●ＮＩＳＳＨＡ <7915> 　【目標株価】3000円（30日終値2089円）

「上期好業績もPBRなお1倍未満」

ＮＩＳＳＨＡ <7915> [東証Ｐ]は8月6日に24年12月期の業績予想を上方修正し、自社株買いを発表。株価に強い上昇圧力が掛かったが、足もとでPBR（株価純資産倍率）は0.8倍台と1倍を下回っており、更なる水準修正に期待が膨らむ。

同社は日本写真印刷から17年に現在の社名に変更した京都企業。24年12月期第2四半期累計（1-6月）の業績は、デバイス関連事業ではタブレットや業務用端末の需要が力強く伸びたほか、メディカルテクノロジー事業において買収した企業の業績貢献が拡大し、計画を上振れして着地した。上期の実績を踏まえて通期の業績予想について、売上高予想を80億円増額して1966億円（前期比17.2％増）、最終損益の黒字額の予想を19億円増額して66億円（前期は29億8800万円の赤字）に見直した。加えて、取得総数60万株（自己株式を除く発行済み株式総数の1.24％）を上限とする自社株買いも発表。資本効率の向上に向けた取り組みの強化に動いている。

かつてはスマートフォン向けタッチパネルの開発遅れで辛酸をなめた同社だが、医療機器の開発製造受託（CDMO）や手術用ロボットの市場成長を見据えつつ、医療機器向け部品を手掛ける米国企業を買収するなど、中期的な事業拡大の布石を打つ。17年11月の高値と20年3月の安値の半値戻しの水準（2411円）を上回った場合は、上値余地が広がることとなるだろう。

株探ニュース