今週の【早わかり株式市況】 2週続伸・一時2万3000円回復、急速なドル高・円安が追い風
今週の株式市場は、急速なドル高・円安を追い風に日経平均株価は2週続伸、一時2万3000円大台を回復する場面もあった。
週初の11日は取引時間中に為替市場で円安が進んだことで買い優勢の展開となり、日経平均は反発した。トランプ米政権との対立が鮮明となったG7サミットの影響は限定的だった。
翌12日は円安進行が追い風となる中、海外勢の買いも入り日経平均は寄り付き直後に一時2万3000円大台を回復。その後は米朝首脳会談を横にらみに乱高下したものの、プラス圏で着地した。13日は米朝首脳会談が無難に通過したうえ、円安がさらに進んだことでリスク選好の流れが続き3日続伸した。ただ、日経平均2万3000円近辺では戻り売り圧力が強く、伸び悩んだ。14日は米利上げペース加速が強まったFOMCを受けた米株安や為替が円高方向に振れたことを受け、日経平均は4日ぶりに反落した。
週末の15日はECB理事会の方針を受けた欧州株高や米ナスダック指数の最高値更新に加え、為替市場でドル高・円安が急速に進んだことが好感され終始買い優勢の展開となり、日経平均は反発した。東証1部の売買代金は活況の目安とされる3兆円を約2週間ぶりに上回った。
日経平均株価は、前週比157円高の2万2851円と2週続伸して取引を終えた。一時2万3000円大台を回復したものの、その後は戻り売り圧力で伸び悩んだ。週間の値幅は344円と、前週の523円から縮小した。
目白押しだった重要イベントを通過した来週は2万3000円大台を巡る攻防となりそうだ。円安がさらに進めば大台超えが期待できそうだ。ただ、米中貿易摩擦が顕在化しており、週初は軟調な展開が想定される。
重要イベントとしては、国内では18日朝に発表される5月貿易収支や22日朝に発表される5月全国消費者物価指数が注目される。海外では19日発表の米国5月住宅着工件数や22日に開催されるOPEC定例総会に注視が必要だろう。
◆マーケット・トレンド(6月11日~15日)
【↑】 6月11日(月)―― 反発、商い低調も円安を好感し一段高
日経平均 22804.04( +109.54) 売買高11億3204万株 売買代金 1兆9134億円
【↑】 6月12日(火)―― 続伸、米朝会談を横にらみに一時2万3000円回復
日経平均 22878.35( +74.31) 売買高12億3809万株 売買代金 2兆3089億円
【↑】 6月13日(水)―― 3日続伸、円安背景にリスク選好の流れが継続
日経平均 22966.38( +88.03) 売買高11億9857万株 売買代金 2兆2489億円
【↓】 6月14日(木)―― 4日ぶり反落、米株安と円高を嫌気し安値引け
日経平均 22738.61( -227.77) 売買高14億9745万株 売買代金 2兆4018億円
【↑】 6月15日(金)―― 反発、欧州株高やナスダック最高値でリスク選好の買い
日経平均 22851.75( +113.14) 売買高16億8394万株 売買代金 3兆0791億円
◆セクター・トレンド(6月11日~15日)
(1)JXTG <5020> など石油株が大幅高で業種別上昇率トップ
(2)楽天 <4755> などサービス、スタートトゥ <3092> など小売りといった内需株が買われた
(3)小野薬 <4528> など医薬、伊藤園 <2593> など食品といったデフェンシブ株も高い
(4)コマツ <6301> など機械、ローム <6963> など電機といった輸出株は総じてさえない
(5)三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命HD <8750> など保険株は低調
(6)王子HD <3861> などパルプ・紙、信越化 <4063> など化学といった素材株は軟調
(7)任天堂 <7974> の急落でその他製品が業種別下落率トップ
株探ニュース