話題株ピックアップ【夕刊】(2):任天堂、TKC、サンバイオ
■任天堂 <7974> 39,230円 +560 円 (+1.5%) 本日終値
任天堂<7974>が反発。前週末に5日・25日移動平均線がゴールデンクロス、きょうは8月1日の戻り高値近辺まで水準を切り上げており、トレンドの底入れ転換を示唆している。きょうはサイバーエージェント<4751>の子会社であるサイゲームスと共同開発するスマートフォン向けアプリ「ドラガリアロスト」が9月27日にサービス開始予定となり、そのゲーム内容をインターネットを通じて8月30日12時30分にスタートさせることが、「ドラガリアロスト」の公式ツイッターなどを通じて発表され、これが任天堂の株価を刺激する材料となったとの見方も出ている。
■TKC <9746> 4,205円 +55 円 (+1.3%) 本日終値
TKC<9746>が反発。この日、学校給食費の徴収・管理業務を支援する「TASKクラウド給食費管理システム」の新規開発に着手したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。国が進める「学校における働き方改革」に伴い、多くの学校で徴収・管理を行ってきた学校給食費について公会計化し、市区町村の教育委員会がその実務を担うとの方向が示されたことに対応するもの。これまで同社が税の収納・滞納、就学・就学援助など各種業務システムで培ってきたノウハウを生かすとともに、公会計など関連システム間のスムーズなデータ連携を実現。また、先行導入団体(数団体予定)の協力を得ながら機能の拡充を進め、来夏にファーストユーザーでの本稼働を目指すとしている。
■サンバイオ <4592> 3,840円 +50 円 (+1.3%) 本日終値
サンバイオ<4592>、スリー・ディー・マトリックス<7777>、ヘリオス<4593>などバイオ関連株に高いものが目立つ。市場では「ここ新興市場の下げ止まりの原動力となったのがバイオ関連への資金流入。これを先導したのがサンバイオやそーせいグループ<4565>で、こうした時価総額の大きい銘柄が商いを伴い上昇したことで、個人投資家の待機資金を引き寄せる形となった」(準大手証券アナリスト)としている。
■三菱ケミHD <4188> 1,018.5円 +13 円 (+1.3%) 本日終値
三菱ケミカルホールディングス<4188>が3日続伸。きょう付けの日本経済新聞朝刊で「三菱ケミカルはタイ国営のタイ石油公社(PTT)グループと組み、ストローに使える環境負荷の少ない新素材を共同開発した」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、水中で自然分解する性質があることに加えて、ストロー用途に十分な強度も持つという。プラスチックストローをめぐっては、米スターバックスがその使用を段階的に廃止することを打ちだすなど、社会的に関心が高まっていることから、新たなストロー素材の開発には株式市場も注目が高いようだ。
■村田製作所 <6981> 19,075円 +165 円 (+0.9%) 本日終値
村田製作所<6981>、TDK<6762>、ローム<6963>、日東電工<6988>、アルプス電気<6770>など電子部品株が総じて上値追い。いずれも米アップルの有力サプライヤーだが、米株市場ではアップル株が上昇一途で最高値圏を走る展開にあり、これに追随する動きとなっている。直近、アップル株の上昇は、9月にもiPhoneの新モデル3種を発表すると米大手通信社が報道したことが背景にあり、日本の大手電子部品メーカーもその恩恵を享受することが期待される。
■新日鐵住金 <5401> 2,292円 +15 円 (+0.7%) 本日終値
新日鉄住金<5401>、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>がいずれも3日続伸と上値指向を強めている。中国やインドなどのインフラ投資需要を背景とした鋼材需要の拡大で世界的に鉄鋼メーカーの業績が回復している。またここにきて、米国トランプ政権の鉄鋼輸入制限の影響で米国の鋼材価格の上昇が顕著となっており、鉄鋼メーカーにとっては利益採算の向上が見込める状況にある。足もと円安含みで推移するドル・円相場と合わせ、日本の大手鉄鋼メーカーにとっても追い風が意識され始めている。
■トヨタ自動車 <7203> 7,070円 +44 円 (+0.6%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>は売り買い交錯。前日まで3日続伸で7000円大台を回復、25日移動平均線との下方カイ離も解消したが、目先は強弱感が対立している。足もと、外国為替市場でドル高・円安に振れていることは追い風ながら、引き続き米通商政策を巡る思惑からいったん利益確定を優先する動きも出ている。北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しを巡る米国とメキシコの2国間協議が27日、大筋合意。自動車関税ゼロを維持する条件として現地での部品調達比率引き上げのほか、米国製部品の購入拡大を事実上義務付ける条項を新設する見通し。メキシコに生産拠点を持つ日本の自動車メーカーにとっては最悪のシナリオは回避されたことで買い安心感が出ている。ただ、今後カナダを含む3カ国で最終合意できるかが焦点となっており、仮に首尾よく進まなかった場合は、カナダでの生産ウエートの高いトヨタにとってはネガティブ材料として株価の押し下げ圧力となる。
■文化シヤッター <5930> 824円 -72 円 (-8.0%) 本日終値 東証1部 下落率2位
28日、文化シヤッター <5930> がユーロ円建て新株予約権付社債(CB)を発行し、100億円を調達すると発表したことが売り材料視された。転換価格は1040円。発行済み株式総数に対する潜在株式数の比率は13.41%になる見込みで、将来的な株式価値の希薄化や株式需給の悪化を警戒する売りが向かった。調達資金は子会社の株式取得に充てる。
■クスリアオキ <3549> 8,190円 -340 円 (-4.0%) 本日終値
クスリのアオキホールディングス<3549>が大幅3日続落。28日の取引終了後に発表した8月度(7月21日~8月20日)の月次営業速報は、既存店売上高が前年同月比2.6%増と17カ月連続で前年実績を上回ったものの、目先の材料出尽くし感から売られたようだ。客単価は同0.1%減となった一方、客数が同2.6%増と引き続き堅調に推移したことが寄与した。なお、全店ベース売上高はドラッグストア3店舗、併設調剤薬局4店舗の出店効果もあり同13.8%増だった。
株探ニュース