鈴木英之氏【強気相場が継続、年内の着地点MAXはどこに?】(1) <相場観特集>

特集
2019年12月9日 18時30分

―対中関税引き上げ期限の接近も買い優勢続く東京市場―

週明け9日の東京株式市場は前週末の米国株大幅高を受けてリスクを取る動きが継続した。12月15日に延期されていた対中制裁関税引き上げ「第4弾」の期限を控え、上値に重さも意識されるが、米景気や中国景気減速に対する懸念が和らいでいることはポジティブ材料。年末相場の最終コーナーで日経平均株価はラストスパートを決めるのか否か、ここからの見通しについて先読みに定評のある市場関係者に意見を聞いた。

●「米中協議が相場左右」「高配当利回り銘柄に注目」

鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

年末・年始相場の最大のポイントは、今月15日に予定されている米国による対中「第4弾」関税引き上げがあるかどうかだ。

市場が想定しているメインシナリオは、米中通商協議は継続し利上げは見送られるというものだ。また、来年11月の大統領選挙を視野に入れた米国は、景気が強いなかでも利上げは見送られる状況が続きそうだ。このメインシナリオを前提にすれば、日経平均は年末・年始にかけ2万4000円を上値のメドとする上昇相場も期待できるだろう。

ただ、その一方で米中協議に対するマーケットの希望は楽観的過ぎる面がないわけではない。もし何の合意もなかった場合、マーケットはショック安に見舞われることも起こり得る。これらの点を考慮したうえでの、今後1ヵ月前後の日経平均の想定レンジは2万2000~2万4000円とみている。

この年末に米中間で何らかの合意が形成されたとしても、両国間の摩擦は簡単に解消されるものではない。更に、12日に予定されている英国総選挙にも注意が必要だ。日本は欧州から遠いため関心は薄れがちだが、ブレグジット(英国のEU離脱)となった場合の影響は気になる。

新年も視野に入れた場合の相場のテーマとしては、各業界の再編やM&A(企業合併・買収)の動きはマークしたい。また、例年12月や3月は配当権利取りの季節であり、JT <2914> やソフトバンク <9434> 、SUBARU <7270> などのような高配当利回り銘柄に対しても注目したい。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(すずき・ひでゆき)

早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資調査部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て2009年5月より現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。

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