東エレクがカイ気配スタート、今期業績大幅上方修正し営業5割増益見通しで配当も増額
東京エレクトロン<8035>がカイ気配スタート。底値圏でのもみ合いが続いているが、足もとは売り物がこなれ上値を指向する展開にある。同社は12日取引終了後に25年3月期業績予想の上方修正を発表、売上高は従来予想の2兆3000億円から2兆4000億円(前期比31%増)、営業利益は6270億円から6800億円(同49%増)に増額した。既に売上高、営業利益ともに今期は過去最高を更新する見通しにあったが、そこから更に大幅に上乗せされる形となった。生成AI市場の急成長を背景としたAI用半導体向け製造装置需要が収益を押し上げる見通し。また、好業績を背景に株主還元姿勢を強め、今期年間配当は従来計画の519円から571円(前期実績は393円)に増額している。一方、米政府による先端半導体の対中規制が一段と強化されるとの思惑が同社の株価上昇を妨げる要因。信用取引の買い残も整理が進んでおらず、上値では引き続き個人投資家の戻り売り圧力が意識されるところ。上値抵抗ラインとなっている25日移動平均線が上向きに転換するとともに、同移動平均線を株価が上抜くまでは投資家サイドも疑心暗鬼が続きそうだ。
株探ニュース