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飯野海運 Research Memo(9):ESG・SDGs経営を積極推進

特集
2022年6月17日 15時39分

■ESG・SDGs経営への取り組み

1. 環境負荷軽減に向けた取り組みを積極推進

飯野海運<9119>は従来から環境負荷軽減に向けた取り組みを積極的に推進している。海運業では2019年12月に同社初の二元燃料主機関搭載メタノール船が竣工、2020年3月に同社初のSOxスクラバー(脱硫装置)搭載のVLCCが竣工、2021年1月に同社で5隻目となるSOxスクラバー搭載船(VLCC)が竣工した。2022年2月には、LPGを燃料として使用できる同社初の二元燃料主機関搭載VLGCが竣工した。SOx排出規制に対応していることに加えて、新造船のCO2排出規制であるEEDI規制についても、2022年以降の建造契約船から適用されるフェーズ3に先行対応している。さらに2023年12月にはアンモニア運搬船の竣工を予定している。LPGも輸送可能な次世代型船舶で、環境負荷低減型の船舶として本邦船社初の建造となる。

また、2023年1月からCII規制(Carbon Intensity Indicator規制、燃費実績の評価・格付)が施行され、海運会社には環境に一層配慮した船舶の運航が求められることに対応して、2022年2月には米国シリコンバレーを拠点とするAIスタートアップ企業Bearing社が開発したCII最適化ツールの段階的導入を決定した。

不動産業の既存の保有ビルにおいては、最先端の環境性能を取り入れて大幅な省エネを実現している。そして主力の飯野ビルディング(建替えで2014年グランドオープン)は、日本初のLEEDプラチナ認証(米国グリーンビルディング協会による環境性能評価システムの最高位)、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価で最高ランク5つ星、環境・社会への配慮がなされたビルに与えられるDBJ Green Building認証で最高ランクの5つ星を取得するなど、環境に関わる数々の認証を取得している。また日比谷フォートタワーの建設事業費調達では、日本格付研究所よりグリーンボンド評価(最上位のGreen1)を取得し、公募形式によるグリーンボンド(第2回無担保社債、2021年3月発行)で50億円を調達した。今後も更なる省エネ運用、高効率機器への刷新、環境認証の維持、再生可能エネルギーの活用などを推進する方針だ。

2. 2030年に向けて温室効果ガス排出量40%削減目標

環境問題の温室効果ガスへの対応では、排出量削減目標として、海運業では輸送単位当たり温室効果ガス排出量を2030年に2008年比40%削減、2050年に同50%削減、不動産業では単位面積当たりCO2排出量を2030年に2013年比50%削減を掲げている。そして「CDP気候変動スコア2021」において「B」評価を取得した。

2021年7月には気候関連財務情報開示タスクフォースの提言(TCFD提言)への賛同を表明し、2021年9月にはTCFDコンソーシアムに加入した。また2021年8月には、水素社会の早期構築を目指して水素分野におけるグローバルな連携や水素サプライチェーンの形成を推進する水素バリューチェーン推進協議会(JH2A、2020年12月設立)に加入した。さらに2022年3月には、TCFD提言に基づいて不動産業における気候変動シナリオ分析を実施し、気候変動がもたらす重要リスクと機会を抽出し、項目を特定している。

こうしたESG・SDGs経営への積極的な取り組みが評価されて、2022年4月には、グローバルインデックスプロバイダーであるFTSE Russellにより構築されたESG指数「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄への選定を公表。

3. 次期中期経営計画を2023年公表予定、ESG・SDGs経営を積極推進

社会・ガバナンス面での取り組みも活発化している。働き方改革への取り組みでは、コロナ禍で各国での船員交代に制限がかかるなか、長期乗船防止のため船員交代を優先している。ダイバーシティへの取り組みでは女性・中途採用者を積極活用するとともに、2021年6月以降、女性管理職を新たに2名登用した。また2022年6月28日開催の株主総会で同社初の女性社外取締役の選任議案を付議予定。また、ガバナンス面では取締役の経営責任を明確にするとともに、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制を構築するため、取締役の任期を2年から1年に変更する議案を付議予定。

次期中期経営計画は現在策定中で2023年に公表予定としている。海運業と不動産業を両輪として成長を目指す基本シナリオに変化はなく、更なる経済的価値や社会的価値の創造を目指してESG・SDGs経営を積極推進するシナリオにも変化はないだろうと弊社では予想している。さらに、こうした戦略が中長期的な収益拡大にとどまらず、投資対象としても投資家からの注目度の高まりにつながるだろうと弊社では評価している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SI》

提供:フィスコ

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