大塚竜太氏【強気相場が継続、年内の着地点MAXはどこに?】(2) <相場観特集>

特集
2019年12月9日 19時45分

―対中関税引き上げ期限の接近も買い優勢続く東京市場―

週明け9日の東京株式市場は前週末の米国株大幅高を受けてリスクを取る動きが継続した。12月15日に延期されていた対中制裁関税引き上げ「第4弾」の期限を控え、上値に重さも意識されるが、米景気や中国景気減速に対する懸念が和らいでいることはポジティブ材料。年末相場の最終コーナーで日経平均株価はラストスパートを決めるのか否か、ここからの見通しについて先読みに定評のある市場関係者に意見を聞いた。

●「掉尾の一振で2万4000円台乗せに期待」

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

東京株式市場は、来週15日に米中追加関税引き上げの期限を控えているほか、今週も重要スケジュールが目白押しで、週末金曜日にはメジャーSQもあることを考慮すれば、腰を入れた買いを入れにくい局面ではある。しかし、基本的に大勢トレンドは上値を慕う方向にあり、結論から先に言えば、日経平均は“掉尾の一振”で年内2万4000円台乗せをうかがう方向にあるとの見方を変えていない。

11日に予定されるFOMCは利下げが見送られる可能性が高いが、これは株式市場でも既に織り込みが進んでいる。また、メジャーSQ前日の12日には英国選挙の投開票がある。これについては与党・保守党が過半数を確保して勝利するとの見方が強いものの、流動的な要素があり、目先的には注意が必要となる。更に同日に欧州ではECB理事会が予定されている。ラガルド新総裁の初陣ということもあって注目度は高いが、おそらく金融政策に変更はなさそうだ。場合によってはポジティブサプライズもあり得るが、それがなくてもECB理事会がマーケットに悪い方向に作用する可能性は低いと想定される。

米中対立の構図は依然として払拭できないが、そうしたなかも前週発表された11月の米雇用統計が市場予測を上回る好調だったことから米景気減速懸念に対する懸念が後退したことや、中国景気も既に底入れからモメンタムは上向きとなっている状況にあり、それらの点は市場マインドを強気に傾ける背景となっている。

国内に目を向ければ、政府の経済対策発表により全体相場に継続的な浮揚力が加わっていることもポイントだ。経済対策効果が反映されやすいのは建設関連で、大成建設 <1801> などゼネコンだけでなく、中小型の建設周辺株にも物色の矛先が向くことが予想される。このほか、米中対立の構図が緩めば、安川電機 <6506> やファナック <6954> など中国向け売上比率の高い設備投資関連株も改めて注目されそうだ。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(おおつか・りゅうた)

1986年岡三証券に入社(株式部)。88?98年日本投信で株式ファンドマネージャーを務める。2000年から東洋証券に入社し現在に至る。

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