北陸企業ニュース-業況改善が期待される企業-【今村証券アナリストレポート】
企業業績は総じて好調だ。東証プライム市場上場の3月期決算企業の2026年4~6月期決算では純利益が前年同期比65%増益と大幅な増益となった。原材料高などのコスト増加分の価格転嫁が進んだことに加え、需要環境の改善がみられることが背景にある。
北陸においても業況の改善がみられる。日銀金沢支店が発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が全産業ベースで2期ぶりに改善した。改善は非製造業がけん引している(下記グラフ参照)。

一方、製造業DIは3月から横ばいだ。ここで注目すべきは「先行き」だ。短観では「先行き」は「最近」(6月調査時点)に比べて下振れするのが一般的とされるが、製造業の「先行き」は横ばい見通しだ。北陸の主要産業の業種別では電気機械と化学の「先行き」の上振れが目立ち、はん用・生産用・業務用機械も横ばいと底堅い印象だ(下記グラフ参照)。AI関連需要が電子部品や半導体製造装置、工作機械など幅広い分野に広がっている様子だ。

今回はこれらの業種の中から需要好調なコーセル <6905> [東証P]を取り上げる。なお、澁谷工業 <6340> [東証P]、高松機械工業 <6155> [東証S]については直近の今村証券アナリストレポートをご参照いただきたい。
▼澁谷工業:NEUTRAL継続【今村証券アナリストレポート】
https://kabutan.jp/stock/news?code=6340&b=n202608310352
▼高松機械工業:NEUTRAL継続【今村証券アナリストレポート】
https://kabutan.jp/stock/news?code=6155&b=n202608240229
●コーセル<6905>[東証P]
作成者 織田真由美
レーティング: NEUTRAL
◆ヘルスケアなど特定市場向けに強みのあるグローバルニッチ企業

スイッチング電源世界2位の台湾LITE-ON TECHNOLOGY CORPORATION(「ライトン社」)の持分法適用会社。制御機器(FA)や半導体製造装置、医療機器、通信・放送機器など産業機械向けが中心。
コロナ禍の先行受注の反動、顧客の在庫調整などで低迷していた受注が回復してきた。FAや医療機器向けで在庫調整が進んでいるほか、生成AI(人工知能)用GPU半導体製造装置関連の需要が旺盛なことが背景にある。BBレシオ(販売額に対する受注額の割合)は2025年度第1四半期から1を超えている。

受注が回復する中、今期業績は増収・営業黒字化見通し。スウェーデン子会社Powerbox International AB(以下、PRBX)売却の影響で売上高が40億円程度下押されるものの、販売数量の増加や製品値上げでカバーする。子会社売却の影響を除いたコーセル製品の増収率は4割程度とややチャレンジングな印象はあるが、前期第4四半期会計期間のコーセル製品の受注高が73億円強だったことを考えれば達成可能性は高いと考える。
来期業績については、今期予想に比べて1割程度増収の売上高320億円を想定し、増収に伴う利益率改善を見込むことで営業利益20億円、純利益15億円、EPS36円を予想する。
今期を初年度とする第11次中期経営計画では、事業ポートフォリオの再編を図り、2029年5月期の「売上高400億円、営業利益34億円、売上高営業利益率8.5%、ROE5.2%」を目標に掲げる。高付加価値製品のコーセル製品に加え、ライトン社との共同開発ブランド「COSELSYNC.(コーセルシンク)」製品でミドルレンジ市場の需要を取り込むほか、ライトン社製品とのクロスセルでラインナップを補完し売上高400億円を目指す。また、適宜価格転嫁を進め、DX推進を通じて生産性向上に取り組むことで利益率改善を図るとする。
なお中計期間中の株主還元の基本方針は「株主資本配当率(DOE)4.5%を下限とする累進配当」だ。安定した株主還元は評価したい。
投資判断は「NEUTRAL」。ミドルレンジ市場の取り込みが進むかを注視したい。
| 【レーティングの定義】 OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。 NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 |
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今村証券より提供されたレポートを掲載しています。
株探ニュース