新興市場見通し:相場の先高観高まり中小型株に資金流入、IPO人気回復も

市況
2018年9月29日 15時18分

先週の新興市場では、特にマザーズ指数の強い動きが目立った。為替の円安進行とともに日経平均は節目となる24000円台を回復し、週末にかけて取引時間中の年初来高値を更新した。相場全体の地合い改善で個人投資家のマインドは一段と上向き、出遅れ感のあるマザーズ銘柄に向かった。マザーズ売買代金も1000億円を超える日が続き、商いは活発だった。IPOも初値買い人気が回復しつつある。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.0%であったのに対して、マザーズ指数は+3.6%、日経ジャスダック平均は+0.7%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のメルカリ<4385>が週間で8.8%高、サンバイオ<4592>が同7.2%高と堅調だった。そーせいグループ<4565>は口腔咽頭カンジダ症治療薬の国内承認を取得したと発表し、同12.7%高と急反発した。また、人気の続くUUUM<3990>や直近IPO銘柄のエクスモーション<4394>が大きく買われ、週間のマザーズ上昇率上位に顔を出した。一方、時価総額上位ではMTG<7806>が同1.8%安、ミクシィ<2121>が同2.6%安と軟調で、売買代金上位ではフィンテック グローバル<8789>などが利益確定売りに押された。また、ディジタルメディアプロフェッショナル<3652>などが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力はハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同4.8%安、セリア<2782>が同1.7%安とやや軟調だったが、UTグループ<2146>はリバウンドが続き同6.6%高となった。売買代金上位ではシンバイオ製薬<4582>などに物色が向かい、大村紙業<3953>が週間のジャスダック上昇率トップだった。反面、ユニバーサルエンターテインメント<6425>などは売り優勢で、タカギセイコー<4242>が下落率トップとなった。IPOでは6社が新規上場し、ブロードバンドセキュリティ<4398>とフロンティア・マネジメント<7038>は公開価格の2倍を超える初値を付けた。アパレル大手のワールド<3612>は公開価格を下回る初値形成となった。

今週の新興市場は、相場全体の先高観の高まりを背景に資金流入が続きそうだ。米株高や円安進行により投資家のリスク選好姿勢が強まっており、日経平均は急ピッチの上昇に対する警戒感などが意識されつつも堅調に推移しそうだ。一方、マザーズ指数は1月高値(1367.86pt、取引時間中)をなお2割以上下回る水準にあり、出遅れ感から個人投資家の物色を集めやすいだろう。大型株から中小型株への物色シフトも想定しておきたい。

今週は、10月2日に放電精密加工研究所<6469>、3日にエスプール<2471>、5日にフロイント産業<6312>、シグマ光機<7713>などが決算発表を予定している。放電精密やエスプールは前四半期までの進捗が良好で、今回の決算に対する期待も高まりそうだ。また、10月1日の医学生理学賞を皮切りにノーベル賞の発表が始まる。各賞に関連した銘柄の物色も活発となる可能性がある。

IPO関連では、10月3日にブリッジインターナショナル<7039>がマザーズへ新規上場する。主軸であるインサイドセールス(非対面営業)に関するアウトソーシング受託業務に加え、AI(人工知能)を活用したシステムサービス等も手掛けており、投資家の関心は高いようだ。公開規模も小さく、堅調な初値が期待される。なお、先週はVALUENEX<4422>(10月30日、マザーズ)の新規上場が発表されている。

《FA》

提供:フィスコ

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