ビーイングホールディングス:NEUTRAL継続【今村証券アナリストレポート】
●ビーイングホールディングス<9145>[東証S]
レーティング: OUTPERFORM(2025/9/3)→ NEUTRAL
◆情報システムに強みを持ち、「運ばない物流」「見える物流」が特長の3PL
◆拠点開設、既存取引拡大で増収増益続く
◆投資先行で利益成長率鈍化

注)2025年10月1日付で1株につき4株の割合で株式分割を実施しており、2022年12月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定してEPS、BPS及び配当金を表記。
◆会社概要…自社開発の情報システムが強みの3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)
「輸送、保管、包装、流通加工、荷役、情報システム」を一貫して請け負う3PL事業を行う。「運ばない物流」と、情報を顧客と共有できる情報システムが特長で、クスリのアオキ、三菱食品向けが営業収益の半分近くを占める。拠点は北陸から関東、関西、東海、東北など22都府県71物流拠点に拡大、全国展開をもくろむ。
◆業績…成長鈍化
2025年12月期連結業績は8期連続の増収増益。拠点開設などに伴う新規業務獲得や既存業務拡大が増収に寄与し、営業収益は前の期に比べて11.0%増収の335億1500万円と、期初の会社予想(333億円)を2億円余り上回り順調に拡大した。
一方、営業利益は23億400万円と前の期に比べて2.7%増益となったものの、会社の計画を2億円弱下回った。期中に14拠点を開設したことによる初期投資や立ち上げに伴う関連費用の増加があったうえ、期初に計画していなかった東海SCMセンターの移転に伴い想定以上のコストが発生したことなどが利益を圧迫した。いわゆる成長痛であり、拠点拡充が順調に進んでいることは好感すべきと考える。とはいえこれまで営業利益は2桁増益が続いていただけに、ほぼ横ばいにとどまったことはややサプライズだった。
今期業績予想についても、人手不足が顕著な中で労働環境改善などに向けた投資を進めることから利益は小幅な増益にとどまる見通しだ。

◆特長と強み、成長戦略
同社の特長は、① 日用品や食料品などの生活物資に特化していること、② メーカーや卸、小売の間で実施する拠点間配送、在庫管理、検品などを拠点物流センターに集約する「運ばない物流」、③ 倉庫管理システムや輸配送管理システムなどのシステムを活用し顧客と情報を共有する「見える物流」、④ 自動化、省人化、効率化をはかる仕組みをつくる現場力――だ。
強みは情報システムだ。自社グループで開発した「Jobs」は、倉庫管理システム(WMS)や輸配送管理システム(TMS)、勤怠や作業などの生産性管理システム(PMS)など物流に関する総合システムだ。「Jobs」によって「見える化」された情報は、社内のみならず顧客にも「見せる化」されている。顧客は物流センター内の在庫量や入庫・出庫業務の進捗状況及び配送の進捗状況などをリアルタイムで確認し共有することができるため、在庫の適正化を図ることができる。顧客の利便性や収益性の改善につながることから、顧客との契約は継続率が高く、同社の安定した収益につながっている。
会社は決算発表と同時に2030年を見据えた「中期経営計画2028」を公表した。2026年から2028年にかけては将来の収益力向上に向けた基盤強化を優先、先行投資の期間とする。引き続き全国展開、「Jobs」を活用した生産性・付加価値向上、M&Aを成長ドライブに収益拡大を図る一方、組織強化と人財育成、労働環境の改善などに取り組む。
成長投資に注力する一方、財務の健全性と資本の効率性にも配慮する。自己資本比率40%を維持しながら、資本コストを超える価値創造で投下資本利益率(ROIC)や自己資本利益率(ROE)の向上に努めるとする。
株主還元にも目を配る。利益成長率は鈍化するものの、成長投資と財務健全性を前提に安定的な増配を基本とし、長期的には「配当性向30%、DOE5%」を目標とする。

◆投資判断
株価は決算発表後に急落し、約8カ月ぶりの安値水準にある。足元の成長鈍化は将来的な成長に向けた投資によるもので、中長期的には再び成長路線に乗ると考えるものの、中期経営計画に基づく営業利益の年平均成長率は1割と、過去3年間の2割成長からは減速する。1割の利益成長を前提とするなら、足元の株価のバリュエーションは妥当な水準と考え、投資判断を「NEUTRAL」に引き下げる。

| 【レーティングの定義】 OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。 NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 |
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今村証券より提供されたレポートを掲載しています。
株探ニュース