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ステップ Research Memo(5):大学入試制度改革に向けて英語教科の対策に取り組む

特集
2017年12月28日 10時14分

■今後の見通し

3. 大学入試制度改革への対応

2020年度の大学入試制度改革ではセンター試験が廃止され、民間業者への一部委託が検討されるなど大きく変わることが予想されている。とりわけ、英語については従来の「文法力や語い力」「読解力と作文力」中心の試験から、口頭によるコミュニケーション能力も重視されるようになる。国立大学では2023年度まで、共通テスト(センター試験の後継)と民間試験(英検、TEAP、TOEIC、TOEFL等)の両方を課すことになりそうで、受験生の負担増加が見込まれている。このため、学習塾においても実用レベルでの英語力アップに向けたカリキュラムの充実や教師のスキル向上が求められることになる。

ステップ<9795>では高校部の英語教師全員が英検準1級以上ないしはTOEICでも850点以上を取っているが、こうした市場環境の変化を受け、今後は英検1級、TOEICで950点以上を目指していくことにしている。カリキュラムについては、2017年春から1年生の英語授業でオールイングリッシェのディスカッションやスピーチを取り入れるなどの取り組みを開始している。

今後の学習塾市場では、2020年度の大学入試制度改革に向け英語の指導力でいかに差別化を図っていくことができるかが重要課題となりそうだが、コミュニケーション力のアップという点においては、集団・ライブ授業がより効果を発揮すると見られ、同社にとっては差別化要因になると弊社では見ている。

4. 中長期的な成長戦略

全国的に少子化が進むなか、神奈川県内においても学齢人口の緩やかな減少傾向が続くと見られている。神奈川県の調査によれば2015年時点の県内の15歳人口は約8.2万人だが、2025年には約7.5万人まで減少する見通しとなっている。こうしたなかで、ステップ<9795>は既存校舎での生徒数については維持向上を図りつつ、今後は学齢人口が多い横浜市や川崎市などの未進出地域を中心に校舎数並びに生徒数を増やし、シェアを拡大していく戦略となっている。開校ペースは小中学部で年間3~4スクール、高校部では3~4年に1校ペースという従来の方針は変わらない。このため、業績も中期的に4~5%の安定した成長と営業利益率20%台の高い収益性が続くものと予想される。

小中学部においては2017年10月末現在で123スクール体制となっているが、神奈川県全域をカバーするには160スクール程度が必要と見ており、今後10年程度をかけて全域をカバーしていくことになる。特に、横浜市や川崎市は競合する湘南ゼミナールや臨海セミナーと比較すると校舎数も少なく拡大余地は大きい。学習塾激戦区であるだけに、生徒獲得競争も激しいが、前述したように3月に開校したあざみ野や中山スクールでは口コミ効果もあり生徒募集活動は予想以上に好調に推移している。今後も同社の学習指導方針や高い合格実績を背景に、これらエリアでシェアを拡大していくことは十分可能と弊社では見ている。

なお、競合となる湘南ゼミナールや臨海セミナーについてはここ数年、神奈川県以外のエリア拡大に成長の活路を見出そうとしており、同社とは異なる戦略を取っている。逆に、同社にとっては今後の主戦場となる横浜市、川崎市でシェアを拡大していく好機になると見ている。当面の目標としては、公立トップ19校のうち横浜市内にある高校の合格実績数で、現在トップの湘南ゼミナールを追い抜くことを掲げている。今のペースでいけば、遠くない将来、湘南ゼミナールを追い抜くことも可能と見られる。横浜市内にある上位トップ校への合格実績を高めていけば、生徒募集活動もさらにスムーズに進んでいくものと予想される。

また、高校部では現在の14校体制を将来的には20校まで拡大する予定となっている。少子化による影響を受けるものの、既存校においてはシェア拡大によって生徒数を維持し、進出エリアを拡大することによって生徒数の伸長を図っていく戦略だ。次の新規開校は2019年春を予定している。

同社の経営課題としては、人材の採用・育成にある。現在の労働需給はタイトで売り手市場となっており、新卒採用が厳しい状況が一般的だが、同社も例外ではない。このため、同社は当面、中途採用を強化していく方針を打ち出している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《TN》

提供:フィスコ

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