檜和田浩昭氏【強弱感が対立、リスクオン相場復活の条件は?】(2) <相場観特集>
―重要イベント波乱なく通過も、盛り上がらない買い意欲―
週明け18日の東京株式市場は終始売り優勢の展開となり、日経平均株価は反落。6月初旬に急速な戻り足でザラ場2万3000円大台乗せを果たす場面もあったが、前週後半から“一進二退”で足もとは2万2600円台まで水準を切り下げている。重要イベントを波乱なく通過したとはいえ、簡単にリスクオンとはいかないのが相場の難しいところ。第一線で活躍する市場関係者の目に今の相場の風景はどう映っているのか、意見を聞いた。
●「日経平均は2万3000円台固めから上値を目指す展開に」
檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)
きょうの東京株式相場は、米中貿易摩擦が激化することへの懸念や、寄り付き前に最大震度6弱という地震が関西地方で発生したこともあり、投資家の不安心理が表面化し日経平均は反落となった。ただ、ある程度落ち着きを取り戻せば全般相場の地合いの良さを評価したジリ高歩調に復帰することになりそうだ。
あす19日に、東証マザーズ市場に新規上場するメルカリ <4385> [東証M]への投資家の関心は極めて高いようだ。フリーマーケットアプリで抜群の知名度を持ち、海外投資家からの株式購入希望も根強いという。メルカリ人気の高さがきっかけとなって、その後の新規上場銘柄を含めて新興市場全般が見直される可能性もある。6月中の相場はメルカリやその後のIPO銘柄が牽引役となって、中小型株の個別銘柄物色の色彩が強まりそうだ。
7月に入ると、日本の3月期決算企業の第1四半期(4-6月)決算や、米国企業の第2四半期累計(1-6月)決算の輪郭が明らかになるに連れ、企業業績に目を向けながらの物色姿勢が鮮明となってくる。足もとの1ドル=110円台の円ドル相場の推移を考慮すれば、自動車、電子部品、精密機械といった、輸出関連の主力銘柄がメインの物色対象となりそうだ。また、内需系セクターでは、夫婦共働き世帯や一人暮らし高齢者の増加に伴って、今後中期的に需要が増加する中食市場関連の銘柄に注目している。
現状の日経平均は、25日移動平均線近辺の位置にあるが、今後1ヵ月程度先までのレンジでは、下値を2万2500円程度とみている。上値は、2万3000円台固めから、2月上旬の急落場面で開いた2万3100円水準の窓を埋めてくれば、1月23日の年初来高値2万4129円を目指す可能性も出てくる。
(聞き手・冨田康夫)
<プロフィール>(ひわだ・ひろあき)
1990年東洋証券入社、府中・横浜・福山支店で個人のリテール営業を経験。2002年情報部を経て11年2月からアジア部ストラテジストとして日本株と中国株を中心に相場分析を担当。その後、投資調査部次長を経て2015年11月から現職。日本FP協会正会員(CFP)。日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)。株式講演会講師、新聞取材など多数。
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