「そうだ 東京、コロナ脱出!」と思ったら、まずやることは
清水香の「それって常識? 人生100年マネーの作り方-第18回
FP&社会福祉士事務所OfficeShimizu代表
1968年東京生まれ。中央大学在学中より生損保代理店業務に携わるかたわらファイナンシャルプランナー(FP)業務を開始。2001年に独立後、翌年に生活設計塾クルー取締役に就任。2019年よりOfficeShimizu代表。家計の危機管理の観点から、社会保障や福祉、民間資源を踏まえた生活設計アドバイスに取り組む。一般生活者向けの相談業務のほか執筆、企業・自治体・生活協同組合等での講演活動なども幅広く展開、テレビ出演も多数。 財務省の地震保険制度に関する委員を歴任、現在「地震保険制度等研究会」委員。日本災害復興学会会員。
前回記事「コロナで減収、住宅ローンの返済問題でこの12月から始まる特則とは」を読む
東京からの人口流出が止まりません。総務省が発表した「住民基本台帳人口移動報告(2020年10月結果)」によれば、東京都はこの7月から4カ月連続で、転出人口が転入人口を上回る転出超過となりました。
東京一極集中の進行が懸念されてきた中、新たな変化です。他方、転入超過となったのは23県で、前年同月の11都県から12県も増えています。
■今年と昨年の10月に転入超過になった都道府県
2020年10月 | 2019年10月 | ||
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北海道 青森 宮城 茨城 群馬 埼玉 千葉 神奈川 福井 長野 滋賀 | 岡山 大阪 島根 山口 香川 高知 福岡 佐賀 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 | 宮城 群馬 埼玉 東京 神奈川 滋賀 | 大阪 福岡 宮崎 鹿児島 沖縄 |
背景には、コロナ禍によって企業が在宅勤務やテレワークを進めてきたことがあるのでしょう。オンラインによる会議や打ち合わせは、今やすっかり定着しました。取引先への営業や研修、セミナーもオンラインで開催されるようになっています。
私も先日、地方滞在中にリモートでテレビ出演をしましたが、オンラインによる物理的・時間的な制約を超えた仕事の可能性を改めて実感しています。
場所を問わず仕事ができるなら、住まい方の選択肢はより広がります。都心から郊外へ、さらに他県へと実際に移住を始める人が見られるようになり、自治体の移住支援や「空き家バンク」が話題にのぼることも増えてきました。
住まい方は自分らしい暮らしを決める重要な要素であり、同時にそのためにかかるコストは生涯に大きな影響を及ぼします。一方で、家計の多くを占める住居費が抑えられれば、自分らしい暮らしを実現する選択肢や可能性がより広がることになります。
自分らしい暮らしを引き寄せるには、住まい方の選択肢をより多く知ることも重要です。
売買・賃貸ともに希望者をマッチング「空き家バンク」
郊外や地方にどのような物件があるのかを知るには、不動産会社の物件情報のほか「空き家バンク」から情報を得ることもできます。
空き家バンクは、物件を売りたい、あるいは貸したい所有者と、物件を活用したい人をマッチングする仕組み。各自治体が運営していますが、2018年からは国土交通省主導のもとに全国の空き家情報が集められた「全国版空き家・空き地バンク」も始まりました。
LIFULL<2120>およびアットホームの2業者が運営しており、通常の物件探しと同様に全国の空き家を検索できます。
とりわけ、LIFULLのサイトでは物件ごとに地盤・防災関連マップも見られるので災害リスクも同時に確認できて便利です。いずれが管理するサイトも自治体の発信する情報にアクセスでき、問い合わせ先の自治体窓口も記載されています。