今週の【早わかり株式市況】 5ヵ月ぶり3週続伸、米中貿易摩擦とシリア情勢への懸念和らぐ
今週の株式市場は、米中貿易摩擦とシリア情勢への懸念が和らぎ、日経平均株価は5ヵ月ぶりに3週続伸した。
週初の9日は前週末の米株急落で朝方こそ売り先行したものの、その後は新年度入りに伴う機関投資家の組み入れ需要で買い優勢に転じ、日経平均は反発した。
翌10日は朝安後すぐに切り返し、中国の習近平国家主席による「輸入関税の引き下げ」発言が伝わると主力輸出株が買い戻され一段高となり、日経平均は続伸した。11日はシリアで軍事的緊張が高まったことが嫌気され3日ぶりに反落した。12日も米国によるシリアへの軍事行動への懸念が重荷となり小幅に続落した。
週末の13日はシリアを巡る軍事的緊張が和らいだうえ、為替市場で円安が進んだことを受けてリスクを取る動きが再燃し、日経平均は3日ぶりに反発した。10日に続き、2万1900円台に乗せると売りに押され伸び悩んだ。
日経平均株価は、前週比211円(0.98%)高の2万1778円と3週続伸して取引を終えた。3週続伸は昨年11月2週以来、5ヵ月ぶり。週間の値幅は416円と、前週の686円から縮小した。
来週は、心理的な節目と意識される2万2000円大台を巡る攻防となりそうだ。
重要イベントとしては、国内では18日朝に発表される3月貿易統計や20日朝に発表される3月全国消費者物価指数が注目される。海外では17日に発表される中国の1-3月期GDPと3月鉱工業生産や、同日発表の米国3月鉱工業生産指数に注視が必要だろう。そのほか、安倍晋三首相が訪米し、17日-18日に日米首脳会談が行われる。
◆マーケット・トレンド(4月9日~13日)
【↑】 4月 9日(月)―― 反発、米株急落も機関投資家の組み入れで買い優勢
日経平均 21678.26( +110.74) 売買高13億9023万株 売買代金 2兆2652億円
【↑】 4月10日(火)―― 続伸、朝安後切り返し、習近平発言で一段高
日経平均 21794.32( +116.06) 売買高14億6866万株 売買代金 2兆7034億円
【↓】 4月11日(水)―― 3日ぶり反落、シリア情勢を嫌気して売り優勢
日経平均 21687.10( -107.22) 売買高15億3320万株 売買代金 2兆5586億円
【↓】 4月12日(木)―― 小幅続落、シリア情勢を横目に買い控え
日経平均 21660.28( -26.82) 売買高13億1062万株 売買代金 2兆1030億円
【↑】 4月13日(金)―― 3日ぶり反発、シリア懸念後退や円安でリスク選好再燃
日経平均 21778.74( +118.46) 売買高15億2766万株 売買代金 2兆4390億円
◆セクター・トレンド(4月9日~13日)
(1)郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運株が急反発、業種別上昇率トップ
(2)国際石開帝石 <1605> など鉱業、JXTG <5020> など石油株は大幅高
(3)野村 <8604> など証券、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株が買われた
(4)新日鉄住金 <5401> など鉄鋼、住友鉱 <5713> など非鉄株は買い戻された
(5)コマツ <6301> など機械、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株は総じて堅調
(6)リクルート <6098> などサービス、高島屋 <8233> など小売りといった内需株は反落
(7)アステラス <4503> 、小野薬 <4528> など医薬株が業種別下落率トップ
株探ニュース