今週の【早わかり株式市況】2週続伸・一時2万3000円回復、米株高が追い風
今週の株式市場は、米株高を追い風に日経平均株価は一時2万3000円大台を回復し、2週続伸した。
週初の27日は終始買い優勢の展開。前週末の欧米株高に加え、取引時間中のアジア株高が好感されリスク選好の動きが強まり、日経平均は大幅に5日続伸した。海外ファンド筋による先物を絡めた買い戻しも指数を押し上げた。
翌28日は前日のNYダウが大幅続伸したことを受け、寄り付き直後に日経平均は2万3000円大台を回復。その後は心理的な節目の大台乗せで利益確定売りに押される展開となり、小幅続伸にとどまった。東証1部の売買代金は活況の目安とされる2兆円を8日ぶりに上回った。29日は前日の米株高や為替の円安基調を背景にリスクを取る動きが継続し前場は上値を追う展開。2万3000円台近辺では戻り売り圧力が強く、後場に入ると上げ幅を縮小したもののプラス圏を堅持。日経平均は昨年10月以来の7日続伸となった。30日は前日の米株高と急速な円安進行を受け、寄り付き直後に再び2万3000円大台を突破。その後は戻り売りに押され伸び悩み、一時はマイナス圏に沈む場面もあったものの、プラス圏で着地。
週末の31日はトランプ米大統領が来週にも中国からの輸入製品2000億ドル相当に追加関税を発動するとの報道を受け、米株市場が反落したうえ、為替も円高方向に大きく振れたことが嫌気され朝方は売りが大きく先行。その後は一貫して戻り歩調となり、後場は前日終値を挟む展開に終始。結局、日経平均は小幅ながら9日ぶりに反落した。
日経平均株価は、前週比263円(1.17%)高の2万2865円と2週続伸して取引を終えた。28日と30日に一時2万3000円大台を突破したものの、跳ね返された格好となり、2万3000円の壁の厚さが改めて顕在化した。週間の値幅は354円と、前週の549円から縮小した。
来週は5月、6月、7月と3度跳ね返された日経平均2万3000円の壁突破に向けた正念場になりそうだ。軟調な展開になった場合でも下値の2万2700円近辺では押し目買いが入るとみられ底堅い相場となりそうだ。
重要イベントとしては、国内では3日朝に発表される4-6月期法人企業統計や7日発表の7月景気動向指数が注目される。海外では5日発表の米国7月貿易収支や7日発表の米国8月雇用統計に加え、中国製品へのさらなる追加関税に対するトランプ米大統領の動向に注視が必要だろう。
◆マーケット・トレンド(8月27日~31日)
【↑】 8月27日(月)―― 5日続伸、欧米やアジア株高でリスク選好ムード継続
日経平均 22799.64( +197.87) 売買高10億4583万株 売買代金 1兆8434億円
【↑】 8月28日(火)―― 6日続伸、一時2万3000円回復も後半値を消す
日経平均 22813.47( +13.83) 売買高11億9595万株 売買代金 2兆1493億円
【↑】 8月29日(水)―― 7日続伸、米株高や円安でリスクオン継続
日経平均 22848.22( +34.75) 売買高11億2679万株 売買代金 1兆9682億円
【↑】 8月30日(木)―― 8日続伸、2万3000円乗せ後は利益確定売りに押される
日経平均 22869.50( +21.28) 売買高13億9935万株 売買代金 2兆6338億円
【↓】 8月31日(金)―― 9日ぶりに小反落、米株安・円高を嫌気も下げ渋る
日経平均 22865.15( -4.35) 売買高13億0302万株 売買代金 2兆4085億円
◆セクター・トレンド(8月27日~31日)
(1)全33業種中、29業種が上昇
(2)郵船 <9101> 、川崎汽 <9107> など海運業が業種別上昇率トップ
(3)ソニー <6758> など電機、コマツ <6301> など機械といった輸出株が買い戻された
(4)三井金 <5706> など非鉄、三菱ケミHD <4188> など化学といった素材株が買われた
(5)金融株はオリックス <8591> などその他金融、大和 <8601> など証券は堅調も
三菱UFJ <8306> など銀行、東京海上 <8766> など保険は低調
(6)大和ハウス <1925> など建設、セブン&アイ <3382> など小売りといった内需株の一角はさえない
株探ニュース