米国株式市場見通し:トランプ政権の通商政策を注視

市況
2018年9月29日 14時40分

中国やカナダとの貿易摩擦を巡る問題が深刻化するなか、11月6日の中間選挙を見据えてトランプ大統領の強硬姿勢がさらにエスカレートしそうだ。来週より始まる7-9月期決算では、貿易摩擦を考慮して慎重な業績見通しを示す企業も増えるだろう。一方で足元では法人税減税を受けた企業業績の押し上げ効果もあり、高い利益成長が予想される。決算発表をきっかけに投資家の関心が個別銘柄の業績に集まることで、利益水準の観点から株価水準の見直しが進みそうだ。また、イタリアの19年度予算案を巡る財政赤字の拡大を受けて、同国の格付引き下げが懸念されており、今後の動向を注視したい。

先週のFOMCでは大方の予想通り、追加利上げが実施された。金融政策の金融政策については「緩和的」という表現が声明文から削除されたことで、近い将来に利上げペースが緩やかになることが伺えるが、パウエル議長が米景気に自信を示したほか、経済指標も堅調な内容が続いており、株式市場は利上げの長期化を意識する状況が続きそうだ。今週は月初ということで主要経済指標の発表が多く、注目が集まりそうだ。

経済指標では、8月建設支出(1日)、9月ISM製造業景況指数(1日)、9月ADP雇用統計(3日)、9月ISM非製造業景況指数(3日)、8月製造業・耐久財受注指数(4日)、8月貿易収支(5日)、9月雇用統計(5日)などの発表が予定されている。雇用統計は、失業率が3.8%増の改善、非農業部門雇用者数は18.5万人増が予想されている。1日には9月新車販売台数の発表が予定されているが、先月発表分では新型スポーツタイプ多目的車(SUV)の需要拡大が示されたものの、金利上昇や中古車の増加で販売が減少する可能性もあり、注意が必要だ。

個別企業では、飲料メーカーのペプシコ(2日)、住宅建設会社のレナー(3日)、アルコール飲料のコンステレーション・ブランズ(4日)、会員制卸売のコストコ・ホールセール(4日)などの発表が予定されている。ペプシコは、インドラ・ヌーイCEOが3日付で退任することが決定しており、今後の経営戦略の発表が焦点となりそうだ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

提供:フィスコ

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