話題株ピックアップ【夕刊】(3):日立金、ゼンリン、東エレク
■日立金属 <5486> 1,530円 -98 円 (-6.0%) 本日終値
日立金属<5486>は大幅反落。29日の取引終了後、18年3月期の連結業績予想について、売上高を9500億円から9900億円(前期比8.7%増)へ上方修正した一方、営業利益を800億円から680億円(同3.1%増)へ下方修正したことが嫌気された。主力の工具鋼や半導体関連装置向け部材などの需要増加や、原材料価格の上昇(価格スライド制)、為替の円安などで売上高は上振れる見通しだが、耐熱鋳造部品やアルミホイールの収益性の低下、原材料価格上昇に伴うコストの増加の影響などがあり、利益は下振れる見通しという。なお、純利益は従来見通しの450億円(同11.1%減)を据え置いている。同時に発表した第3四半期累計(17年4~12月)決算は、売上高7331億1300万円(前年同期比10.0%増)、営業利益423億9300万円(同14.5%減)、純利益348億800万円(同3.8%減)だった。
■ゼンリン <9474> 3,975円 -215 円 (-5.1%) 本日終値
ゼンリン<9474>が急反落。29日の取引終了後、3月31日を基準日として1対1.5株の株式分割を実施すると発表したほか、第3四半期累計(17年4~12月)連結決算が、売上高395億3500万円(前年同期比5.0%増)、営業利益7億2200万円(前年同期5900万円)、最終利益2億9500万円(同1億7000万円の赤字)と大幅増益となったと発表したが、10~12月営業利益が同42%減となり、また、第3四半期までの進捗率が営業利益で16%と低いことが嫌気されたようだ。第3四半期累計期間では、主力の地図データベース関連事業で国内カーナビゲーション用データの販売が好調に推移したほか、住宅地図データベースを活用したGIS関連の売り上げも堅調に推移したという。ただ、増収に伴う支払手数料などの売上原価が増加したほか、人件費などの増加が利益を圧迫しているようだ。なお、18年3月期通期業績予想は、売上高600億円(前期比3.8%増)、営業利益45億円(同6.3%増)、最終利益27億円(同9.7%増)の従来見通しを据え置いている。
■東京エレクトロン <8035> 21,475円 -635 円 (-2.9%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>が反落。ここ為替の円高進行と相まって半導体関連セクターには向かい風が強い。前日の米国株市場ではアプライドマテリアルズなどが売られ、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は小幅ながら反落した。東京市場でも関連銘柄の好業績が事前に織り込まれるなか、四半期決算発表を前にいったんキャッシュポジションを高める動きが優勢だ。東エレクは18年3月期営業利益段階で前期比74%増の2710億円を見込んでいるが、きょう引け後に第3四半期決算発表を控えており、この結果と株価の反応を見極めたいとの思惑が買いを手控えさせている。
■村田製作所 <6981> 15,625円 -305 円 (-1.9%) 本日終値
村田製作所<6981>、アルプス電気<6770>、フォスター電機<6794>、日東電工<6988>など電子部品株は軒並み軟調な展開。村田製をはじめ米アップルのiPhone向け有力サプライヤーだが、最新モデル「iPhoneX」の減産が報じられるなか株価に逆風材料となっている。iPhoneXは1台11万円を超える高価格がネックとなり足もとの販売が低迷している。30日の日本経済新聞は「1~3月期の生産量を当初計画から半減させる見通し」と伝えており、これがネガティブ視された。
■カワタ <6292> 1,980円 +400 円 (+25.3%) ストップ高 本日終値
カワタ<6292>がストップ高。この日正午ごろ、18年3月期の連結業績予想について、売上高を178億円から200億円(前期比20.1%増)へ、営業利益を8億円から11億円(同2.1倍)へ、純利益を4億2000万円から9億円(同4.3倍)へ上方修正したことが好感された。日本や東アジアで引き続き自動車関連や電子部品関連の需要が堅調だったことなどが上方修正の要因という。また、業績予想の修正に伴い、従来6円を予定していた期末配当を3円増額して9円に引き上げるとあわせて発表したことも好材料視されている。年間配当は15円(従来予想12円)となり、前期実績の12円に対しては3円の増配となる予定だ。なお、第3四半期累計(17年4~12月)決算は、売上高146億4100万円(前年同期比26.2%増)、営業利益8億5100万円(同86.1%増)、純利益7億5400万円(同2.8倍)だった。
■KIMOTO <7908> 404円 +80 円 (+24.7%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
29日、きもと <7908> が決算を発表。18年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益が前年同期比2.8倍の7億3200万円に急拡大して着地したことが買い材料視された。主力のフィルム事業でIoT関連製品向け高付加価値品の販売が好調だったことが寄与。販管費が減少したことも大幅増益に貢献した。通期計画の6億円をすでに22.0%も上回っており、業績上振れを期待する買いが向かった。
■小野測器 <6858> 936円 +145 円 (+18.3%) 一時ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率2位
小野測器<6858>が一時ストップ高で昨年高値を更新した。午後1時45分ごろに発表した18年12月期の連結業績予想が、売上高140億円(前期比15.9%増)、営業利益9億円(同4.9倍)、純利益6億2000万円(同3.1倍)と5期ぶりに営業増益を見込んでいることが好感された。全社を挙げて受注獲得と販促活動を行ったことで、計測機器、特注試験装置およびサービスともに受注が積み上がり、期首受注残高が大幅に回復したことが売上高・利益を押し上げる見通し。また、生産効率の向上などに取り組んできたことも寄与する見込みだ。なお、17年12月期決算は、売上高120億7700万円(前の期比8.0%減)、営業利益1億8200万円(同49.4%減)、純利益1億9800万円(同16.0%減)だった。
■アール・エス・シー <4664> 700円 +100 円 (+16.7%) ストップ高 本日終値
警備事業などを手掛けるアール・エス・シー<4664>がストップ高。同社は29日取引終了後に、セコム<9735>と業務提携したと発表。提携内容は、警備業務などの相互協力や営業協力・紹介、教育・訓練機会の提供など。同社では、業務品質の向上や業務改善のほか、新たなサービスを創造することで、企業価値の継続的な発展につなげたいとしている。
■東洋機械金属 <6210> 1,123円 +150 円 (+15.4%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率3位
東洋機械金属 <6210> がストップ高に買われ、昨年来高値を更新した。29日に発表した18年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益が前年同期比27.4%増の16.5億円に伸びて着地したことが買い材料視された。旺盛な設備投資需要が追い風となり、アジアなど海外を中心に自動車関連向け射出成形機やダイカストマシンの販売が伸び、2ケタ増収を達成したことが寄与。生産効率の向上などコスト削減を進めたことも増益に貢献した。
●ストップ高銘柄
ホーブ <1382> 1,440円 +300 円 (+26.3%) ストップ高 本日終値
平和紙業 <9929> 608円 +100 円 (+19.7%) ストップ高 本日終値
オリジナル設計 <4642> 1,063円 +150 円 (+16.4%) ストップ高 本日終値
ワイエスフード <3358> 750円 +100 円 (+15.4%) ストップ高 本日終値
ニチダイ <6467> 1,137円 +150 円 (+15.2%) ストップ高 本日終値
など、10銘柄
●ストップ安銘柄
大村紙業 <3953> 2,365円 -700 円 (-22.8%) ストップ安 本日終値
以上、1銘柄
株探ニュース