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テックポイント Research Memo(4):22年12月期2Qは監視向けでコロナ影響、全体は期初計画に沿った進捗

特集
2022年9月12日 15時14分

■テックポイント・インク<6697>の業績動向

1. 2022年12月期第2四半期業績の概要(米国基準)

2022年12月期第2四半期業績(米国基準)は、売上高33,080千米ドル(4,521百万円:前年同期比9.6%増)、営業利益9,527千米ドル(1,302百万円:同2.6%減)、税引前四半期純利益9,445千米ドル(1,290百万円:同3.7%減)、同社株主に帰属する四半期純利益8,479千米ドル(1,158百万円:同横ばい)だった。また、財政状態、財務業績、キャッシュ・フロー、その他を対象とする指標であり、米国で広く浸透しているNon-GAAP指標は9,368千米ドル(1,280百万円:同2.1%増)だった。なお、同社は一時的な変動要素と非現金損益項目のなかで、株式報酬費用のみをNon-GAAP指標の調整項目としている。

中国・上海市のロックダウン(都市封鎖)やウクライナ問題といった要因で事業環境が大きく変動するなか、同社のように工場を持たないファブレス企業については、世界的な半導体の需給ひっ迫、原材料価格の高騰等を背景としたファウンドリー企業による値上げの影響を警戒視する見方が多かった。ただし、これらの不安定な状況を乗り切り、ほぼ計画通りの進捗だった。監視カメラシステム市場向け半導体製品は、音声機能付きISPの初期需要で大幅増収となった前年同期の反動や中国のロックダウンによって顧客であるカメラメーカーが操業停止に追い込まれた影響から売上が減少した。一方で、利益率が比較的高い車載カメラ分野は順調に伸びたことで売上構成比が上昇し、監視カメラのマイナスを相殺した格好である。

2. 監視カメラシステム

監視カメラシステム市場向け半導体製品の売上高は14,015千米ドルとなり、前年同期比10.8%減(前年同期は15,715千米ドル)だった。前第2四半期は監視カメラシステム向け半導体が2020年12月期の新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響による市場の冷え込みが底打ちし、カメラメーカーが新製品を開発するなかで同社の音声機能つきISPの需要が大きく拡大した。そのため、監視カメラメーカーが多く所在する中国向け売上高構成比が上昇。ただし、2022年12月期第2四半期においては、上海のロックダウンやウクライナ問題、これらを受けたサプライチェーンの混乱、さらに原材料価格高騰といった種々の要因の影響を受けるなか、特に中国のカメラメーカーの操業停止の影響を大きく受けた格好だ。ただし、中国政府のゼロコロナ政策の継続による都市封鎖リスクなど依然として予断は許さないものの、音声機能つきISPについては本来ターゲットにしていた高解像度製品に移行していることが背景にあるため、中国のゼロコロナ政策が落ち着きを見せてくるようであれば、問題なく回復していく可能性はあると弊社では考えている。

3. 車載カメラシステム

車載カメラシステム市場向け半導体の売上高は19,065千米ドルとなり、前期比31.9%増(前年同期は14,458千米ドル)だった。自動車の安全機能の高度化の流れのなかで、ドライブレコーダー、リアカメラ、カーナビ等が順調に拡大した。複数チャンネルドライブレコーダー、カーナビ、サラウンド・ビューモニター製品はアジアの車載カメラシステム用アフターマーケットにおいて、大きな市場占有率を有している。同社の半導体製品を搭載し、アジアで生産されたドライブレコーダー、カーナビ、サラウンド・ビューモニター製品は、中国を中心としたアジアのユーザー(自動車の保有者)だけでなく、顧客企業によって製品化された完成品などが世界のほかの地域のユーザーにも販売されているとともに、これまで主力であったアフターマーケット品に加え、BYD Autoの純正HDドライブレコーダーに採用されるなど、メーカー純正品での採用も伸ばしつつある。また、電子ミラーやモバイルDVR製品などの車載カメラシステム市場の新しい分野においても大きく成長している。なお、製品市場別売上高の構成比率は上海ロックダウンによる生産・販売減も影響し、監視カメラ向け42.4%(前年同期は68.1%)に対して、車載向けが57.6%(同31.9%)となり、車載カメラ向け半導体の売上構成比は約6割に上昇した。なお、製品価格については、製品製造費用の上昇に伴い、車載カメラ、監視カメラ両市場において上昇している。

なお、世界の車室内監視システム導入の法制化動向によると、EU発の規制(2019年11月27日)では、ドライバーの眠気と注意散漫の警告(運転中のスマートフォンの使用など)、インテリジェントな速度支援、カメラまたはセンサーによる安全性の確保、事故時のデータレコーダー(ブラックボックス)の搭載が義務付けられている。大型車では運転手の直視を改善し、死角を取り除くための特定の要件、及び特に曲がるときに脆弱な道路利用者を検出して警告するための車両の前面と側面のシステムを装備する必要がある。

米国(2020年7月20日 Moving Forward Act)では、スクールバスに対してドライバー監視システムの義務付けのほか、バスに対して運転記録装置設置が義務付けられている。中国(国家法・2022年7月1日施行(GB/T 19056-2021))では、ドライバーと車両前方の2ヶ所、6m以上の電気バスはアクセルペダルの記録も必要としており、安全対策、利便性向上の観点から標準化の動きは確実であり、カメラユニットの需要は今後一段と高まることになろう。

4. 地域別売上比率

地域別売上比率については、同社の出荷先である監視カメラメーカー、ドライブレコーダー等の車載カメラメーカーがアジア地域に集中していることがわかる。オーディオ機能搭載ISPなどの監視カメラシステム向け半導体は中国ロックダウンの影響を受けたものの、メーカーが偏在する中国の比率が71%と前年同期の69%から2ポイント上昇した。一方で、車載用途のメーカーを中心とする台湾は前年同期の17%から13%、韓国は12%から9%に低下しており、日本は1%から6%に上昇している。ドライブレコーダー好調により日本向けの比重を増す格好となった。ただし、日本の上昇によって台湾、韓国の地域別売上比率は低下してはいるものの、両国ともに順調である。車載カメラは中国本土では影響を受けたが、台湾、韓国での需要は増加している。また、中国の比率が高いものの、中国では完成品にしてほぼ100%海外に輸出していることもあって、グローバルな需要を映している面もある。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《ST》

提供:フィスコ

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