最高益【大復活】銘柄リスト 30社選出 <成長株特集>

特集
2018年5月31日 19時45分

本特集では、19年3月期に経常利益が数年ぶりに最高益更新を見込む“大復活銘柄”にスポットライトを当ててみた(5月31日現在)。最高益更新の間隔期数が多い銘柄は、競争激化や製品・サービスの需要低迷などにより利益成長が停滞していたといえる。再び最高益を奪還することは、新製品の開発や構造改革などの企業努力により利益成長が復活したことを示す。

下表では、時価総額が100億円以上の3月期決算企業(金融を除く)を対象に、19年3月期の経常利益が“5期以上”ぶりに過去最高益を更新する見通しを示している30社を選び出し、「増益率が大きい」→「最高益更新の間隔期数が多い」順に記した。

増益率トップとなったのは炭素製品大手のSECカーボン <5304> [東証2]。19年3月期の経常利益は前期比7.3倍の84億円と、08年3月期に記録した過去最高益62.8億円を11期ぶりに塗り替える見通しだ。今期は世界的な電極需給の逼迫を追い風に、黒鉛電極の販売数量が増加するうえ、販売価格も上昇し、人造黒鉛電極事業の売上高が前期の64億円から181億円に跳ね上がる計画である。好業績を背景に株価は07年12月以来の高値圏を快走する展開が続くが、指標面では予想PER8.9倍(5月31日現在)と割安感が強く、さらなる上値も期待できそうだ。

2位は首都圏で進学指導塾を展開する早稲田アカデミー <4718> 。塾生数は小学部低学年の伸びが顕著で、新規出校を抑制する中でも増え続けている。19年3月期は小学部の塾生数が前期比2ケタ増を見込むほか、千葉県の進学塾「クオード」を運営する集学舎の買収効果なども寄与し、経常利益は前期比52.3%増の16.8億円に伸び、12期ぶり最高益と大復活を遂げる計画だ。株価は上場来高値を記録した07年2月以来、約11年3ヵ月ぶりの高値水準で推移している。

3位に入ったトレンダーズ <6069> [東証M]は企業のプロモーションやPR支援を主力とし、インスタグラムやツイッターなどのSNSで影響力を持つ“インフルエンサー”を活用したマーケティングを強みとしている。今期はマーケティング事業の成長が継続するうえ、記念日やお祝いなどにプレゼントを贈るギフトECサービスの事業拡大を見込む。また、5月に買収した美容動画メディアを運営するMimiTV社の業績も上積みされる。

5位の段ボール最大手レンゴー <3941> はインターネット通販向けを中心に段ボール需要が拡大するなか、昨年から進めている値上げが浸透し、19年3月期の経常利益は前期比38.1%増の320億円に伸びる見通しだ。株価は5月30日に1022円まで上昇し、1990年以来、実に28年ぶりの高値をつけた。6位の王子ホールディングス <3861> も段ボールなど紙製品の値上げ効果が業績を押し上げる。また、上昇基調が続くパルプ市況も海外でパルプを生産する同社に大きな追い風となる。19年3月期は経常利益の過去最高益を14期ぶりに奪還する計画である。

9位のヤマシンフィルタ <6240> はインフラ投資が活発な中国を中心とする建設機械の需要拡大を背景に、建機用フィルターが新車用、交換用ともに販売が伸び、19年3月期の経常利益は8期ぶりの最高益を見込む。続く10位に入ったアイティフォー <4743> は金融機関向けソリューションを主力とする独立系ソフト開発会社。前期は個人ローン業務支援システムが好調だったほか、戦略商品のRPA(ロボットによる業務自動化)では総務省などから新規受注を獲得した。今期も金融機関を中心とした旺盛なIT開発需要を取り込み、経常利益ベースで5期ぶりの最高益更新を狙う。

※19年3月期に連続で経常最高益を見込む銘柄にスポットライトを当てた「絶好調の19年3月期【連続最高益】更新リスト」(第1弾 5月24日配信第2弾 5月27日配信第3弾 5月29日配信)も併せてご覧ください。

┌─── 経常利益 ───┐  最高益  予想

コード 銘柄名    増益率 19年3月期 18年3月期 間隔期数  PER

<5304> SECカーボ   627   8400   1155    11  8.9

<4718> 早稲アカ    52.3   1686   1107    12  16.6

<6069> トレンダ    48.6    550    370    6  36.5

<2899> 永谷園HD   44.5   4600   3184    7  19.6

<3941> レンゴー    38.1   32000   23168    9  11.4

<3861> 王子HD    36.5   90000   65958    14  14.1

<5994> ファインシン  35.0   2150   1593    8  8.8

<7460> ヤギ      28.5   4000   3114    7  8.2

<6240> ヤマシン―F  28.3   2340   1824    8  53.5

<4743> ITFOR   27.7   2050   1605    5  25.4

<3526> 芦森工     23.3   2400   1946    11  10.3

<3096> オーシャンシ  21.5   1200    988    11  16.2

<7966> リンテック   19.6   22000   18389    8  14.2

<3166> OCHIHD  15.3   2380   2065    5  12.6

<4275> カーリットH  14.9   2500   2176    11  17.5

<6407> CKD     12.3   14000   12469    12  14.3

<6498> キッツ     12.0   10900   9733    12  13.3

<9932> 杉本商     11.8   3235   2894    12  10.4

<7951> ヤマハ     11.7   55000   49233    15  25.8

<6768> タムラ     11.3   6100   5480    18  13.9

<7550> ゼンショHD  10.6   19522   17656    7  46.0

<5947> リンナイ     8.8   37300   34286    5  23.2

<5803> フジクラ     8.4   37000   34122    13  9.2

<6928> エノモト     6.2   1700   1601    18  7.7

<3401> 帝人       4.7   71000   67820    13  8.9

<1942> 関電工      4.2   31300   30031    25  12.0

<4662> フォーカス    4.0   1060   1019    18  18.6

<4901> 富士フイルム   3.6  205000  197807    18  13.8

<5021> コスモHD    3.6  121000  116850    13  5.5

<4299> ハイマクス    2.3   1005    982    16  12.8

※経常利益の単位は百万円。

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