澁谷工業:NEUTRAL継続【今村証券アナリストレポート】
●澁谷工業<6340>[東証P]
レーティング: NEUTRAL(2026/2/24)→ NEUTRAL
◆ボトリングシステムで国内トップ。無菌技術に強み
◆食品や医薬品などの更新需要、メンテナンス需要で収益基盤安定
◆受注回復、今期過去最高益更新見通し

◆会社概要…ボトリングシステムで国内トップ
ボトリングシステムで国内トップ。飲料用の無菌充填システムでは国内シェア80~90%とみられる。アジアや北米を中心に海外売上が拡大しており、海外売上高は約4割。
パッケージングプラント事業は食品や薬品・化粧品などの業界向けが中心、安定した需要があることや定期的なメンテナンスが必要なことが収益に寄与している。
◆業績
2026年6月期連結業績は増収、営業減益。パッケージングプラント事業は増収・増益と堅調だったが、メカトロシステム事業と農業用設備事業が増収ながらも減益となったことが足を引っ張った(資料1参照)。メカトロシステム事業で医療機器の部品交換費用がかさんだことに加え、償却負担の増加などが利益を圧迫した。

通期業績は伸び悩みの印象があるものの、四半期でみると受注の回復、業績回復が顕著だ。殊に受注についてはメカトロシステム事業がけん引役となり、第3四半期から急回復した(資料2参照)。メカトロシステム事業は主に半導体製造システムと医療機器(ニプロ<8086> [東証P]向けに人工透析装置)を製造しているが、半導体製造システムにおいて光トランシーバー用ボンダが好調で、医療機器も下期に回復した。農業用設備事業の拡大も追い風となった。
この結果、第4四半期会計期間の売上高は前年同期比11.5%増の390億円と四半期では過去最高となり、営業利益は同58.2%増益の48億円となった。増収要因に加えて、採算性の高い製品の販売が増えたことで売上高営業利益率は12.4%まで改善している(資料3参照)。
光トランシーバー用ボンダは足元の引き合いも活発な様子で、今期もメカトロシステム事業の好調が期待される状況だ。


◆強みと中期経営計画進捗
同社の強みは技術力、イノベーション創出力、きめ細やかなサポート体制だ。創業以来のボトリング技術をコアにM&Aを通じて技術を蓄積、培ったロボット制御技術や無菌技術、レーザ技術などによって事業領域を拡大してきた。殊にパッケージングプラント事業では無菌技術が強みとなり、乳飲料や茶系飲料などの低酸性飲料の充填において優位性を発揮している。健康志向の高まりから低酸性飲料の需要が増加する中で、北米のほか中国や東南アジアでの需要も伸びている。
今期を最終年度とする中期経営計画で掲げる目標は「売上高1500億円、営業利益160億円、ROE10%以上」。2025年6月期の受注低迷によって達成に不透明感があったものの、足元の受注回復で達成が見えてきた。この間、会社が取り組んできたのは新製品開発、新市場開拓、新事業創出で、前期の受注拡大は新製品開発が奏功したことが大きい。新市場開拓においては米国でオハイオ州、ニューヨーク州にサービス拠点を設置したほか、インドネシアに子会社を設立、インドでも今期中に現地法人の立ち上げを予定する。国内で建設を進める4つの新工場は2026年内に竣工予定だ。
◆業績予想と投資判断
受注が回復するなか、今期は中期経営計画目標「売上高1500億円、営業利益160億円」の達成を見込む。売上高、営業利益、純利益がすべて過去最高を更新の見通しだ。現在建設中の工場に係る費用増加などが利益を圧迫するが、増収効果や採算性改善によって利益率改善を見込むとする。
食品や医薬品、化粧品などが主要な需要先であり、更新需要やオーバーホールなどのメンテナンス需要が収益の支えとなることで、資本財セクターでありながら業績の変動が他の機械株ほど大きくない点は魅力的だ。足元の受注回復を考えれば来期業績も堅調に推移しそうで、今村証券は来期業績について1割程度の増収増益を想定する。
ただ、決算発表後に株価が急騰したことで足元の株価はやや調整気味と考えることから、投資判断は「NEUTRAL」とする。
| 【レーティングの定義】 OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。 NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 |
--------------------------------------------------------------------------------------
今村証券株式会社
金融商品取引業者 北陸財務局長(金商) 第3号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人資産運用業協会
--------------------------------------------------------------------------------------
【アナリストによる証明】
本資料に示された見解は、言及されている発行会社とその発行会社等の有価証券について、各アナリストの個人的見解を正確に反映しており、さらに、アナリストは本資料に特定の推奨または見解を掲載したことに対して、いかなる報酬も受け取っておらず、今後も受け取らないことを認めます。
--------------------------------------------------------------------------------------
【免責・注意事項】
本資料は投資判断の参考となる情報提供を目的とし、信頼できると思われる各種データに基づき作成したものですが、正確性・完全性を保証するものではありません。本資料に記載された意見・予測等は、作成時点における今村証券の判断に基づくもので、今後、予告なしに変更されることがあります。本資料は投資結果を保証するものではございませんので、本資料の内容について第三者のいかなる損害賠償の責任を負うものでもありませんし、本資料に依拠した結果として被った損害または損失について今村証券は一切責任を負いません。投資に関する最終決定はご自身の判断で行ってください。今村証券は本資料に関するご質問やご意見に対して、何ら対応する責任を負うものではありません。
今村証券及びその関連会社、役職員が、本資料に記載されている証券もしくは金融商品について、自己売買または委託売買取引を行うことがあります。
本資料は今村証券の著作物であり、著作権法により保護されております。今村証券の事前の承認なく、また電子的・機械的な方法を問わず、本資料の全部もしくは一部引用または複製、転送等により使用することを禁じます。
――――――――――――――――――――――――――――――――-
今村証券より提供されたレポートを掲載しています。
株探ニュース