“不動産テック”旋風本格化、ここから狙える「8銘柄」は <株探トップ特集>

特集
2018年7月17日 19時30分

―クラウドやAI活用し市場に新潮流、IPO企業も相次ぎ登場―

「不動産テック」関連銘柄への注目度が高まっている。不動産テックとは「不動産」に「IT」技術を適用したもの。マンションやビルなど不動産プロジェクトの資金を個人投資家からネットを通じて募ったり、人工知能(AI)を活用したりする動きも強まっており、不透明な価格形成や旧態依然の慣行が横行する不動産業界に旋風を巻き起こしている。株式市場に不動産テックが本格上陸するなか、その動向からは目が離せない。

●「不動産」×「IT」で旧態依然の業界に新風

不動産関連株に再評価機運が高まりつつある。三鬼商事が公表した東京都心5区の6月の空室率は0.11ポイント下落の2.57%とほぼ空室がない状況にある。また、今月2日に国税庁が発表した2018年路線価は全国平均で0.7%アップし、3年連続で上昇した。景気拡大や企業業績の向上が不動産取引の活発化を促している。

今後、三井不動産 <8801> などの不動産関連株は再び注目されそうだが、そんななか高い関心を集めているのが、「不動産テック(ReTech:Real Estate Tech)」の動向だ。不動産テックとは「不動産」に「テクノロジー」を掛け合わせた言葉。不動産取引の世界に、インターネットやビッグデータ、AIなどのテクノロジーを取り入れることで、これまで不透明な部分が多かった不動産業界に新風を巻き起こしつつある。

●資金調達や「空き家」対策などに活用機運

不動産テックがカバーする領域は、住宅や不動産価格を表示する物件情報を提示する「ポータルサイト」や「オンライン査定」、ネット経由で個人投資家から資金調達し都市部のビルやマンションに投資する「クラウドファンディング」、「AIを活用した物件価格分析」など多岐にわたる。日本で問題化している「空き家」対策に向けて、不動産テックを活用しようという動きも活発化している。

ポータルサイト運営ではLIFULL <2120> 、クラウドファンディングではTATERU <1435>空き家住宅関連ではカチタス <8919> などが関連銘柄となる。また、足もとで不動産テック関連のIPO企業の登場が相次いでいることもその勢いを表わす。ロードスターキャピタル <3482> [東証M]やプロパティデータバンク <4389> [東証M]、アルヒ <7198> などがそれであり、今月下旬に東証マザーズに上場するGA technologies <3491> [東証M]はAIを活用した中古不動産販売を手掛けている。

以下、不動産テック関連の注目銘柄を取り上げてみたい。

◎TATERU <1435> ~アプリで始めるアパート経営「TATERU」を展開。クラウドファンディングの「TATERU Funding」の事業拡大を図る。IoT事業「TATERU kit」なども手掛けている。

◎LIFULL <2120> ~不動産・住宅情報サイト「ホームズ」は掲載物件数でトップ。「プライスマップ」はマンション物件などの価格相場を地図上で網羅している。スペインのトロビット社買収などグローバル展開を推進。

◎ハウスドゥ <3457> ~不動産売買仲介「HOUSEDO」をフランチャイズ展開し、累計加盟契約数は500店を突破。空き室・空き家を解決するタイムシェアリング事業も開始。18年6月期は最高益予想。

◎ロードスターキャピタル <3482> ~クラウドファンディングにより個人が不動産投資に少額から参加ができる「OwnersBook」を運営。物件の売却益が膨らみ、18年12月期業績予想を増額修正している。

◎プロパティデータバンク <4389> ~6月27日に東証マザーズに新規上場。不動産を活用する企業・法人に業務支援ツールをクラウドサービスとして提供する「@プロパティ」を展開している。

◎アルヒ <7198> ~17年12月に東証1部へ新規上場。「フラット35」を中心とする住宅ローンの貸し出し・取次業務を手掛ける。フラット35の実行件数シェアはトップ。RPA(ロボットによる業務自動化)などの活用により電子化やIT化を推進。今期配当は前期比22円増の44円になる見通し。

◎シノケングループ <8909> [JQ]~17年12月期まで6期連続最高益。主にサラリーマン、公務員を対象に資産形成を目的としたアパート経営の提案を展開。20年12月期の純利益110億円(前期は84億8900万円)を目指す。

◎カチタス <8919> ~17年12月に東証1部上場。地方戸建て事業の買い取り再生事業を展開。「空き家」問題を商機とし、業績は拡大基調。ニトリホールディングス <9843> と資本業務提携している。

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