決算先取り、19年3月期“大幅増益”期待リスト〔第2弾〕 <成長株特集>

特集
2018年4月15日 19時30分

時価総額500億円以上の銘柄を対象とした「決算先取り、19年3月期“大幅増益”期待リスト〔第1弾〕」(4月12日配信)に続き、時価総額500億円未満の銘柄を対象とする第2弾をお届けします。本特集では、今月下旬から本格化する3月期決算企業の本決算発表を前に、19年3月期に大幅増益が期待される銘柄を探ってみた(4月13日現在)。

下表では、時価総額500億円未満(50億円以上)の銘柄を対象に、(1)18年3月期に2期以上連続で「5%増収・10%経常増益」を見込む、(2)直近3ヵ月の17年10-12月期に売上高と経常利益が連続で前年同期を上回って着地、といった条件を満たした21社を選び出し、18年3月期の増益率が高い順に記した。通期に連続2ケタ増益を見込み、四半期ベースでも増収増益が続く企業は今後も安定成長する可能性が高いとみられ、次期も好業績が期待できる有力候補として注目していいだろう。

増益率トップは電解コンデンサー用セパレーターで世界シェア6割を誇るニッポン高度紙工業 <3891> [JQ]。セパレーターはコンデンサーの正極と負極を仕切って電気の流れを制御するもので、エレクトロニクス製品に必要不可欠な部材である。18年3月期は車載用や産業機器、エアコン用インバーター向けにコンデンサー用セパレーターの販売が大きく伸び、経常利益は前期比4.4倍の15億円に拡大する見通しだ。同社はリチウムイオン電池用セパレーターも製造しており、EV(電気自動車)関連として中長期的な活躍期待も強い。

2位は口コミを利用した女性向けマーケティング支援を展開するトレンダーズ <6069> [東証M]。写真共有アプリ「インスタグラム」などで多くのフォロワー数を持つ“インフルエンサー”を活用したマーケティングに強みを持つ。18年3月期はSNSマーケティングや自社メディアの記事タイアップ広告が好調なうえ、事業の選択と集中や生産性向上による採算改善も寄与し、経常利益は前期比80.9%増の3.6億円に拡大を見込む。19年3月期は13年3月期に記録した過去最高益(3.9億円)の更新が確実とみられる。

3位のティラド <7236> は主力の自動車用熱交換器が米国や中国、アジア向けに販売が好調に推移している。2月には18年3月期業績予想の上方修正に踏み切っており、19年3月期もこの勢いが続くことが期待される。4位のソネット・メディア・ネットワークス <6185> [東証M]はAI(人工知能)を搭載した広告配信最適化プラットフォームが業績を牽引。1月には動画広告に対応した「Logicad Video Ads」の提供を開始しており、アドテクノロジー事業のさらなる成長が期待される。

6位のシグマクシス <6088> は四半期ベースの過去最高益を2四半期連続で更新、通期でも過去最高益を見込んでおり、業績は絶好調だ。主力のコンサルティングサービスの受注が増加基調にあるほか、外注の内製化による採算改善も利益を押し上げる。同社はAI導入支援やAIを活用して書類入力を完全自動化するサービスを手掛けており、AI関連としても注目を集める。株価は値動きが荒い全般相場に逆行し、上値指向を続けている。

9位のイハラサイエンス <5999> [JQ]の株価も強調展開となっている。13日は利益確定売りに押されたが前日まで連日で上場来高値を更新していた。同社もシグマクシスと同じく直近四半期に過去最高を更新、通期も最高益を見込む、いわゆる利益成長“青天井”銘柄である。半導体・液晶製造装置関連の旺盛な設備投資需要を背景に、継ぎ手やクリーンバルブの受注が大きく伸びている。株価上昇局面にもかかわらず、指標面では予想PER10.8倍と割安感が強く、高成長・バリュー株としてマークしておきたい。

また、7位の内外テック <3374> [JQ]も世界的な半導体需要拡大の恩恵を享受している。足元では主要顧客の東京エレクトロン <8035> 向けを中心に半導体製造装置部品の受注拡大が続く。今後は利益率の高い受託製造事業の設備投資に注力し、20年3月期をメドに販売事業と同規模までセグメント利益を高める構えだ。

  ┌ 経常利益 ┐   ┌ 売上高 ┐   増収増益 予想

コード 銘柄名    増益率 18年3月期 増収率 18年3月期 連続期数  PER

<3891> 高度紙      336   1500  11.3   16800    2  25.9

<6069> トレンダ    80.9    360  15.6   2150    2  42.6

<7236> ティラド    80.6   6400  16.1  124900    2  10.5

<6185> ソネットMN  60.5    520  29.3   9000    4  36.5

<3179> シュッピン   40.1   1510  23.1   30770    2  28.2

<6088> シグマクシス  37.9   1000  10.5   11850    2  68.4

<3374> 内外テック   33.1   1130  23.0   25730    4  14.0

<3925> ダブスタ    32.1    539  43.0   1950    4  73.8

<5999> イハラサイエ  31.5   3300  18.2   16000    3  10.8

<8137> サンワテク   30.6   4200  23.9  144500    2  7.7

<4345> CTS     27.4   1440  16.7   8500    2  32.6

<7637> 白銅      27.3   2600  20.4   41700    2  13.6

<3465> ケイアイ不   25.9   5030  30.5   66900    3  11.2

<6027> 弁護士COM  22.2    500  35.2   2240    4  134

<9377> AGP     16.6   1320   6.6   13100    2  17.9

<6188> 富士ソSB   16.2    330  13.5   9700    2  25.7

<6294> オカアイヨン  14.5   1250  16.7   15300    2  19.0

<5742> NIC     13.8    948  13.0   9142    2  14.3

<6089> ウィルG    13.6   2250  23.8   75000    7  26.7

<2393> ケアサプライ  13.4   1850   7.9   16200    3  16.0

<8844> コスモスイニ  12.0   3900   6.1   98000    3  7.8

※売上高、経常利益の単位は百万円。増益率、増収率は前年同期に比べた増加率、単位は%。増収増益連続期数は「5%増収・10%増益」の連続回数。

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