日華化学:NEUTRAL継続【今村証券アナリストレポート】
●日華化学<4463>[東証S]
レーティング: NEUTRAL(2026/3/10)→ NEUTRAL
◆主力は繊維加工用薬剤。クリーニングや電子材料向け薬剤、頭髪化粧品も展開
◆EHD製品の伸長が業績を押し上げ
◆化粧品事業は新工場稼働に向けて営業強化

(注)22/12期より「収益認識に関する会計基準」等を適用しており、22/12期の伸び率は記載していない。
◆主力は繊維加工用薬剤。クリーニングや電子材料向け薬剤、頭髪化粧品も展開
化学品事業の主力である繊維加工用薬剤は、国内シェアNo.1。繊維産業が盛んなアジアを中心に海外9カ国・地域にも拠点を有し、海外売上高(2025年12月期)は連結の48%、繊維加工用薬剤の76%を占める。スポーツアパレルの撥水・吸水速乾、インテリアの防汚・防炎、自動車カーシートの難燃・耐久といった機能の付与などに用いられ、現在は「環境(Environment)」「健康・衛生(Health)」「先端材料(Digital)」(EHD)製品に事業を集中している。
2つ目のセグメントである化粧品事業は、美容室専売品のヘアケア剤やスカルプケア剤等のほか、ODM・OEM(相手先ブランドの受託開発・受託生産)を手掛け、新工場を建設中だ。
◆EHD製品の伸長が業績を押し上げ
今期(2026年12月期)第2四半期累計期間の売上高、営業・経常・純利益は大幅に伸び、過去最高を更新した(資料1・2、出所:決算短信・補足説明資料・リリース)。合わせて通期見通しを見直し、すでに過去最高を見込んでいた期初時点から売上高を55億円(9.4%)、営業利益を12億円(28.6%)、経常利益を13億5000万円(33.3%)、純利益を10億円(35.7%)上乗せした。好業績を受けて、株価は上場来高値を付けた。


(注) 棒グラフは全社費用等除く
EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)の26.12期(計画)は今村証券予想
業績を押し上げたのは、化学品事業だ。第2四半期累計期間において化学品事業は増収率21%、営業増益率51%、売上高営業利益率は13.4%(同+2.6ポイント)だった。従来製品より利益率が14ポイント高いEHD製品の売上高比率が48.1%(前年同期比+2.9ポイント)に高まったことが寄与した(資料3、出所:補足説明資料)。3月、米ケマーズ社が展開してきた非フッ素系撥水剤「Zelan(ゼラン)」に関する製造・販売事業を譲り受ける契約を締結し、業績に加算された(売上高・利益は非開示)。非フッ素系撥水剤の製品ラインアップを拡充できただけでなく、今後は「Zelan」事業と日華化学の技術を融合した新製品の開発を見据える。既存のEHD製品の販売も伸び、繊維加工工程削減・短縮、排水の公害値低減などに貢献する薬剤、電子材料関連工程薬剤、カーシートやソファ、衣類などに使用される人工皮革の製造に用いる「水系」ウレタン樹脂などが好調だった。また、原材料などの価格高騰に対しては、コスト削減、製品価格への転嫁で対応している。

◆化粧品事業は新工場稼働に向けて営業強化
一方で化粧品事業の第2四半期累計期間は、8%の減収、38%の営業減益となり、主力代理店の在庫調整の影響を背景に苦戦した。第3四半期以降は、一部の商品で在庫調整の影響が残っているものの、営業担当を増員して美容室に対するサポートを強化し、受注を増やす活動の成果が現れてくるとした。複数ブランドの展開、東南アジアへの進出も推し進めている。
この戦略に伴う受注増加に対応するのが、来年5月に竣工を予定する新工場だ。約195億円(内補助金50億円)を投じ、製造能力は3倍に、自動化による人時生産性は1.5倍に高める。新工場完成後は減価償却費が嵩み、来期(2027年12月期)営業利益の重荷になる。2028年12月期以降は増益基調に戻る見込みだ。
これらを踏まえ、今村証券による業績予想は、今期が会社予想通り、来期が売上高660億円(今期今村証券予想比+3.1%)、営業利益50億円(同▲7.4%)、純利益35億円(同▲7.9%)とする。配当に関しては、今期にDOE(自己資本配当率)が当面の目安である3.0%に達する見通しだ。その後も「DOE向上を継続して検討」との会社方針があることから、今期は会社予想通りの70円(前期比+10円)、来期は7期連続増配となる75円を予想する。
投資判断は「NEUTRAL」を継続する。
| 【レーティングの定義】 OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。 NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 |
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今村証券より提供されたレポートを掲載しています。
株探ニュース