ゼロから始める「株探」の歩き方 ― (8)大化け期待の有望成長銘柄をチャートで探そう
「有望成長株探しにチャートパターンを活用!」
◆トレンド分析で有望株をふるい分け
では、いよいよ株価が値上がりする可能性のある大化け期待の有望成長株を選別してみましょう。
重要なことは、株価が値上がりしている銘柄は業績が今後良好そうだと、多くの投資家に判断されている銘柄だということです。つまり、株価が下落している銘柄ではなく、上昇している銘柄を選別しなければならないのです。
しかし、株価は日々、上昇と下落を繰り返しながら動いています。株価が今後、どう動くのかを分析する時には、現在の傾向や方向性を把握することが必要になります。株価の方向性を分析することを「トレンド分析」と言います。
株価のトレンドは、「(1)上昇トレンド」「(2)下降トレンド」「(3)横ばい(ボックス)トレンド」の三つに分けることができます。
チャート分析に慣れてきたら自分で株価の方向性を確認できるようになりますが、初めのうちはうまく分析できなくても仕方ありません。株探では、基本情報の株価チャートの上に「株価トレンド 平均線方向」が表示されています。株価の平均的な動きを線で表した移動平均線の方向性を矢印で示しており、簡単に株価のトレンドを把握することができます。これを活用して株価のトレンドを確認しましょう。
移動平均線の期間が長くなるほど、中長期的な株価の方向性を表しています。「目先5日移動平均線」では足元の株価の方向性、そして「短期25日線」「中期75日線」「長期200日線」では、より中長期的な視点での株価の方向性を表しています。これらを使って、足元のトレンドや中長期視点でのトレンドを確認する作業を行うのです。カンタンに言ってしまえば、これら4つの期間で株価の方向性が下落しているよりは、上昇しているほうがよいということになります。
図6 株価トレンドとカイリ率
しかし、株価が上昇していれば、いずれは天井を打ち、値下がりします。上げ下げを繰り返しながら、株価は上昇するのです。地合いがよいと、何を買ってもだいたい儲かるようなことがあります。地合いがよいことを忘れて、つい「私って天才!株って最高!」と調子に乗ってしまい、誰でも1回くらいは高値掴みをしたことがあることでしょう。
地合いが良ければ時間の経過で助かることもありますが、地合いが悪化すれば含み損を抱えたままになってしまいます。高値掴みをしないためにも、株価がどのあたりに位置しているのかをできるだけ確認するようにしなければなりません。
「株価トレンド 平均線方向」の下には、「カイリ率」が「%」の数値で表示されています。株価が移動平均線からどれだけカイリしているのかを表している数字になります。
株価は移動平均線に吸い寄せられるように動くのが一般的です。ですから、カイリ率がプラスになって大きくなればなるほど株価は買われ過ぎと考えることができ、いずれは移動平均線に吸い寄せられて下落することになります。反対に、マイナスになってマイナスの数値が大きくなればなるほど株価は売られ過ぎと考えることができ、いずれは移動平均線に吸い寄せられて上昇することになります。株価は上がれば下がり、下がれば上がるのです。この株価の習性は売買タイミングの判断にも活かすことができますから、必ず確認しましょう。
「株価トレンド 平均線方向」の下にあるチャートで右端の日足タブをクリックして日足チャートを表示させれば、株価と移動平均線の関係を確認することができます。株価が買われすぎなのか売られすぎなのかをチャートで確認するようにしましょう。なお、この銘柄ページのチャートをクリックすれば、前回解説した「多機能チャート」を表示させて、より詳しい分析を行うこともできます。
図7 詳しい分析は多機能チャートで
チャートを利用することのメリットは、株価の動きを視覚的に把握できるところにあります。たとえば、決算発表で「業績は良かった!」と思っても、売り注文が殺到して売り気配スタートということはよくあることです。業績から銘柄を選別するだけでは、好業績をすでに織り込み済みなのか、それともまだ織り込まれていないのかを分析することは難しいと言わざるを得ません。だからこそ、「足元の株価はどの程度の業績を織り込んでいるのか」ということを、チャートで確認する必要があるのです。「日頃から業績が良好な銘柄を選別して取引しているのに儲けにつながらない」「どの銘柄が値上がりする可能性があるのか判断できない」などと悩んでいる方は、これを機にチャートを利用してみるとよいでしょう。
次回以降は、株探で使えるテクニカルチャートにはどのようなものがあるのか、基本情報などを解説していく予定です。
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