今週の【早わかり株式市況】 3週ぶり反落、米中貿易摩擦激化を警戒
今週の株式市場は、米中貿易摩擦激化を警戒する売りに押され、日経平均株価は3週ぶりに反落した。
週初の18日は米中貿易摩擦への警戒感が強まったことでリスク回避の売りが優勢となり、日経平均は反落した。前週末にトランプ米大統領が中国製品への500億ドル分の追加関税を課すことを発表、これに中国側も同額の報復関税を課すと発表した。
翌19日は前日にトランプ大統領がさらなる追加関税の検討を示唆し米中貿易摩擦激化への懸念が深まったことを受け、リスク回避の売りが膨らみ日経平均は大幅に続落した。為替市場で円高が進んだことも下げ幅を加速させた。20日は前日の米株安で朝方は下値を探る展開だったものの、為替がドル高・円安方向に振れたうえ、中国などアジア株の強調展開で買い優勢に転じ、3日ぶりに大幅反発した。21日は前日の米ナスダック指数最高値や円安進行を追い風に日経平均寄与度の高い値がさ株が買われ、日経平均は続伸。ただ、TOPIXはマイナス圏で着地した。
週末の22日は前日の米株安や為替が円高方向に振れたことで再びリスク回避の売りが優勢となり、日経平均は3日ぶりに反落した。米中貿易摩擦激化による米景気への懸念も相場の重しとなった。
日経平均株価は、前週比334円(1.47%)安の2万2516円と3週ぶりに反落して取引を終えた。相場への強弱対立を映し25日移動平均線を挟む展開に終始した。
来週は米中貿易摩擦激化に加え、その影響による米景気への懸念も浮上しつつあり、先行き不透明感から神経質な展開になりそうだ。また、前週に現物と先物の合計で約5000億円を買い越し、今週も日経平均先物への買いが続いたとみられる海外投資家の動向次第では相場が振れる可能性がある。
重要イベントとしては、国内では28日に集中する3月期決算企業の株主総会や29日朝に発表される5月鉱工業生産が注目される。海外では28日-29日に開催されるEU首脳会議や30日発表の中国6月製造業PMIに注視が必要だろう。
◆マーケット・トレンド(6月18日~22日)
【↓】 6月18日(月)―― 反落、米中貿易摩擦の懸念からリスク回避の売り優勢
日経平均 22680.33( -171.42) 売買高13億5288万株 売買代金 2兆2568億円
【↓】 6月19日(火)―― 大幅続落、米中貿易摩擦懸念や円高で下げ幅400円強
日経平均 22278.48( -401.85) 売買高14億9463万株 売買代金 2兆6675億円
【↑】 6月20日(水)―― 3日ぶり大幅反発、アジア株高や円安を追い風に切り返す
日経平均 22555.43( +276.95) 売買高15億9054万株 売買代金 2兆7347億円
【↑】 6月21日(木)―― 続伸、円安などを追い風に値がさ株が買われる
日経平均 22693.04( +137.61) 売買高14億0251万株 売買代金 2兆5002億円
【↓】 6月22日(金)―― 3日ぶり反落、米株安や円高で売り優勢も後場下げ渋り
日経平均 22516.83( -176.21) 売買高15億9404万株 売買代金 2兆6688億円
◆セクター・トレンド(6月18日~22日)
(1)郵船 <9101> など海運、三菱マ <5711> など非鉄、神戸鋼 <5406> など鉄鋼といった景気敏感株が大きく売られた
(2)三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命HD <8750> など保険といった金融株も大幅安
(3)トヨタ <7203> など自動車、パナソニック <6752> など電機といった輸出株も安い
(4)セブン&アイ <3382> など小売り、大和ハウス <1925> など建設といった内需株もさえない
(5)第一三共 <4568> など医薬、ソフトバンク <9984> など通信といったディフェンシブ株の一角は値を保つ
株探ニュース