020年9月期のネットキャッシュ(現金預金から借入金を差し引いた金額)は11,268万円と豊富であり、バランスシートは強固である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《EY》

提供:フィスコ

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