清水三津雄氏【静かな強弱感対立、ここからの相場は上か下か】(2) <相場観特集>

特集
2018年11月12日 19時15分

―日経平均は朝安後に浮上も上値追いに慎重なムード―

週明けの東京株式市場は気迷いムード。朝方は日経平均株価が安く始まったものの、売り一巡後急速に下げ渋り、前週末終値を上回る水準で着地した。後場も頑強ぶりを発揮したが、一方で上値を積極的に買う動きは見られない。企業の決算発表もピークを越え、売り方も買い方も新たな刺激材料の出現を息を殺して待つような地合い。2万2000円台前半は静かな強弱感対立の構図が浮き彫りとなっている。こうした局面を何度も見てきた経験値の高いベテラン市場関係者に、東京市場の今後の見通しについて聞いた。

●「新高値目指す強調展開も、割安感強く年末高意識へ」

清水三津雄氏(アイザワ証券 市場情報部 日本株ストラテジスト)

東京株式市場は、ここから年末に向けた強含みの展開が期待できるとみている。10月につけた年初来高値を更新することもあり得ると思う。

会社側は先行きを慎重にみているものの、ここまで発表された国内企業の第2四半期(4-9月)決算は堅調だ。今後、注目されるのは今月末に予定されている米中首脳会談だろう。ここで米中貿易摩擦が決着をみることはないだろうが、何らかの落としどころを探る展開が予想され、これを弾みに上値を目指す展開が期待できる。米国景気は来年にはピークを打つかもしれない。しかし、このことを東京市場が織り込むのはまだ先だろう。米国では12月も利上げが予想されドル高・円安が見込める。

足もとの日経平均の連結予想PERは12倍台と割安感がある。例年11~12月は株式市場のパフォーマンスの良い時期でもある。今後1ヵ月程度の日経平均のレンジは2万2000~2万5000円前後を見込んでいる。

ここからは、電子部品関連のハイテク株やロボットなど省力関連株の反騰が狙えると思う。村田製作所 <6981> やTDK <6762> 、太陽誘電 <6976> 、それに安川電機 <6506> やダイフク <6383> 、ファナック <6954> など。ソニー <6758> は一段の人気が期待できる。また、大林組 <1802> など建設株、それにGMOペイメントゲートウェイ <3769> のようなキャッシュレス関連銘柄も面白いだろう。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・みつお)

アイザワ証券日本株ストラテジスト。歯切れの良さと分かりやすい説明に加え、ピンポイントの銘柄分析に定評がある。セミナー講師を年間50回以上務め、個人投資家との対話が好評を博す。「ラジオNIKKEI」「日経CNBC」「ストックボイス」にレギュラー出演中。

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