もやもや相場も“好業績には高評価”、決算発表前半戦の「好調株」は <株探トップ特集>

特集
2018年7月30日 19時30分

―4-6月期経常利益高進捗、増益株をピックアップ―

30日の東京株式市場は、前週末の米株式市場で主要株価指数が揃って安くなり、なかでもハイテク株比率の高いナスダック総合指数が100ポイントを超える大幅な下げをみせたことを嫌気して、日経平均株価は終値で前週末比167円91銭安の2万2544円84銭と反落した。ただ、その一方で本格化している4-6月期決算発表の内容を評価した好業績銘柄物色の輪は広がりをみせている。そこで、今回は4-6月期経常利益が、4-9月期予想に対して高い進捗率をみせ、なおかつ増益となっている銘柄に焦点を当てた。

●ブルボン、ビスケット・チョコレート・冷菓などが販売好調

ブルボン <2208> [東証2]は27日、19年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表した。売上高は282億9900万円(前年同期比1.7%増)、経常利益は14億4900万円(同25.4%増)、最終利益は10億9700万円(同40.8%増)と大幅増益を達成した。きめ細かい店頭フォロー活動や、地域のニーズに合わせた企画提案型の営業活動、品揃えの強化と付加価値を高めた魅力のある商品開発を通して、顧客の満足につながる活動を推進した。その結果、ビスケット、チョコレート、冷菓などの販売が好調に推移し、売上高は前年同期を上回った。さらに利益面では、売上高の拡大とコスト削減、生産性の向上、経費の効率的な使用などに取り組んだことが大幅増益に寄与した。

●日本精化、化粧用機能原料と「ラノリン」の販売増などが寄与

日本精化 <4362> は27日、19年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表した。売上高は72億7700万円(前年同期比9.9%増)、経常利益は9億5700万円(同27.0%増)、最終利益は6億6500万円(同28.8%増)の大幅増益となった。工業用製品事業は、化粧用機能原料と「ラノリン」の販売増などにより売上高、利益ともに増加した。家庭用製品事業は、不採算品からの撤退による減少はあったものの、新規顧客の獲得や新製品の拡販により、売上高は微増、利益は製品構成の改善などにより増加している。

●石原ケミカル、主力の金属表面処理剤と機器部門が堅調

石原ケミカル <4462> は27日、19年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表した。売上高は40億4200万円(前年同期比9.8%増)、経常利益は5億900万円(同66.2%増)、最終利益は3億7200万円(同73.9%増)の大幅増益となった。主力セグメントの金属表面処理剤と機器は、車載、スマートフォン関連および次世代情報通信システムに関わる電子部品メーカーの生産動向が堅調に推移していることが追い風となっている。

●日本鋳造、鋳鋼・鋳鉄品が建設機械向けで想定上回り通期業績を上方修正

日本鋳造 <5609> [東証2]は20日、19年3月期通期の連結業績予想について、売上高を120億円から130億円(前期比2.5%減)へ、経常利益を5億円から7億円(同9.0%減)へ、純利益を3億5000万円から5億円(同16.5%減)へ上方修正した。橋梁部品や柱脚などは従来予想通りに推移している一方、製造業での設備投資の増加が継続していることを受けて、鋳鋼・鋳鉄品が建設機械向けおよび産業機械向けに想定以上に増加していることが上方修正の要因としている。なお、同時に発表した第1四半期(4-6月)連結決算は、売上高32億円(前年同期比20.9%増)、経常利益1億7400万円(同2.9倍)、純利益1億2500万円(同3.2倍)だった。

●日本航空電子、内製化強化によるコストダウンで増益を確保

日本航空電子工業 <6807> が25日に発表した19年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算は、売上高は561億7600万円(前年同期比5.5%減)と小幅減収だったものの、経常利益は55億4400万円(同45.5%増)と大幅な伸びを示した。主力のコネクタ事業を中心に、成長市場・機器に対し、積極的なグローバルマーケティングと新製品開発活動のスピードアップによる受注・売上の拡大を目指した。さらに、内製化の更なる強化によるコストダウン、設備効率化および諸費用抑制など経営全般にわたる効率化を推進したことが大幅増益に寄与している。

●日本車両、鉄道車両や建設機械の利益改善で大幅増益を確保

日本車輌製造 <7102> が24日に発表した19年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算は、売上高170億5600万円(前年同期比21.7%減)、経常利益19億5200万円(同2.6倍)、純利益16億4600万円(同76.5%減)となり、上期計画の経常利益7億円を大幅に上回った。鉄道車両事業でJR向け車両や海外向け車両が減少したほか、輸送用機器・鉄構事業でコンテナ貨車が減少し売上高は減収となったものの、建設機械事業での利益の増加や、鉄道車両事業、エンジニアリング事業での利益の改善が進んだことで大幅増益を確保した。なお、最終利益は前年同期に計上した非事業用資産の譲渡による特別利益がなくなったことから大幅減益となった。

●佐藤商事、鉄鋼や非鉄が商用車向けに堅調に推移

佐藤商事 <8065> は27日、19年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表した。売上高は536億2400万円(前年同期比10.3%増)、経常利益は12億7600万円(同5.7%増)、最終利益は8億8000万円(同7.3%増)だった。鉄鋼事業では、主要取引業界の商用車業界や建産機業界向けが好調に推移したことが貢献した。非鉄金属事業でも、主要取引業界の商用車業界向けが好調に推移したことが寄与した。一方、電子材料事業では、主力の車載機器向けプリント配線基板用積層板の販売が堅調に推移している。

◆主な第1四半期経常利益高進捗率・増益銘柄◆

銘柄 <コード>       進捗率  増益率  株価  PER

明星工業 <1976>       58.8  66.9   920  13.8

ブルボン <2208>       161.0  25.5  2575  17.2

田岡化学 <4113>       58.4  78.0  4390   8.4

日本精化 <4362>       73.6  26.9  1399  18.0

石原ケミカル <4462>     62.1  66.3  2414  18.6

ヤスハラケミカル <4957>  183.4  19.9   790  32.9

寺岡製作所 <4987>      83.2   2.3倍  763  17.6

日本鋳造 <5609>       69.6   2.9倍 1229  12.6

エムケー精工 <5906>     81.8  16.8   403  14.6

マックス <6454>       58.6  31.2  1639  17.6

日本トリム <6788>      74.3   7.7  5800  38.3

航空電子 <6807>       65.2  45.5  1945  13.6

アルパイン <6816>      70.2   7.5倍 2491  17.2

新光電工 <6967>       76.5   4.1倍 1115  29.0

日車両 <7102>        278.9   2.6倍  303  19.9

ユタカ技研 <7229>      63.4  42.0  2728   6.4

昭和飛 <7404>        60.8  49.1  1171  38.2

アドヴァン <7463>      68.7  16.8  1028  11.9

佐藤商事 <8065>       70.9   5.6  1312   9.4

キムラユニティー <9368>   67.6  95.3  1235  11.9

JBCCHD <9889>     72.4  39.0  1300  16.7

※株価は30日終値、単位:%、円、倍

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