ゼロから始める「株探」の歩き方 ― (9)市場の評価をチャートで確認しよう

特集
2019年11月28日 10時30分


「株価のトレンドで織り込み度合いを確かめてリスクを減らす」

横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

◆多機能チャートの設定を使いこなそう!

個人投資家のみなさん、こんにちは! 株が大好き、認定テクニカルアナリストの横山利香です。

前回の「大化け期待の有望成長銘柄をチャートで探そう」では、大化け期待の有望成長銘柄をチャートで探すためには株価のトレンド、いわゆる方向性を確認することが重要であること、そして、上昇期待の銘柄をできれば安いタイミングで購入するために、株探やチャートを活用してそれを確認する方法、売買に活用できるチャートの種類や基礎知識などについて解説しました。

そこで今回は、売買タイミングや株価のトレンドを分析してリスクを低減するために、株探で活用できるこれまで紹介した以外のチャートについて解説していきます。

株価は時々刻々と動いていて、値上がりと値下がりを日々繰り返しています。そのため、株を購入したら、「やったー!値上がりしている」「ぎゃー!値下がりしている」などと価格の動きが気になってしまうのは当たり前のことです。株を買って値上がりすれば儲けが出るだけですから問題はありませんが、反対に株価が値下がりすれば損失が発生します。できれば値下がりするリスクが小さいタイミングで株を購入したいものです。

株価が値下がりするリスクを低減するために投資家がやらなければならないことの一つが、企業が発表する決算書を確認することです。なぜなら、業績が良好な銘柄は、投資対象として投資家に選ばれ、その株価は上昇する可能性が高いからです。

しかし、株式市場がつけた現在の株価が過大な評価である場合には、株価がさらに上昇することは難しく、「材料出尽くし」で値下がりしてしまう場合もあります。株式市場の地合いがとても好調であるとか、よほどサプライズ感のある好決算でなければ、株価が上昇し続けることはとても難しいことなのです。

材料出尽くしで売られたり、マーケットが急変する場合など、損失が発生するリスクを少しでも低減するために、業績に対して株価水準が過去から現在、そして将来に対してどう評価されているのかをチャートで分析することが必要不可欠になるのです。

すでに個別銘柄のポップアップウィンドウと基本情報のページからチャートにアプローチする方法と、表示されるテクニカル指標の基本について解説しました。今回はさらに踏み込んで個別銘柄のページにある「チャート」のタブや、ポップアップウィンドウの右下にある赤色の「多機能チャート」を入り口にして利用できる、そのほかのチャートについて解説していきます。

図1 株探の多機能チャート

【タイトル】

早速チャートを表示しているページの使い方をみていきましょう。チャートの上に、「期間」「指標エリア1」「指標エリア2」「比較」の項目があります(図1)。

「期間」では、見たい期間のチャートを選択することができます。スイングトレードなどで利用する「日足」「週足」「月足」「年足」そして、デイトレードなどで利用する「1分足」「5分足」が記載されています。ローソク足で「日足」「週足」「月足」「年足」のいずれかを表示させたい場合、丸いラジオボタンにチェック(黒丸)を入れることで表示を切り替えることができます。選択したチャートの種類については、薄いオレンジ色で強調されます。

その下には「修正株価」「高安値表示」のラジオボタンにチェックが入っています(この2つの項目は初期設定で自動的にチェックが入ります)。「修正株価」は、連続性を保つために株式分割などを考慮して修正した株価でチャートが表示されますので、チェックを外す必要はありません。「高安値表示」では、節目の高値や安値の価格が日付とともに表示されます。これらがチャートに表示されて邪魔だと感じるのであれば、チェックを外すことで表示させないようにすることができます。好き好きでお選びください。

「指標エリア1」は上段のチャートを、「指標エリア2」は下段のチャートを意味しています。表示されるチャートを順に見ていきましょう。初期設定では、「移動平均線」と「出来高」が選択されていますが、連載の7回目(有望株の選別はチャートがキモ!)で解説していますので、そちらを参考にしてください。

次ページ:トレンド系のチャート(1) 「平滑移動平均線」「一目均衡表」

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