「全固体電池」が2位にランクイン、夢の次世代電池開発に業界各社が虎視眈々<注目テーマ>
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みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で「全固体電池」が2位となっている。
自動車の環境規制強化を背景に世界的な電気自動車(EV)へのシフトが進むなか、その動力源である車載用2次電池市場も急拡大する方向にある。そのなか、リチウムイオン電池の需給逼迫が株式市場でも電池メーカーや関連素材メーカーの株価を強く刺激しているが、リチウムイオン電池に代替する次世代電池の研究開発も進められており、その最右翼に位置しているのが全固体電池だ。
全固体電池は、現行のリチウムイオン電池では液体である電解質(電解液)の部分を固体材料に変え、正極と負極を含めた部材すべてが固体で構成されている。元来、電解液は可燃性の物質を含有していることで、液漏れや発熱に伴う発火の危険性をはらむが、固体化することによりこの問題を解消する。さらに、EVに搭載した際に、航続距離の大幅な延長やフル充電時間の画期的な短縮、さらに長寿命化などを実現することが可能で、トヨタ自動車<7203>やパナソニック<6752>などをはじめ関連各社は開発に尽力している。
トヨタでは2018年度後半にもハイブリッド車(HV)に使うリチウムイオン電池の最終工程を移管して子会社で一貫生産体制を敷く方針で、需要急拡大するリチウムイオン電池の生産効率化を図る。そのなか、子会社を通じ全固体電池についても製品評価を行える方向で準備を進めている。同社は全固体電池について20年代前半の実用化を目指しており、周辺企業にもそのスケジュールは強く意識されることになりそうだ。
また、パナソニックは21年度に、車載用2次電池の売上高を18年度比4000億円上乗せする方針が伝えられている。国内のほか、米国や中国の生産拠点で増産投資を推進しトヨタや米テスラなどに提供する計画にあるが、全固体電池についても技術系人材を確保して開発に取り組んでいく構えだ。
こうした動きを裏打ちするように新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は先月中旬、トヨタやパナソニックなどと全固体電池の基盤技術の開発を開始することを発表しており、株式市場でも早晩テーマ物色の波が再来する可能性がある。
関連銘柄としては、TDK<6762>、FDK<6955>、ジーエス・ユアサ コーポレーション<6674>、古河電池<6937>、オハラ<5218>、ニッカトー<5367>、カーリットホールディングス<4275>、古河機械金属<5715>、新東工業<6339>、三洋化成工業<4471>などが注目される。
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)