お金の流れに逆らわない「強いものは強い」戦略で今、注目するのは?
元・証券ディーラーに聞く、需給で考えるウィズコロナ相場~第2回
~株探プレミアム・リポート~
出来高の大きさは、「売買(する人が)多い」状態になります。その中で、高値圏で膨らんだ場合は、多くの人が集まり、言ってみれば人気がピークを迎えた可能性が高い。
ということは、株価の天井圏が近づいた可能性があるため、その後の反動売りを警戒する必要がありますね。
例えば、昨年の5月と6月、そして11月に高値圏から大きく崩れたアンジェス<4563>は、いずれも高値から大きく値を崩した日は出来高が膨らんでいます。
■アンジェス<4563>の日足チャート(20年4月~)
―― 反対に底値圏で出た場合は「セリングクライマックス」となるのでしょうか?
たけぞう: 経験則から、そうなりやすいですね。私自身は、昨年3月のコロナ大暴落の中、19日に日経平均が大底を付けたタイミングで上手く拾うことができました。
この時は、その2日前にTOPIX(東証株価指数)が上昇に転じていたこと、そして、19日の当日も日経平均は寄り付きから500円以上も値下がりする場面があったのに、TOPIXは構成銘柄の半数以上が値上がりしているという点に着目したのです。そして、この時も、日経平均の出来高は大きく膨らんでいました。
■日経平均株価の日足チャート(20年1~6月)
長期と短期の両輪で、大きな流れに乗る
―― 売買高はシンプルで分かりやすい指標ですね。さて、これらを踏まえて、「大きな流れに乗る」という発想に立った場合、どんな投資を心掛けたらいいのでしょうか?
たけぞう: 「大きな流れ」には、「長期で続く大きなうねり」と「短期的に強まるうねり」と2つがあると思います。この両方を同時に狙うやり方をしていくのが理想ですね。
大きなうねりには、中長期のじっくり型で乗っていき、主には株式投資の王道である長期的な企業業績に着目します。具体的には、足元では景気の回復、もっと先にはEV(電気自動車)の普及やビッグデーターを処理するデーターセンターの拡大などでエネルギー需要の拡大が見込まれる電力株が候補になります。
そして、業績が上向きで、やはり長期で需要が発生していくと考えられる廃棄処理関連やリサイクル関連がターゲットになると見ています。
短期狙いは、資金が流れ込むテーマ株に乗っていくやり方ですね。こちらの詳細は次回にお話しします。
電力株で配当を得ながら安定成長のうねりに乗る