2018年の利益成長“青天井”ばく進、有力株リスト <新春特別企画>

特集
2018年1月3日 15時00分

2日に配信した「2018年【業績最強株】候補リスト」に続き、今年活躍が期待される銘柄を探ってみたい。本特集では、直近四半期に過去最高益を更新し、かつ通期見通しも最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄に注目してみた。

下表では、時価総額200億円以上の銘柄を対象に、本決算月にかかわらず、直近の3ヵ月決算において経常利益が全四半期ベースで過去最高益を10%以上、上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益を10%以上、上回る見通しを示している35社を選び出し、直近四半期の過去最高益の上振れ率が大きい順に記した。

上振れ率トップのセレス <3696> は主力のスマートフォン向けポイントサイトの会員数が増加し広告収入が伸びたうえ、投資育成事業で未公開株式の売却益が発生し、7-9月期(第3四半期)は四半期ベースの過去最高を4.8倍も上回る8億円に急拡大した。今期から仮想通貨事業に参入した同社は、12月のビットコイン急騰で人気に火がついた経緯がある。ビットコイン下落の場面でも株価は頑強な動きを見せており、2018年も好業績の仮想通貨関連銘柄として注目されそうだ。

2位のJCRファーマ <4552> は主力の成長ホルモン製剤の販売拡大や契約金収入の増加し、四半期ベースの最高益を31四半期ぶりに更新した。同社は昨年9月に筆頭株主となった医薬品卸大手メディパルホールディングス <7459> と米国に合弁会社を今年1月に設立する予定だ。米国を拠点に独自の血液脳関門通過技術を適用した開発品の海外展開を進める構えで商機拡大が期待される。3位のアウトソーシング <2427> は技術系派遣や請負が好調だったうえ、1月に買収したドイツ人材大手の業績上積みなどで海外事業の収益も大きく膨らんだ。人手不足の深刻化を追い風に、技術者派遣を主力とする同社や33位のアビスト <6087> はさらなる飛躍に期待がかかる。

選出リストでは、JCRファーマ、アウトソーシングをはじめ、決算発表後に上場来高値を更新した銘柄が多い。5位に入ったSHIFT <3697> [東証M]の6-8月期(第4四半期)は大手企業との取引が本格化し始めた金融・流通向けソフトウエアテストの受注拡大が業績を牽引した。ソフトウエアテストの潜在市場は大きく、同社は高度な技術をもつ人材への投資を続けながら大手企業の開拓を進める方針だ。新たな目標に定めた2020年代に売上高300憶円(18年8月期計画は120億円)の達成に向けて成長を加速するとしている。

8位のダイフク <6383> は半導体・液晶関連向け搬送装置や物流センター向け自動化システムの受注が大きく伸び、10年ぶりに四半期最高益を更新した。あわせて今期2度目となる通期計画と配当の増額修正を行い、株価は11月13日に上場来高値6520円をつけた。その後、公募増資と自己株処分の発表が嫌気され調整する場面があったが、成長期待は強く再び最高値更新をうかがう展開に切り返している。27位の安川電機 <6506> も自動化需要の拡大を追い風に、18年2月期は決算期変更に伴う11ヵ月の変則決算ながら最高益を更新する見通しだ。省人化投資が加速する中国を中心にサーボモーターや産業用ロボットの受注が急増している。

12位のオープンハウス <3288> は主力の戸建て住宅を中心に業績拡大トレンドが続く。中期計画では2020年9月期に売上高5000億円(17年9月期実績は3046億円)、経常利益600億円(同361億円)の目標を掲げる。配当性向も段階的に引き上げる計画で株主還元面でも投資魅力が大きい。直近の株価急騰で予想PERは11.3倍まで上昇したが割安感は残っており、さらなる上値追いが期待される。

   ┌─ 四半期 経常利益 ─┐  ┌── 通期 経常利益 ──┐

コード 銘柄名    上振れ率 直近四半期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高

<3696> セレス       376    800   168   80.1   895   497

<4552> JCRファ    51.3    1841   1217   39.3   3530   2534

<2427> アウトソシン   50.5    3095   2057   78.4   8900   4988

<3245> ディアライフ   47.1    1180   802   25.3   2500   1996

<3697> SHIFT    47.0    272   185   40.6   800   569

<7717> Vテク      40.9    2822   2003   81.3   9800   5406

<3678> メディアドゥ   39.3    312   224   46.6   962   656

<6383> ダイフク     35.7   10412   7671   59.9  38000  23760

<9416> ビジョン     34.2    690   514   23.9   1608   1298

<6479> ミネベア     33.3   24790  18600   19.7  72000  60140

<6266> タツモ      33.1    667   501   36.7   1910   1397

<3288> オープンH    31.3   11887   9050   20.4  43500  36131

<5358> イソライト    29.9    998   768   39.0   2900   2086

<3073> DDHD     29.0    908   704   18.5   1700   1435

<3660> アイスタイル   28.7    632   491   14.7   1900   1657

<6071> IBJ      28.7    444   345   30.9   1448   1106

<2477> 手間いらず    27.3    163   128   25.5   600   478

<2317> システナ     27.2    1248   981   29.6   4416   3407

<3097> 物語コーポ    24.7    1104   885   21.1   3700   3056

<7747> 朝日インテク   24.1    4295   3460   11.2  12170  10941

<7780> メニコン     22.6    1793   1462   14.4   4616   4036

<3656> KLab     21.8    1582   1299   73.8   4900   2819

<2209> 井村屋G     21.0    974   805   11.0   1450   1306

<7956> ピジョン     19.2    5791   4858   13.0  18600  16462

<6088> シグマクシス   19.0    307   258   22.2   1000   818

<2491> Vコマース    18.5    582   491   15.9   1920   1656

<6506> 安川電      18.5   14889  12568   50.7  54000  35833

<3925> ダブスタ     17.5    168   143   32.1   539   408

<3179> シュッピン    16.0    414   357   28.7   1387   1078

<7715> 長野計器     14.6    897   783   33.3   2769   2077

<9514> エフオン     14.3    815   713   15.0   2650   2305

<3221> ヨシックス    12.6    510   453   25.8   1748   1389

<6087> アビスト     12.4    434   386   14.4   1707   1492

<6957> 芝浦電子     11.8    863   772   21.8   3000   2463

<9513> Jパワー     10.0   39074  35519   19.3  81000  67906

※ 2016年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。

★元日~3日、2018年「新春特集」を“24本”配信します。

→→ 「新春特集」の記事一覧をみる

※元日に配信した北浜流一郎など5氏の「お年玉企画」は、ぜひご覧ください。

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