利益成長“青天井”銘柄リスト【番外編】 31社選出 <成長株特集>
3月8日から3回にわたって配信した「利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】」では、17年10-12月期の経常利益が全四半期ベースで過去最高益を5%以上、上振れて更新した銘柄を対象にお届けしました。本特集では、これまでの対象からは外れたものの、17年10-12月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ通期計画も最高益を見込む、いわゆる利益成長が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップしてみた。
下表では、時価総額100億円以上3000億円未満の銘柄を対象に、本決算月にかかわらず、直近3ヵ月実績の10-12月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を“5%未満”ながら上回って更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している31社を選び出し、10-12月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップはベントナイト最大手のクニミネ工業 <5388> 。ベントナイトは鋳物や土木建築、化成品などさまざまな産業分野で利用される汎用性の高い粘土鉱物。10-12月期(第3四半期)は商用車をはじめとする自動車向けや利益率の高い農薬分野などの販売が拡大し、経常利益は四半期ベースの過去最高益を4.6%上回る7.3億円で着地。決算後に発表された東証1部への昇格や配当増額も好感され、株価は2月26日に21年8ヵ月ぶりの高値圏に浮上した。その後調整局面入りしたが、16日は大幅高に買われ再び上値を試す展開が期待される。期末配当利回りは3.3%と高水準で、権利確定日の27日を前に配当取りを狙う買いも入りそうだ。
2位は温度センサー部品のサーミスタで世界トップシェアを誇る芝浦電子 <6957> [JQ]。10-12月期は主力の自動車用や空調用センサーの需要が拡大し、2四半期連続の過去最高益を達成した。世界規模で高まる環境ニーズを追い風に今後も持続的な成長が期待される。3位のスターゼン <8043> は輸入牛肉の販売が大きく伸びたほか、加工食品もハンバーグやローストビーフを中心に好調だった。4-12月期経常利益は通期計画68億円に対して進捗率が92.8%に達しており、業績上振れが確実とみられる。
4位にランクインしたのは3次元CADを活用した機械設計やシステム開発の請負・派遣業務を手掛けるアビスト <6087> 。自動車用ランプや内装、ボディー設計に強みを持ち、取引先はトヨタ自動車 <7203> を筆頭に自動車関連メーカーが上位を占める。10-12月期(第1四半期)は自動車業界の旺盛な技術者ニーズを背景に、利益率の高い請負業務が伸びたほか、技術者派遣も好調が続いた。18年9月期の経常利益は前期比14.4%増の17億円と8期連続の最高益更新を見込む。
6位の美容室専用の頭髪用化粧品メーカー、コタ <4923> は利益率の高いシャンプーやトリートメントなどの販売が増加し、4四半期ぶりに過去最高益を更新した。続く7位のアドバンテッジリスクマネジメント <8769> [東証2]は改正労働安全衛生法に基づく第2回目のストレスチェックに向けて新規顧客開拓を進め、ストレスチェック義務化対応商品「アドバンテッジタフネスシリーズ」の販売が大きく伸びた。
15位のインフォメーション・ディベロプメント <4709> は金融向けシステム運営管理や公共・運輸向けソフト開発の売上が拡大し、43四半期ぶりの過去最高益と大復活を果たした。12日には1月に買収したフェスの業績上積みなどを踏まえ、18年3月期の経常利益予想を10年ぶりの過去最高益に上方修正した。これがポジティブサプライズとなり、株価は15日に上場来高値を更新している。
●“青天井”シリーズ ─────
も併せてご覧ください。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 10-12月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<5388> クニミネ 4.6 730 698 8.1 1862 1723 12.8
<6957> 芝浦電子 4.2 899 863 21.8 3000 2463 19.0
<8043> スターゼン 4.2 2630 2524 3.0 6800 6599 10.9
<6087> アビスト 4.1 452 434 14.4 1707 1492 16.7
<2152> 幼児活動研 3.6 314 303 3.2 1050 1017 15.5
<4923> COTA 3.4 870 841 3.3 1274 1233 32.8
<8769> ARM 3.3 278 269 30.2 820 630 43.6
<7419> ノジマ 3.3 5560 5383 13.1 17500 15479 11.9
<9769> 学究社 3.2 1169 1133 15.7 1750 1512 17.0
<4674> クレスコ 2.9 996 968 6.6 3280 3078 17.0
<9902> 日伝 2.9 1874 1822 5.7 6275 5939 16.6
<9058> トランコム 2.9 2001 1944 3.6 6200 5983 17.6
<7417> 南陽 2.8 775 754 18.8 2450 2062 9.7
<9057> 遠州トラック 2.7 415 404 20.4 1480 1229 9.2
<4709> ID 2.7 454 442 5.0 1250 1191 27.7
<3932> アカツキ 2.6 2839 2768 117 10000 4601 16.0
<4555> 沢井製薬 2.5 7864 7669 1.2 23300 23025 16.2
<7236> ティラド 2.0 1997 1957 28.0 6400 4999 11.0
<3199> 綿半HD 1.9 917 900 5.8 2109 1994 33.0
<6197> ソラスト 1.7 1036 1019 10.7 4015 3626 32.8
<3445> RSテクノ 1.4 972 959 20.9 3897 3223 32.1
<3950> ザ・パック 1.3 2935 2898 1.5 7700 7589 14.4
<7467> 萩原電気 1.2 1064 1051 11.3 3400 3055 12.2
<8159> 立花エレ 1.1 1795 1775 8.0 6200 5740 13.1
<4043> トクヤマ 1.1 10780 10664 0.0 34000 33998 15.1
<6027> 弁護士COM 0.7 140 139 22.2 500 409 162
<9422> コネクシオ 0.6 3179 3160 0.5 10100 10046 15.6
<3916> DIT 0.5 214 213 13.1 725 641 46.9
<4206> アイカ 0.5 5420 5392 5.6 19400 18374 22.0
<3837> アドソル日進 0.4 245 244 4.0 808 777 25.5
<3844> コムチュア 0.3 607 605 10.2 1700 1542 44.5
※ 2016年10月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース