<話題の焦点>=長寿は対応力や競争力の証、“創業100周年”を迎える企業に注目

特集
2018年1月11日 12時10分

世界的な株高を追い風に、2018年の新春相場は好調なスタートを切った。日経平均株価は26年ぶりの水準に上昇し、市場では先高観が高まっている。そこで気になるのが物色テーマだが、新春ということもあり今年創業100周年を迎える“長寿企業”に注目してみたい。

100年前の1918(大正7)年最大のトピックスは、14年に始まった第一次世界大戦が終結したこと。戦地の欧州から遠く離れていた日本は工業製品の輸出国としての存在感が増し、「大戦景気」のもと国内の産業構造は大きく転換した。それまでの繊維中心の軽工業から造船や鉄鋼といった重工業が発展期を迎え、多くの製造業が生まれた。その後、100年にわたって経済危機などのピンチを乗り越えて生き残ってきた企業は、常に変化する経済環境への対応力や競争力を持っているといえ、改めて見直してみたい。

パナソニック<6752>は、後に「経営の神様」と称される松下幸之助氏が大阪市北区西野田大開町(現:福島区大開2丁目)に「松下電気器具製作所」を設立し、最初の製品「アタッチメントプラグ」を発売した時を創業としている。59年にはアメリカ松下電器を設立し、71年にはNY証券取引所に上場。2008年に社名を「パナソニック」に変更し、現在では全世界で売上高7兆円を超える大企業となっている。

象印マホービン<7965>は、電球加工の職人だった市川金三郎氏(弟)がドイツから輸入された魔法瓶に興味を持ち、銀三郎氏(兄)と魔法瓶の製造に取り組んだことが始まり。現在では炊飯ジャーや電気ポットなどの「調理家電」商品、ガラス・ステンレスマホービンを中心とした「リビング」商品、空気清浄器や加湿器などの「生活家電」商品のほか、独自の真空断熱技術や温度コントロール技術を応用して産業用分野でも事業を展開している。

パイロットコーポレーション<7846>は、商船学校の教授だった並木良輔氏が製図の授業に使う道具「烏口」の扱いに苦労している学生をみて、軸にインク貯蔵部を設けた「並木式烏口」を開発。16年に純国産初の万年筆を誕生させ、その2年後に前身となる並木製作所が設立された経緯がある。

日東電工<6988>は、電気絶縁材料の国産化を目的として日東電気工業が創業。45年には大崎本社が空襲で全焼するというピンチもあったが、62年には東証および大証2部に上場。その後、半導体封止材料の製造を開始するなど事業を拡大し、67年に1部上場を果たした。

カーリットホールディングス<4275>は、創業者の浅野総一郎氏が火薬類の国内自給を目指してスウェーデンからカーリット爆薬を技術導入し、同族会社で研究開発に着手したことが始まり。51年に社名を日本カーリットに改称し、2013年には株式移転により純粋持ち株会社「カーリットホールディングス」が設立された。

このほか創業100周年を迎える企業には、トヨタ紡織<3116>、帝人<3401>、トクヤマ<4043>、三菱ガス化学<4182>、ニチバン<4218>、グローリー<6457>、NTN<6472>、ホーチキ<6745>、シチズン時計<7762>、りそなホールディングス<8308>、山九<9065>などがある。

出所:みんなの株式(minkabu PRESS)

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