狙い目ツレ安「好業績株」リストアップ、“暴落のち上昇”はコレが来る?! <株探トップ特集>
―収束気配の調整相場で要観察、上方修正でも下落の好業績株に注目―
8日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比245円49銭高の2万1890円86銭と続伸した。前場は模様眺めで方向感に乏しい推移となっていたものの、後場に入って好決算銘柄を中心に買い優勢の展開となった。そこで今回は、1月下旬からの全体相場の大幅下落局面のなか、好調な決算を発表したにも関わらず、連動安で調整を強いられている通期経常利益“上方修正銘柄”に注目した。
●小松精練、衣料ファブリック部門で海外事業が堅調
染色加工大手の小松精練 <3580> は2月1日、18年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を380億円から385億円(前期比7.3%増)へ、経常利益を22億円から26億円(同33.0%増)へ、最終利益を16億円から20億円(同39.8%増)へそれぞれ増額した。衣料ファブリック(生地や織物)部門では、海外で高感性・高機能素材の開発と市場導入を進めたことで、海外向けのファッション分野および、スポーツ分野が順調に拡大し増収となった。
●東映アニメ、3月末での1対3株の株式分割を発表
アニメ制作老舗の東映アニメーション <4816> [JQ]が1月26日、3月31日を基準日として1対3株の株式分割を実施すると発表した。同時に18年3月期の連結業績予想について、売上高を380億円から460億円(前期比12.9%増)へ、経常利益を94億円から120億円(同15.8%増)へ上方修正した。引き続き国内外で「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」をはじめとする各種アプリゲームが計画を上回って推移していることが要因としている。
●寺岡製、電機・電子用テープの販売が好調に推移
寺岡製作所 <4987> [東証2]は1月29日、18年3月期の連結業績予想について、経常利益を11億3000万円から14億円(前期比99.4%増)へ、最終利益を7億4000万円から10億5000万円(同70.5%増)へ上方修正した。電機・電子用テープの販売が好調に推移したことに加えて、原価低減活動によるコスト削減などが寄与している。また、投資有価証券売却益の発生も最終利益の押し上げに貢献した。なお、売上高は229億7000万円(同8.0%増)で据え置いている。同時に、業績予想の修正に伴い、従来5円を予定していた期末配当を1円増額して6円にすると併せて発表している。年間配当は12円(従来予想11円)となり、前期実績11円に対しては1円の増配となる予定だ。
●MARUWA、大容量高速通信網の設備投資向け部品が好調
回路・機構部品大手のMARUWA <5344> は1月30日、18年3月期の連結業績予想について、売上高を333億5000万円から380億円(前期比18.1%増)へ、経常利益を54億5000万円から89億円(同78.8%増)へ、最終利益を34億円から57億円(同2.0倍)へ上方修正した。大容量高速通信網への設備投資やクラウドサービスなどの拡大による半導体需要の増加で、関連する製品が好調に推移したことが要因という。また、収益体質強化の取り組みも奏功した。
●日金属、自動車用光モール向けなど高収益製品の比率拡大が寄与
みがき帯鋼などステンレス精密圧延・加工メーカーの日本金属 <5491> は1月31日、18年3月期の連結業績予想について、売上高を475億円から490億円(前期比11.3%増)へ、経常利益を26億円から31億円(同85.1%増)へ、最終利益を19億円から21億円(同56.4%増)へ上方修正した。自動車用光モール向け製品をはじめとする高付加価値・高収益製品の比率が拡大したことが寄与。また、生産効率改善に継続して取り組んだことによるコストダウン効果や製品価格の是正効果も収益を押し上げた。
●高田機工、手持ち工事が順調に進捗
関西地盤の中堅橋梁・鉄骨メーカー、高田機工 <5923> は1月26日、18年3月期通期の単体業績予想の上方修正を発表した。売上高を170億円から185億円(前期比18.9%増)へ、経常利益を6億8000万円から10億円(同69.8%増)へ、最終利益を6億円から9億3000万円(同90.2%増)へそれぞれ増額した。売上高は、手持ち工事が順調に進捗したことで、予想を上回る見込み。損益面では、売上高の増加に加え、第3四半期に竣工した工事の設計変更による増額が寄与し経常利益は予想を大きく上回る見込みとなった。
●カワタ、自動車関連や電子部品関連の需要堅調
