今週の【早わかり株式市況】3週続落、米株の乱高下と中国の景気減速懸念で底値を探る展開
今週の株式市場は、米株の乱高下と中国の景気減速懸念で底値を探る展開を強いられ、日経平均株価は3週続落した。
週初の15日はムニューシン米財務長官が日米貿易協議で“為替条項”を求める方針を示唆したことが嫌気され、終始売り優勢の展開。為替市場で円高が進んだことも重しとなり、日経平均は400円を超えて急反落した。
翌16日の前場は強弱感が対立し不安定な相場展開だったものの、後場に入ると前日急落の反動でリバウンド狙いの買いが優勢となった。為替が円安方向に振れたことも後押しとなり日経平均は大幅反発した。17日は前日のNYダウの急反騰や円安進行を受け、リスク選好の流れが続き寄り付きから大きく買いが先行。ただ、前場後半からは利益確定売りに押され伸び悩んだものの大幅続伸して着地。18日は前日の米株安に加え、取引時間中に中国・上海株が大きく値を下げたことを受け、利益確定売りに押され次第安の展開となり、3日ぶりに反落した。
週末の19日は前日の米株大幅続落と中国の景気減速懸念を背景に寄り付きから大きく値を下げてスタート。その後は上海株が戻り足に転じたことを受けて買い戻しが入り下げ渋ったものの、日経平均は続落して着地した。
日経平均株価は、前週比162円(0.72%)安の2万2532円と3週続落して取引を終えた。週間の値幅は746円と、前週の1265円から大幅に縮小した。
来週も米株市場と連動する形で不安定な相場が続くとみられる。下値を試す展開になったとしても今週の下支えラインとなった2万2200円台を割ることはなさそうだ。
重要イベントとしては、国内では24日から9月中間決算の発表が本格化する。海外では25日のドラギECB総裁の記者会見や26日発表の米国7-9月期GDP、26日に北京で行われる日中首脳会談に注視が必要だろう。
◆マーケット・トレンド(10月15日~19日)
【↓】 10月15日(月)―― 大幅反落、 為替条項を嫌気しリスク回避の売り優勢
日経平均 22271.30( -423.36) 売買高14億0017万株 売買代金 2兆5945億円
【↑】 10月16日(火)―― 急反発、主力株中心にリバウンド狙いの買い優勢
日経平均 22549.24( +277.94) 売買高12億6021万株 売買代金 2兆4823億円
【↑】 10月17日(水)―― 大幅続伸、米株の急反騰を受けリスク選好の買い継続
日経平均 22841.12( +291.88) 売買高12億9068万株 売買代金 2兆5140億円
【↓】 10月18日(木)―― 3日ぶり反落、米株安や中国株安で利益確定売り優勢
日経平均 22658.16( -182.96) 売買高12億2855万株 売買代金 2兆2700億円
【↓】 10月19日(金)―― 続落、米株安と中国景気減速懸念でリスク回避ムード
日経平均 22532.08( -126.08) 売買高12億8165万株 売買代金 2兆3989億円
◆セクター・トレンド(10月15日~19日)
(1)郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運業が業種別下落率トップ
(2)原油安で昭和シェル <5002> 、出光興産 <5019> など石油株が売られた
(3)三菱ケミHD <4188> など化学、新日鉄住金 <5401> など鉄鋼といった素材株が続落
(4)コマツ <6301> など機械、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株は軟調
(5)金融株はオリックス <8591> などその他金融、三菱UFJ <8306> など銀行株は低調も
東京海上 <8766> など保険、野村 <8604> など証券株は堅調
(6)武田 <4502> など医薬、東電HD <9501> など電力・ガスといったディフェンシブ株は買われた
株探ニュース