今週の【早わかり株式市況】米国発の世界株安連鎖で1089円安、米金利上昇が引き金
今週の株式市場は、米長期金利上昇を引き金とした米株急落を発端する世界株安連鎖で日経平均株価は1089円安と急落した。
3連休明けの9日は前週後半の米長期金利上昇を背景としたリスクオフの流れが続き、終始売り優勢の展開。中国人民銀行による預金準備率引き下げを受けた人民元安も警戒売りを誘い、日経平均は大幅に4日続落した。
翌10日は朝方こそ自律反発狙いの買いが先行したものの、上値が重いことから売りを誘発し前場はマイナス圏に沈んだ。後場に入ると、日銀のETF買い観測もあって強含む展開となりプラス圏浮上、5日ぶりに小幅反発した。11日は前日に米長期金利の上昇を引き金にNYダウが831ドル安など主要指数が急落したことを受け、寄り付きからリスク回避売りが殺到。為替市場での急速な円高進行やアジア株市場の全面安で下げを加速、日経平均の下げ幅は一時1000円を超えた。大引けにかけて下げ渋り915円安で着地。日米ともにコンピューターによるアルゴリズム取引の売りが下げを加速させたとみられ、日経平均とNYダウともに今年3番目の下げ幅となった。世界で株安連鎖が広がった。
週末の12日は前日のNYダウが連日で急落したことに加え、オプションSQ算出に絡んだ売りで寄り付きは売りが大きく先行したものの、その後は買い戻しが入り下げ幅を縮小。円安基調やアジア株高もあって日経平均は大引けにかけてプラス圏に浮上して着地。
日経平均株価は、前週比1089円(4.58%)安の2万2694円と大幅に2週続落して取引を終えた。週間の値幅は1265円と、前週の717円から急拡大した。
来週は昨日の米国株式市場が反発しており落ち着きを取り戻すとみられるが、当面は下値を探る不安定な相場展開になりそうだ。米国株式市場の動向によっては上下どちらかに大きく振れる可能性がある。
重要イベントとしては、国内では18日朝発表される9月貿易統計や19日朝発表される9月全国消費者物価指数が注目される。海外では16日発表の米国9月鉱工業生産指数や17日-18日に開催されるEU首脳会議のほか、19日に発表される中国の7-9月期GDPと9月鉱工業生産に注視が必要だろう。
◆マーケット・トレンド(10月9日~12日)
【↓】 10月 9日(火)―― 大幅に4日続落、米長期金利上昇や人民元安を警戒
日経平均 23469.39( -314.33) 売買高15億6850万株 売買代金 3兆0380億円
【↑】 10月10日(水)―― 5日ぶり反発、調整一巡でリバウンド狙いの買い優勢
日経平均 23506.04( +36.65) 売買高13億4506万株 売買代金 2兆6330億円
【↓】 10月11日(木)―― 急反落・一時1000円超安、米株安や円高を嫌気
日経平均 22590.86( -915.18) 売買高19億5248万株 売買代金 3兆7587億円
【↑】 10月12日(金)―― 反発、朝安も円安やアジア株高で切り返す
日経平均 22694.66( +103.80) 売買高16億8884万株 売買代金 3兆3416億円
◆セクター・トレンド(10月9日~12日)
(1)全33業種が大幅安、2月2週以来
(2)住友鉱 <5713> など非鉄、信越化 <4063> など化学といった素材株が大きく売られた
(3)原油安でJXTG <5020> など石油、国際石開帝石 <1605> など鉱業株が急落
(4)ソニー <6758> など電機、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株も大幅安
(5)ソフトバンク <9984> など情報・通信、リクルート <6098> などサービスといった内需株も軟調
(6)三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命HD <8750> など保険、野村 <8604> など証券株は大幅反落
株探ニュース