為替週間見通し:底堅い動きか、ウイルス感染拡大で安全逃避のドル買いも

通貨
2020年7月11日 14時32分

【先週の概況】

■ウイルス感染拡大でリスク選好的な円売り縮小

先週のドル・円は弱含み。米国内における新型コロナウイルスの感染拡大を警戒して、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小した。7月6日に発表された6月ISM非製造業景況指数は2月以来となる57.1に上昇。また、9日に発表された新規失業保険申請件数は市場予想を下回っており、企業景況感や雇用情勢の改善を示唆する数字だった。株式市場は指標の改善を好感したものの、外為市場でリスク選好的なドル買い・円売りは拡大しなかった。

10日のニューヨーク外為市場でドル・円は、一時106円65銭まで下落したが、反転。この日発表された6月の米生産者物価コア指数は市場予想を下回ったことがドル売り材料となったようだ。しかしながら、新型コロナウイルス治療薬への期待で米国株式は反発したことから、リスク選好の円売りが優勢となり、ドル・円は106円95銭まで反発し、106円92銭でこの週の取引を終えた。取引レンジ:106円65銭-107円79銭。

【今週の見通し】

■底堅い動きか、ウイルス感染拡大で安全逃避のドル買いも

今週のドル・円は底堅い値動きか。米国における新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されている。現時点で都市封鎖(ロックダウン)などの強力な経済制限措置が導入される可能性は低いとみられているが、ウイルス感染の拡大が抑止できない場合、都市部などで何らかの制限措置が導入される可能性は残されている。経済制限の再導入を嫌って米国株式が大幅安となる局面では、株式などのリスク資産から米国債やドルなどの安全資産への資金シフトが発生し、主要通貨に対するドル買いが強まるケースもあり得る。

米国の経済指標の改善は基本的にドル買い材料となる。今週発表される6月消費者物価指数(CPI)や6月小売売上高が市場予想を上回った場合、リスク選好的なドル買い・円売りが優勢となる可能性は残されている。

【米・6月消費者物価コア指数(CPI)】(14日発表予定)

14日発表の6月消費者物価コア指数(コアCPI)は、前年比+1.1%とインフレ率は鈍化する可能性がある。ただし、インフレ指標が多少改善しても米金融当局は金融緩和策を長期間維持する見通しで、コアCPIが市場予想とおおむね一致した場合、重要な手掛かり材料にはなりにくい。

【米・6月小売売上高】(16日発表予定)

16日発表の6月小売売上高は前月比+5.6%と、5月ほどではないが、2カ月連続で高い伸びとなる見込み。個人消費の回復で4-6月期の国内総生産(GDP)は想定ほど悪化しないとの見方が広がれば、株高・ドル高の要因になり得る。

予想レンジ:105円50銭-108円50銭

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.