【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 押し目狙い徹底! 二進一退の上昇続く業績好調株
「押し目狙い徹底! 二進一退の上昇続く業績好調株」
●米大統領帰国が円反転の端緒となるか?
日経平均株価が2万4000円の突破で苦戦を続けている。年初(=月初)は一気に上抜く勢いを見せたものの、いまは2万4000円が上値抵抗となり続け、一時的には突破するのだが、あとが続かない。
その要因はもちろん対ドルでの円高だ。東京市場は円高への対応力が高まっているはずだった。しかし、それは円の水準次第であり、108円台に上昇すると、さすがに抵抗力が弱まってしまう。
このような状況がいつまで続くのか。当然、円が反落するまでだ。
それはいつになるのか。正確な期日など誰にも予測不可能なため、対応策としては反転の切っ掛けになる材料の出現待ちになる。
その第一候補は、現在スイスで開催中のダボス会議に出席しているトランプ大統領やムニューシン財務長官などの帰国になる。
ムニューシン財務長官は「ドル安は米国の利益になる」と発言し、トランプ大統領は「ドル高は米国の国益だ」と真反対のことを言っている。
どちらが本当かは問題ではない。大統領と首脳との発言が食い違うことで、市場の関心が円とドルの関係に集まる。これが価格変動要因になっているのであり、大統領と閣僚たちが帰国してしまえばそれは次第に薄れると見てよい。
いまはそれを待てばよい。
ただ、2万4000円という水準が分厚い壁であることに変わりはない。今年になって2回突破はしているものの、どっしりと乗るのには成功していない。やはり戻り売りが出てしまうからだ。
米国市場の場合、NYダウ、NASDAQともに新値を更新しやすいのは、戻り売りがないからだ。何しろ過去最高値水準なのだから、頭上には青空が広がっているばかり。上から降ってくるものがない。
ところが、日経平均は違う。過去の高値は1989年につけた3万8915円だ。上には過去のしこり玉がまだ残っていて、少し上がるとそれらが出てきて頭を押さえる。こんな構造にあることを、念頭に置いて売買したい。
●円高急落株は仕込みの好機
しかし、大事なのは、企業収益の力強い伸びにより、多くの銘柄は二進一退の上昇を続ける。こう見てよく、引き続き押し目狙いに徹する。これが有効だ。
そこで、その対象としたいのは、まずは円高で売られた銘柄だ。
具体的にはソニー <6758> になる。JPモルガン証券の投資判断引き下げもあって急落したが、これは安値で買える好機が与えられたようなもの。戻り切ってしまわないうちに投資しておきたい。
FA・金型部品に強く、ネット販売の好調が続くミスミグループ本社 <9962> も急落したので、好ましい状況にある。
コマツ <6301> はどうか。この株は急激な円高になる前から下げてしまっていたが、そろそろ下げ止まってもおかしくない水準だ。実際、反発の兆しも見せ始めているので安全度も高くなっている。投資有利と見る。
主力製品は制御機器類だが、われわれに馴染み深い血圧計などヘルスケア機器の販売でも強みを持つオムロン <6645> も急落した。単純に急落したから魅力的とはならないものの、現在水準からのさらなる下落確率は低く、安全度は高い。
以上は円高によって下落した銘柄になるが、逆に円高でも下げなかった銘柄にも目を向けておくと、ニッポン高度紙工業 <3891> [JQ]がある。電気絶縁用のセパレーター大手で、アルミ電解コンデンサー用で首位メーカーだけに、株はさらなる高値が見込める。
会員制リゾート施設最大手のリゾートトラスト <4681> も小反落があれば拾っておきたい銘柄になる。
ホテル運営事業は外国人旅行者の増加を背景に今後も収益増必至と見てよいため、プリンスホテル、そして横浜アリーナを経営する西武ホールディングス <9024> も魅力的だ。
2018年1月26日 記
株探ニュース