プラスチック製品製造機器大手のカワタ <6292> [東証2]は1月30日、18年3月期の連結業績予想について、売上高を178億円から200億円(前期比20.1%増)へ、経常利益を7億円から10億5000万円(同2.4倍)へ、最終利益を4億2000万円から9億円(同4.3倍)へ上方修正した。日本や東アジアで引き続き自動車関連や電子部品関連の需要が堅調だったことなどが上方修正の要因という。また、業績予想の修正に伴い、従来6円を予定していた期末配当を3円増額して9円に引き上げると併せて発表した。年間配当は15円(従来予想12円)となり、前期実績の12円に対しては3円の増配となる予定だ。
●酒井重工、北米や東南アジア向け販売の好調が寄与
道路舗装機械大手の酒井重工業 <6358> は1月30日、18年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を265億円から285億円(前期比20.3%増)へ、経常利益を21億円から28億円(同80.8%増)へ、最終利益を14億円から16億5000万円(同9.1%減)へそれぞれ増額した。国内の大型ローラー排ガス規制に伴う駆け込み需要に加え、北米や東南アジア向け販売の好調が寄与する。アフリカ向けプロジェクト案件の出荷が始まったことも上振れに貢献している。
●本多通信、FA関連や車載カメラ用コネクターが好調推移
通信向け柱に車載・産業機器向けも手掛けるコネクターメーカーの本多通信工業 <6826> は1月29日、18年3月期の連結業績予想について、売上高を190億円から193億円(前期比12.2%増)へ、経常利益を18億円から20億円(同35.5%増)へ、最終利益を12億円から14億5000万円(同6.0%減)へ上方修正した。旺盛な設備投資が継続したことでFA分野が高水準で推移したことに加えて、車載カメラ用コネクターが市場拡大に伴い伸長したことが売上高・利益を牽引した。また、クラウドやIoTへのニーズを背景に情報システム分野が拡大していることも寄与する見通しだ。
●椿本興業、10期ぶりに過去最高益更新へ
機械商社中堅の椿本興業 <8052> は1月31日、18年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を930億円から950億円(前期比6.9%増)へ、経常利益を28億円から32億円(同15.2%増)へ、最終利益を18億1000万円から21億円(同3.4%減)へそれぞれ増額した。国内で重工業向けのパワトラ(パワートランスミッション)部品や、液晶画面製造装置などの販売が伸びたことが寄与している。業績好調に伴い、10期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。併せて、設立80周年記念株主優待を実施すると発表した。3月末時点で100株以上を保有する株主を対象に一律でクオカード3000円分を贈呈する。
◆主な通期経常利益上方修正・大幅増益予想銘柄◆
銘柄 <コード> 修正前 修正後 増益率 PER 株価
プラマテルズ <2714> [JQ] 940 1030 31.5 11.3 889
バッファロー <3352> [JQ] 270 310 31.4 11.5 1093
小松精錬 <3580> 2200 2600 33.0 19.2 895
信越化 <4063> 280000 335000 38.4 22.2 1万1805
東映アニメ <4816> [JQ] 9400 12000 15.8 15.9 9660
寺岡製 <4987> [東証2] 1130 1400 99.4 20.5 848
MARUWA <5344> 5450 8900 78.8 19.0 8770
愛知鋼 <5482> 9500 11000 60.3 12.4 4730
日金属 <5491> 2600 3100 85.1 9.1 2869
東特線 <5807> 2090 2530 21.1 11.7 3155
高田機工 <5923> 680 1000 69.8 9.8 4145
カワタ <6292> [東証2] 700 1050 2.4倍 15.8 2007
酒井重 <6358> 2100 2800 80.8 11.6 4515
JVCケンウッド <6632> 4400 5000 38.3 19.7 355
航空電子 <6807> 15450 17000 85.7 12.3 1626
アルパイン <6816> 8300 10200 37.1 26.1 2268
本多通信 <6826> 1800 2000 35.5 19.9 1206
新家工 <7305> 1700 2300 26.8 9.5 2583
椿本興 <8052> 2800 3200 15.2 9.4 3145
神鋼商 <8075> 5800 8400 60.1 6.6 3705
新光商 <8141> 3000 3500 63.6 18.4 1926
Jパワー <9513> 81000 105000 56.4 7.1 2847
※株価は8日終値、単位:100万円、%、倍、円
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