【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 悪材織り込み、潮目が変化

市況
2018年11月4日 9時30分

「悪材織り込み、潮目が変化」

●出来高22億株が示唆するもの

10月2日に高値をつけて以降、下落続きだった10月相場がようやく終わった。ほぼ1ヵ月も下げ続けただけに正直うんざりさせられたが、ようやくそれは終わったと見てよい。

もちろん新たな月に入ったからといって、様変わりに好転とはならないだろう。しかし、前回も書いたようにネガティブ材料はほぼ表面化している。このような場合、株式市場はそれらを大抵株価に織り込んでいる。10月の下落はその過程だったと見てよい。

確かに、米中間選挙はまだ終わっていない。上院は民主党が善戦、勝利するだろうとの見方があり、トランプ大統領にとっては不利な議会運営を強いられる要因になると見られている。可能性としては、そういうこともあるだろう。しかし、実際そうなったとしても、このような観測はすでに周知のこと。前述したように、株価に織り込まれていると見るのが自然だ。

それを補強する材料もある。10月30日の相場だ。寄り付きから日経平均株価は急落したものの、引けにかけて急激に戻した。その時の東証1部の出来高に注目だ。22億株台となったのだ。逆張りの買いが入ったことになるが、市場の先行きに不安があれば、株価が下げたからといって簡単に大量買いが入るものではない。そうではないから、下げを好機と見て買いが入ったのであろう。

幸い、米中貿易戦争についても、好材料が出現した。トランプ大統領が「中国の習近平国家主席と長い時間とても良い話し合いができた。貿易に重点を置き、多くのテーマについて話した」とツイッターに投稿したのだ。

●11月末まで米中摩擦は凍結か?

中国もこの件について「両首脳は11月末にアルゼンチンで開かれる20ヵ国・地域(G20)首脳会議に合わせて会談し、貿易摩擦の打開に向けて協議を深めることで一致した」と公表したのだから、話し合いが持たれるのはまず間違いないだろう。

ポイントは11月末とされる会談までかなりの時間があること。会談までは米国から中国に対して強い要求がなされる可能性は低いと見てよく、投資しやすくなることが有り難い。

そこで、ここでの注目銘柄は、中国関連株との理由から好業績にもかかわらず株価が売られ続けてきたコマツ <6301> だ。なかなか上がりにくい銘柄ではあるが、最悪期は脱したと見る。

NTTドコモ <9437> が携帯の通信料金を引き下げる方針を表明したことで、いずれ他の携帯電話事業者も同様の引き下げを実施するだろうとの見方から株価が急落したKDDI <9433> も、どう考えても売られ過ぎであり、ここからは次第に見直し買いを期待できる。

一方、市場環境が悪化する中でも高値をキープし続けた銘柄は、相当地力あると見られるが、それらの中でもすかいらーくホールディングス <3197> が魅力的だ。

急落銘柄に戻ると、すでに取り上げた銘柄ながらソニー <6758> も反発途上の小反落はしっかり拾っておきたい。

新興銘柄にも目を向けておくと、家庭用蓄電システムに強いエヌエフ回路設計ブロック <6864> [JQ]がある。

2018年11月2日 記

株探ニュース

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