明日の株式相場に向けて=自動車業界に再編の号砲、「日本企業買収」は新年のテーマか
18日の日経平均株価は前日比282円安の3万9081円と4日続落した。日本時間の19日未明に判明する米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果と、同じく明日の日銀金融政策決定会合の結果待ちで、積極的な買いは手控えられた。
FOMCでは0.25%の利下げが有力視されているが、焦点は新年の利下げペースでありドットチャートやパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見での発言などが注目されている。日銀会合では、追加利上げは見送られるとの見方が浮上しているが、不透明感も残るなか結果発表後の市場の反応が注目されている。
そんななか、この日の話題を一身に集めたのが「ホンダと日産自動車が経営統合に向けて協議に入る」という報道だ。この報道を受け、日産自動車<7201>と同社が筆頭株主となっている三菱自動車工業<7211>はストップ高と急騰。業界再編に向けた思惑からマツダ<7261>やSUBARU<7270>が値を上げた。一方、ホンダ<7267>は下落した。経営不振に陥っている日産自との経営統合は、ホンダには事業面での負担が大きいとの見方が強まった。
電気自動車(EV)などの急速な普及を背景に、「これまで大きな経営統合などがなかった自動車業界にもいよいよ再編の波が押し寄せる」(市場関係者)格好だ。ただ、日産自の株価はPBR0.2倍台まで売り込まれており、いつ買収のターゲットとなってもおかしくない水準だった。実際、村上ファンド系のアクティビストであるエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが大株主に浮上していたほか、報道によれば台湾の電機大手である鴻海精密工業が経営参画を模索していたという。
いまや、セブン&アイ・ホールディングス<3382>が外資系企業から狙われるなど、大手企業でもM&Aの脅威から逃れられなくなっている。為替の円安は、日本企業買収のハードルを一段と引き下げており、25年は「日本企業買収」が市場の大きなテーマに浮上することも考えられる。自動車関連株では、業界再編絡みで日産車体<7222>や河西工業<7256>、ユニプレス<5949>、パイオラックス<5988>、それに日産東京販売ホールディングス<8291>などは引き続き注目されそうだ。
日米金融政策決定会合以外では、今晩から明日にかけて海外では米11月住宅着工件数が発表されるほか、マイクロン・テクノロジー<MU>が決算発表を行う。日本では11月首都圏新規マンション発売が発表される。Synspective<290A>とdely<299A>が新規上場する。
株探ニュース