話題株ピックアップ【夕刊】(1):日エスコン、Gunosy、ニプロ
■日本エスコン <8892> 750円 +100 円 (+15.4%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率3位
日本エスコン <8892> がストップ高。6月29日大引け後、18年12月期の連結経常利益を従来予想の87億円→102億円に17.2%上方修正。増益率が45.3%増→70.3%増に拡大し、従来の11期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。不動産販売事業が好調に推移する中、採算が想定より上向くことが上振れの要因となる。業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の20円→26円(前期は18円)に大幅増額修正したことも好感された。前営業日ベースの予想PERが7.4倍→6.3倍に低下する一方、配当利回りは4.0%に上昇し、割安感が強まったことも買いに拍車を掛けた。
■シェアテク <3989> 5,190円 +395 円 (+8.2%) 本日終値
シェアリングテクノロジー<3989>が4連騰で上場来高値を更新。6月29日の取引終了後、6月11日に発行した第7回新株予約権について、割当先である大和証券に対して行使を禁止する旨を通知したと発表しており、これを好材料視した買いが入ったようだ。今回の行使禁止の通知は、大和証券との間で締結したコミットメント契約に基づくもの。シェアリングでは、資金調達の時期や調達資金の拠出時期について再度検討し、新たな中期経営計画の発表を踏まえて、19年9月期業績の達成状況に応じて行使がなされることが望ましいと考え、同期の第1四半期決算発表までは、行使を禁止することにしたという。
■フリークHD <6094> 2,282円 +172 円 (+8.2%) 本日終値
フリークアウト・ホールディングス<6094>が大幅続伸。6月29日の取引終了後、東京証券取引所本則市場への市場変更申請を行ったと発表しており、これを好感した買いが入った。社会からの一層の認知度・信用力の向上とそれによる人材採用・営業活動の推進、グローバルを含む投資家層の拡大などを図るため、東証1部への市場変更が必要と判断したためという。なお、市場変更時に伴う公募増資・売り出しなどの希薄化を生じる資金調達は計画していないとしている。
■Gunosy <6047> 1,525円 +96 円 (+6.7%) 本日終値 東証1部 上昇率6位
Gunosy<6047>は大幅続伸。6月29日の取引終了後、サイバーエージェント<4751>と動画アドネットワーク事業の推進を目的に、合弁会社を設立すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。新会社「VIDPOOL(ビッドプール)」はGunosy65%、サイバー35%出資で7月に設立の予定。「グノシー」内のインストリーム広告在庫などを中心とする、インストリーム型動画アドネットワーク「VIDPOOL AdPlatform」の販売などを行うとしている。同時に集計中の18年5月期連結業績について、営業利益が従来予想の22億600万円から19億3800万円(前の期比27.8%増)へ、純利益が14億7500万円から5億100万円(同55.5%減)へ上振れて着地したようだと発表した。「グノシー」の新規ダウンロード数およびユーザー継続率が想定を下回った一方、アドネットワークが好調に推移したことから、売上高は107億4600万円から112億100万円(同44.7%増)へ上振れて着地した。ただ、アドネットワークの好調に伴い媒体費用が増加したほか、投資先の業績悪化に伴い投資有価証券評価損7億6000万円を計上することなどが利益を押し下げた。
■不二越 <6474> 5,050円 +95 円 (+1.9%) 本日終値
不二越<6474>が続伸。6月30日付けの日本経済新聞朝刊で「2017年12月~18年5月期の連結営業利益は前年同期比で約5%増の80億円強になったようだ」と報じられたことが好感された。会社側の従来予想である85億円を若干下回るとの観測だが、記事によると、主力の自動車向けベアリングなどが好調を維持したという。一方、原材料価格の上昇などが利益を圧迫したようだが、これらについては織り込み済みとの見方が強い。なお、決算発表は7月5日の予定となっている。
■ニプロ <8086> 1,297円 +17 円 (+1.3%) 本日終値
ニプロ<8086>が続伸。同社は6月29日取引終了後に、札幌医科大学と共同開発を進めている「脊髄損傷の治療に用いる自己骨髄間葉系幹細胞」を、厚生労働省に再生医療等製品として製造販売承認申請を行ったと発表。自己骨髄間葉系幹細胞は、2013年12月から札幌医科大学附属病院で脊髄損傷患者を対象にした医師主導治験が実施され、今回の製造販売承認申請はこの結果を受けたもの。なお、脊髄損傷患者を対象とする自己骨髄間葉系幹細胞は、16年2月に厚労省から再生医療等製品の先駆け審査指定制度の対象品目の指定を受けている。
■マネックスグループ <8698> 644円 +4 円 (+0.6%) 本日終値
マネックスグループ<8698>が高い。国内外でネット証券を展開し米国事業が黒字化していることで業績先行きに明るさが見えている。近年は資産運用分野にも重心を置いている。また、コインチェックの買収で仮想通貨交換ビジネスに参入、財務基盤の強さから業界勝ち組との位置づけが今後の株価に反映される可能性がある。
■ライトオン <7445> 1,074円 +6 円 (+0.6%) 本日終値
ライトオン<7445>は3日ぶりに反発。6月29日の取引終了後、茨城県つくば市の本社ビル土地・建物を譲渡し、それに伴い固定資産売却益3億7000万円を18年8月期決算に特別利益として計上すると発表しており、業績上振れを期待した買いが入った。
■村田製作所 <6981> 18,645円 +25 円 (+0.1%) 本日終値
村田製作所<6981>が目先筋の利食いをこなし、4日続伸となったほか、太陽誘電<6976>が一時300円近い上昇をみせるなど全体相場に逆行する動きで市場の注目を浴びた。iPhoneX(テン)などの販売低迷や中国スマートフォンメーカーの需要減速が電子部品メーカーに逆風となっていたが、今年5月以降は様変わりの動きで、空売り筋の買い戻しなどを巻き込み踏み上げ相場的な様相を呈している。車載向けに積層セラミックコンデンサーが好調、特にトヨタ自動車<7203>を筆頭に大手自動車メーカーが注力するコネクテッドカーで、セラミックコンデンサー需要が大きく拡大する傾向にあり、収益メリットを織り込む動きが加速している。
■アダストリア <2685> 1,209円 -196 円 (-14.0%) 本日終値 東証1部 下落率2位
カジュアル衣料大手のアダストリア <2685> が急反落し、年初来安値を更新した。6月29日に発表した19年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常利益が前年同期比65.1%減の13.5億円に大きく落ち込んで着地したことが売り材料視された。4月中旬に投入した夏物商品の販売不振や5月の一時的な天候悪化の影響などで、国内既存店売上高が前年実績を大きく下回ったことが響いた。在庫の消化促進による値下げ率の上昇に加え、EC関連の販促費用や配送費が増加したことも利益を圧迫した。通期計画の87億円に対する進捗率は15.6%にとどまり、計画未達を懸念する売りが向かった。
株探ニュース