【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 「逆張り+見直し」買いで浮上する収益向上株
「『逆張り+見直し』買いで浮上する収益向上株」
●想定通りに“真の底”を確認
私が前回当欄で書いたことをご記憶だろうか。もうお忘れかもしれないので、一部再録させていただきたい。
次のように書いた。
「東京市場は現在、底値確認の下げの真っ最中だ。底値確認の下げとは、直近の下げが真の底であったかを試すための下げのことだ。
市場が急落して急反発した場合、多くの場合、真の底を試す下落が見られる。今回も同様にそれが繰り返されていることになり、具体的には2月14日につけた2万0950円が今年の一番底になるかどうかが、いまから試されるところだ。
この原稿を書いている時点では2万1088円まで下げており、あともう少しといった状況。2万0950円を週明けに割り込んでもおかしくはない。
その場合、今年の一番底は2月14日ではなく、週明けということになるが、そこからさらに大きく下げてしまう確率は低い。」
そして、実際の展開はどうなった。原稿通りの展開になっていると言ってよいのではないだろうか。
しかも、注目していただきたいのは、注目銘柄に挙げたメドピア <6095> [東証M]の急騰。同社株のような急騰にはならなかったものの、売り込まれていた伊藤園 <2593> でさえ堅調に上昇している。
このような現象が起きるのは、もちろん市場が大きく売り込まれてしまい、収益向上・好転銘柄も急落して本来の価値以下の評価となったため、「逆張り+見直し」の買いが入ったことによる。
●目まぐるしく変転し続ける“トランプ劇場”
もちろん、それらはこのまま上昇を続けるわけではない。しかし、トランプ大統領が打ち出した鉄鋼・アルミに対する輸入規制案には「裏口(?)」があり、同盟国は規制の対象にならないか、なっても緩やかな制約にとどまる可能性が出てきている。
しかも、北朝鮮との首脳会談も実現する方向だというのだから、正直驚きだ。まさに世界中がトランプ大統領の一挙手一投足に注目する格好になっており、ここは改めて次々と演し物が変わる「トランプ劇場」と腹をくくって付き合い続けるほかはない。
そして、それが正解でもあるため、次のような銘柄に投資しておきたい。
まずはシミックホールディングス <2309> だ。この会社は医薬品の開発から製造、販売などの業務を支援するビジネスを展開している。
特に強いのがCRO(医薬品開発支援)。医薬品業界は、主力薬品が次々と特許切れとなるため、新薬の開発に血眼になっているのが実際だ。そのため、シミックは現在繁忙状態にあり、株も期待が持てる。
全国あちこちでセミナーがあるが、自分が出演する前後に他の部屋の前を通り掛かると、必ずといってよいほど目につくのが不動産関係のセミナーだ。
不動産投資ブームはなおも続いているため、アパート経営情報に強いインベスターズクラウド <1435> に注目したい。運営しているサイト「TATERU」には130万件超の土地情報が掲載されているため、利用者が多く、この会社の収益も増加を続けている。株もなお上昇余地ありと見る。
株式市場は、前期までは苦境が続いたが、今来期は光が見える、そんな企業に温かいので三陽商会 <8011> だ。バーバリーを扱えなくなったことで経営が傾きかけたが、いまは何とか危機を乗り切りつつある。株価はすでにそれを好感して浮上中であり、さらなる高値が見込める。
新興銘柄ではマザーズのピクスタ <3416> [東証M]が魅力的だ。ネット上で写真・イラストなどデジタル材料を販売する会社で、広告業界、出版業界などは大量の写真、イラストといった素材を必要とするため、この会社には継続的に注文が入り続けている。株価の動きはやや粗いものの、先高確率が高い。
最後に神戸製鋼所 <5406> を。不適切品出荷による経営不振が続いているが、このほど川崎博也会長兼社長が引責辞任、後任として機械部門を担当する山口貢副社長を社長に昇格させる人事を固めた。すぐの蘇生は無理に決まっているが、中長期投資の観点からは株は拾いどころになる。
2018年3月9日 記
株探ニュース